こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

粉がつくった世界 (たくさんのふしぎ傑作集)(第33号)

私は、余った食品を何かしら加工して食べきるのが好きだ。たとえば、節分の豆。じゃこと炊き合わせて煎り豆ご飯にしたり、五目豆に仕立てたり。餅が余っていたときは、きな粉を作ったこともある。ミルサーで粉砕して、ちょこっと味見。香ばしくておいしいが…

飛行船にのって(第296号)

本というのは失われたもの、失われゆくものの記録でもあると思う。「たくさんのふしぎ」はニッチなもの、耳目を集めにくいものを取り上げることが多いと思うが、そういう事物というのは、ひっそりと消えてゆくようなものもある。 飛行船もその一つだ。 もち…

ジミンちのおもち(第327号)

突然、韓国に行こうと思い立ったことがある。新聞広告に「世界陶磁器エキスポ2001」が紹介されていたからだ。陶磁器にすごく興味があるというわけでもない。海外に行くなら、何かイベントに合わせたら面白いかなと思っただけだ。結婚前だった夫に言ったら、…

7つ橋のぎもん(第180号)

『数字であそぼ。』を読んでいる。主人公横辺は、理学部に合格したが、大学の高度な数学の授業を全く理解できず、二留中の身。高校までのテストや入試は得意の暗記で乗り切ってきた。1回生の初っ端、理解できない講義に挫折を味わうが、親にも言えず下宿を…

おぼん ふるさとへ帰る夏(第293号)

子供には“おばあちゃんち”がない。夫の両親も私の両親も健在なので、そこがおばあちゃんちということにはなる。しかしながら、双方とも、ふるさと、帰省という言葉からはかけ離れた場所だ。私の実家は田舎っぽさが残る地域だけれども、ニュータウンと呼ばれ…

ブラックホールって なんだろう?(第412号)

学校から帰った子供が、ちょっと不機嫌そうに言った。「今日の読み聞かせの本、間違ってるところがあった。」 子供の学校では、朝の時間、月2回程度、ボランティアによる読み聞かせが行われている。私もメンバーの一人だ。 間違ってるところ?何の本だった…

一郎くんの写真 日章旗の持ち主をさがして(第414号)

今朝、NHKを見ていた子供が、きょうは「なつぞら」やらないんだね、と言い出した。平和記念式典が始まっていた。8時15分、子供と一緒に黙祷を捧げる。 中学高校と多感な時期を広島で過ごした夫は、毎年黙祷を捧げている。私も山口、広島と転勤先で過ごす…

チョウのすきな葉っぱの味(第384号)

チョウの幼虫はめちゃくちゃ偏食らしい。 タイトルは「すき」になっているが、そんなレベルではなく、特定の葉っぱしか食べないのだ。「食草」もしくは「食樹」というらしい。たとえ食べ尽くして飢えたとしても、他の植物には決して手を出さない。挙げ句の果…

青い海をかけるカヌー マダガスカルのヴェズのくらし(第408号)

見開きいっぱいに広がるエメラルドグリーンの海。生き生きとカヌーを操る人々。温かみのある手書きの題字。表紙を見るだけでわくわくしてくる本だ。表紙が、この『青い海をかけるカヌー マダガスカルのヴェズのくらし』のすべてを表しているといっても過言で…

水のかたち(第214号)

山の朝は美しい。朝焼けに染まる山肌。光を浴びて輝く緑。朝露が日を受けてきらきら光っている。白山に登った時もそうだった。足もとの草には、蜘蛛の巣。露がおりて繊細なレースを作り出している。その様子を写真に撮っておきたいと思った。だがしかし。カ…

きみはなにどし?(たくさんのふしぎ傑作集)(第94号)

今年も早一か月が過ぎた。 年末年始ならともかく、こんな中途半端な時に「きみはなにどし?」もクソもないもんだが、そういえば節分というのも年女年男が関係するではないか。しかし、節分もとうに三日過ぎている。時期を逸していることに変わりはない…。 『…

スウェーデンの 変身する家具(第405号)

本号を寝っ転がって読んでいた子供が、 「ねえねえ、スエーデンでは、人んちの森にも自由に入っていいんだって。そこでキャンプしてもいいんだって。すごいねー」 と言い出した。 実はこれ『森はみんなの保育園』にも書いてあったことなのだ。こちらはデンマ…

盆栽をそだてる(第406号)

これは盆栽についての本だ。ついに出た。 "I am a Bonsai"ではなく、"Living with Bonsai"だ。 しかし、これは盆栽の本ではないのではないか。いや、盆栽の本なのだが…。 すうっと読めてしまって、なにか物足りない、もっと盆栽について知りたい、飢餓感とい…

病院の子どもたち チャイルド・ライフ・スペシャリストのしごと(第407号)

家庭教師の仕事をしていた頃、病院に教えに行ったことがある。入試を間近に控えた中学生だった。何で入院していたのかはわからないが、特にしんどそうな様子は見られなかったので、重篤な状態ではなかったのだと思う。ほんの数日だけの指導でどうにかなるも…

空のみち 飛行機と航空管制官(第331号)

先日、式根島に行った。行きは船で、帰りは新島から飛行機に乗った。 飛行機が到着するのは調布飛行場。この飛行場を舞台とする絵本がある。『ちいさなひこうきのたび』だ。かつての転勤先だった鹿児島にいた頃、よく読んでやっていた。場所こそ違えど「ちい…

ブラックバス(第16号)

