こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

おもしろい楽器 中南米の旅から(第318号)

『おもしろい楽器 中南米の旅から』は、音楽と楽器と人で満ちあふれている。

たとえば吹く!

たとえば叩く!

たとえばふる!まわす!ゆする!

たとえばひっかく、はじく、こする!

楽器をもたない人も、楽器を鳴らさない人もいないんじゃないかと思うくらいに、みな音楽を楽しんでいる。種類もいろいろなら、形もいろいろ。美しく彩られた楽器と、たくさんの人々。写真の数々を見るだけで、にぎやかな音が聞こえてくるようだ。

中南米にはなぜ、こんなにも楽器があふれているのか?もともといた先住民のところに、スペインやポルトガルなどから白人がやってきて、その白人たちがまた、アフリカからたくさんの黒人を奴隷として連れてきた歴史、が関係しているという。中南米で人びとが往来した歴史は、苦難の歴史でもある。言葉も背景もさまざまな人たちが行き交うなかで、音楽は言葉より多くのものを伝えてきたことだろう。人びとは、楽器というツールをとおして、楽しさばかりでなく、人生の苦しみや悲しみを分かち合ってきたのかもしれない。

月刊 たくさんのふしぎ 2011年 09月号 [雑誌]

月刊 たくさんのふしぎ 2011年 09月号 [雑誌]