こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

社会

龍をおう旅(第83号)

本書は「作者のことば」によると、 龍は空想動物ですが、生きているがごとく東西の世界にいます。 その龍を見るために、中国からヨーロッパまでの大きな拡がりの中に旅立ちました。 ということで、古今東西の龍を求めて旅をし、写真を集めたものだ。その後、…

ドイツの黒い森(第153号)

昨日のエントリーでいただいたコメントの、返信で書いたことについて補足すると、「マイナスの面も含めた身近にある自然の姿」というのは、自然自体のマイナス面というより、人間活動の影響で生じたマイナス面、とするべきだったと思い直した。もっと言えば…

森はみんなの保育園(第320号)

「たくさんのふしぎ」で自然科学系の分野を書いている方々の多くは、子供の頃野山を駆け回っていたとか、虫取りに夢中だったとかいう自己紹介が見られて、ああ幼少期の自然体験というのは後々「役立つ」ものなんだなーとつい短絡的なことを思ってしまう、 が…

ウミガメは広い海をゆく(第174号)

先日、この記事にある、ウミガメ放流会についてのマンガを見た。実は小笠原に行った時、私たちも「ウミガメの放流」イベントを見に行っている。 生後1年くらいのアオウミガメ 海へ向かう様子 このイベントは、マンガでも問題とされている「日中の放流」で、…

富岡製糸場 生糸がつくった近代の日本(第375号)

夏の旅行の一日は白川郷に行ったのだが、そこで訪れた和田家住宅の中にはカイコの幼虫の生体が展示されていた。富岡製糸場からいただいた、と説明書きが付けられていた。世界遺産つながりでのやり取りなのかはわからないが、往時に養蚕をしていたことから、…

南極の生きものたち(第369号)

南極といえば、以前書いたエントリーの『コウテイペンギン撮影記』が思い出されるが、南極へむかう行程さえハイテンションの感情をだだもれに書き綴っていた内山氏に対し、『南極の生きものたち』の水口博也氏が書く南極は、あくまでフラットな調子で綴られ…

迷宮へどうぞ (たくさんのふしぎ傑作集) (第46号)

はてなキーワードで「たくさんのふしぎ」は、"マニアックな題材、作家選びがされており"との説明がなされているが、この『迷宮へどうぞ』の著者、種村季弘ほどマニアックという言葉が似合う人もいないのではないか。私が種村季弘の名前を知ったのは、高校生…

わたしが外人だったころ (たくさんのふしぎ傑作集)(第124号)

著者は1938年秋、16歳の時アメリカに留学し、ミドルセックス校を経てハーヴァード大学に入学する。大学入学後3年目に、日本とアメリカの間で戦争が勃発し、FBIから取り調べを受けた後、移民局付属の留置場につながれる。当時卒論作成中だった著者だが、…

マーシャルの子どもたち-水爆の島(第139号)

本号の最後は、こう結ばれている。 太平洋のまん中の小さな島でおこっていることは、けっしてマーシャルの人びとだけの問題ではありません。核実験や原子力発電所の事故による放射能でくるしんでいる人びとが世界の各地にいます。もしも核戦争や原子力発電所…

小麦・ふくらんでパン (たくさんのふしぎ傑作集)(第92号)

学生時代、初めてイタリアを旅した時、感動したのがパンのおいしさだった。それまでも、スーパー併設のベーカリーで買った、焼きたてフランスパンのおいしさに、まるまる1本平らげるみたいなこともありはしたが、とにかくローマに来て、初めて食べた朝食の…

ハクチョウの冬ごし(第309号)

本号は「作者のことば」によると、 私の住む山形県鶴岡市大山には、今でも貴重なブナ林のある高舘山と八森山があります。 八森山のふもとに上池があり、高舘山のふもとに下池があります、このふたつの山も池も、私の幼いころからの動植物の観察の場であり、…

ぼくは少年鉄道員 (たくさんのふしぎ傑作集) (第242号)

この号は珍しく、雑誌と傑作集の表紙が異なっている(ほかには『みんなでつくる1本の辞書 』が異なっている)。雑誌の写真は、地味目の背景に正面からやってくる列車の色が映えて、かわいらしい感じが良く出ているが、傑作集の方は傑作集で、空の色と列車の…

村を守る、ワラのお人形さま(第356号)

今回のゴールデンウィークは、子供が野鳥ブームということで、野鳥観察中心の旅をした。初日は、野辺山高原一帯に行ってみたが、この本によると夏冬の方がおすすめらしい。それでも、以前から見たがっていたヒバリを見ることができたり、キビタキの愛らしい…

海べをはしる人車鉄道(第261号)

子供が鉄”道”を邁進していた頃、本号の作者、横溝英一氏の本には大変お世話になった。福音館から出ている本はすべて読んでいるし、小峰書店の本もほとんどを読んでやっている。横溝氏の描く絵の線や色づかいは、きちっとしていながらもどこか温かみがある感…

カレーライスがやってきた (たくさんのふしぎ傑作集)(第45号)