この本の最後は次のように締めくくられている。 アメリカでは、つり場をだいじにする法律があって、魚がすくすくそだち、このあいだは、なんと体長83センチメートル、おもさ10キログラムというすばらしいブラックバスがつれた。 日本でも、そんな魚がそだつ…

劇団ふしぎ座 まもなく開幕!!(第71号)

子供の学校ではもうすぐ学芸会が開かれる。 オーディションでうまくいかなかったと言っていた息子は、希望の役にありつけなかったようだ。仕方がない。 私は衣装作り(といっても裁縫系ではなく工作に近いもの)のボランティアに行ったり、指定されるものを…

神々の花園(第368号)

『砂漠の花園』はペルーだったが、こちらは南アフリカ共和国はナマクアランドにあるお花畑。 色、色、色!色の洪水にただただ圧倒される1冊。まさに「神々の花園」という呼び名に相応しい風景だ。 『砂漠の花園』の野村氏が何度もローマスを訪れているよう…

砂漠の花園(第224号)

ここ最近の「ダーウィンが来た!」は、なぜか鳥ばかり連続で取り上げられている。 第568回「住まいは東京!幻のタカ」 に始まり、 第569回「進化するだまし合い!鳥の托(たく)卵最前線」 第570回「ヒナを守れ!島を作る鳥」 と続き、来週も 第571回「踊る!…

メコン 源流をもとめて(第284号)

意識していなかったが、私は川の絵本が好きらしい。 加古里子の名作『かわ』に始まり、村松昭の「鳥瞰地図絵本」シリーズは全部読んでやっている。たまがわ、ちくごがわ、ちくまがわ・しなのがわ、よしのがわ、いしかりがわ、よどがわ、あらかわ・すみだがわ…

くりばやし(第404号)

くりばやし、は栗林だ。 農林水産省は、人工的なものを林、自然にできたものを森と定めているらしい。 『くりばやし』の木は、人が果実を採るために植えているから、まさに林なのだ。 表紙の木を見れば、等間隔にリズムよく並んでいる。自然の中で同じ種類の…

ほら、きのこが… (たくさんのふしぎ傑作集)(第127号)

最近めっきり参加しなくなったが、以前よく行っていた里山イベントでは、椎茸の駒打ち体験もやっていた。切り出した間伐材を使っての作業だ。枝打ちをし適当な長さに伐り、作業場所まで運ぶ。木というのは案外重たいもので、短めの丸太でも腕にずっしり来る…

カジカおじさんの川語り (たくさんのふしぎ傑作集) (第170号)

例によってNHKをつけながら朝の用事を済ませていたら、カジカ漁の話をやっていた。 秋を楽しむ 秋の魚 カジカの釣り方とは? | おはよう日本 関東甲信越 | @首都圏 | NHK かつては東京の農山村でも、魚体のみならず卵塊までも食卓にのぼるくらい豊富に獲れ…

ギョレメ村でじゅうたんを織る (たくさんのふしぎ傑作集) (第102号)

じゅうたんを織る?作者は織物作家か何かなのか?絨緞の作り方を勉強するためにトルコに行ったのか?と思われることだろう。しかし新藤悦子氏の本業は、ノンフィクション作家、ファンタジー小説家。つまり物書きだ。 大学生の頃、トルコの田舎町を旅していた…

おじいちゃんのSLアルバム (たくさんのふしぎ傑作集) (第239号)

これまでに撮りためた写真を元に、自分の「SLアルバム」を作ってみた。子供がかつて鉄道好きだったこともあって、まあまあSLの写真がある。人物をカットしたためトリミングが変な写真も多いが、もちろん腕がマズいせいもある。 D51426 C57180 C57186 台糖355…

拝啓・手紙です (たくさんのふしぎ傑作集)(第38号)

若いころ、一度だけラブレターをもらったことがある。バイト先の人だ。 内容はほとんど忘れてしまったが、「好きだ」という言葉があったことだけは覚えている。真っ白な便せんに整った字で綴られた手紙。嬉しかった。 私も心を込めて返事を書いた。断りの手…

川のホタル 森のホタル(第363号)

夏休みは与論島・奄美大島を旅した。 奄美ではナイトツアーに参加した。奄美フォレストポリスのガイドさんの案内で、園内を散策する。時間は20時近く、辺りはもう真っ暗だ。 ガイドさんが、ほら、ホタルですよ、とおっしゃる先には、光る点々が。ホタル?…

一枚の布を ぐるぐるぐる(第285号)

『すてきなタータンチェック』にも書かれているが、「タータン柄のスカート」は元々男性用衣装だった。キルトと呼ばれるスコットランドの民族衣装だ。下着をつけずに着るものらしい。つまりノーパンだ。キルトの元になったのは、Belted plaid(ベルトで締め…

絵とき 生きものは円柱形 (たくさんのふしぎ傑作集) (第235号)

6月に、多摩動物公園の開園60周年記念講演会「生き物は円柱形──ゾウの鼻もライオンの足も、それからミミズも円柱形!」に参加してきた。息子含め小学生たちは真ん前のかぶりつき席、大人たちは後方の椅子席だ。 風船を始めさまざまな小道具を駆使した説明が…

すてきなタータンチェック(第402号)

小学生の頃、タータンチェック柄の巻きスカートが大好きだった。巻き終わりが大きめのピンで留めてあるのも、すごく気に入っていた。違う柄のを2着買ってしょっちゅう着ていた覚えがある。クローゼットを見てみれば、今もタータンチェック柄のシャツや上着…