初っ端から出てくるのが「カエルカレー」。買えるカレーではない。『西洋料理指南』という100年以上も前の本に出てくる、日本で最初のカレーのレシピらしい。 どこかのレストランか何かで再現してもらうのかと思いきや、 ぼくは、どんな味かわからないけれど…

いっぽんの鉛筆のむこうに (たくさんのふしぎ傑作集) (第1号)

創刊号というのは、あらゆる要素が詰まっている。その雑誌が何を目指しているのか、誰に向けて何を伝えたいのか、いちばん良くわかるのが創刊号だ。 このブログでは、私の趣味で、小学校の教科に合わせてカテゴリー分けをしているが、「たくさんのふしぎ」を…

おしりをふく話 (たくさんのふしぎ傑作集)(第162号)

このエントリーで紹介した記事の伊沢氏は、葉っぱで拭いているということだったが、昔の人も、今のようなトイレットペーパーが登場するまでは、いろいろな物でお尻の始末をつけていた。 トイレットペーパーの前はチリ紙。そういえば、夫の祖父母の家に初めて…

どうして、お酒飲むの?(第204号)

ホントにどうして、でしょうねえ…おいしいから、かな? 私は一応酒飲みの端くれで、若いときはお酒の失敗も数多くあった。恥ずかしくて思い出したくもないことだ。晩ご飯の買い物をする時、その日飲みたいお酒に合うおかずをまず考えていたのだから、お察し…

青函連絡船ものがたり(第34号)

母のふるさとは北海道にある。学校の長期休みのたび、飛行機に乗って、北海道の祖父母の元へ遊びに行っていた。 ある時、青函トンネルの完成に伴い、青函連絡船が廃止されるというニュースを知った母は、最後に乗りに行こうと言い出した。飛行機に慣れている…

カステラ、カステラ!(たくさんのふしぎ傑作集) (第251号)

子供のおやつの好みはよくわからない。瓦せんべい系は好きなのに、クッキーは食べなかったり。アイスクリームは食べるのに、生クリームのケーキは嫌いだったり。そして、ケーキは食べないくせに、カステラは大好きなのだ。 カステラといえば、長崎。長崎には…

コアジサシ ふるさとをなくした渡り鳥(第266号)

ふるさとをなくした渡り鳥、の”ふるさと”というのは、日本にある「営巣地」のことである。コアジサシは春、日本に渡ってきて繁殖期をむかえ、子育てをするからだ。 著者は野鳥調査をする中で、子育て中とおぼしきコアジサシたちが、不自然な方向に飛び去って…

トイレのおかげ (たくさんのふしぎ傑作集)(第141号)

野糞をしたことがある、という人は案外にいるのではないだろうか? かくいう私も、山行で何回かしたことがある。人目さえ気にならなければ、最高に気持ちいい行為だ。あたかも、自然と一体になったかのような幸福感がある。都市部のマンション住まい、排便は…

分水嶺さがし(第377号)

子供はNHKの「ブラタモリ」が大好きで、毎週欠かさず見ている。 こちらでは、疑似社会科学という言葉が出てきて「どうもサイエンス的な裏付けが弱い気がする」と述べられているが、具体的にどこがどうという説明がないので、何とも言えない「気がする」。 ブ…

ノースウッズの森で (たくさんのふしぎ傑作集) (第246号)

本書は、これまで紹介してきた、大竹英洋の”ノースウッズシリーズ”の最初の作品である。出版順はまずこの第246号、続いて『春をさがして カヌーの旅(第253号)』、『森のおく 湖のほとり ノースウッズを旅して(第330号)』、『カリブーの足音 ソリの旅(第…

カリブーの足音 ソリの旅(第381号)

『春をさがして』はノースウッズの春を旅したものだったが、この『カリブーの足音』は冬のノースウッズを描いたものだ。旅の相棒は今回もウェイン。冬になると、今度はカヌーではなく木製のそりに荷物を載せ、自分の力で引きながら旅に出る。そんなウェイン…

コテングコウモリを紹介します(第324号)

この号は、NHKの「ダーウィンが来た!」でコウモリを特集した時に、借りてきたことがあったのだが、子供はあまり興味がなかったようで、読まないままで返してしまった。このイベントで、先生がコテングコウモリの剥製を持ってきてくださっていて、それが思い…

春をさがして カヌーの旅(第253号)

日本じゅうの4月1日(第37号)のエントリーで「4月1日に子供と家のまわりを観察してみる」と書いたが、この日は近隣の県に出ていたので、そこでの観察について「日本中の4月1日」風に記してみようと思う。出かけたのは千葉県にある「我孫子市鳥の博物館」…

屋上のとんがり帽子 (たくさんのふしぎ傑作集) (第210号)

屋上のとんがり帽子 (たくさんのふしぎ傑作集) 作者: 折原恵 出版社/メーカー: 福音館書店 発売日: 2008/01/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 表紙写真を見て、この本はなにをテーマにした本だと思うだろうか? とんがり、という言葉…

日本じゅうの4月1日(第37号)

4月1日、といっても、これはエイプリルフールの本ではない。 今、この号を手に取る人はあまりいないと思うので、どんな内容なのか、表紙裏の言葉から引用してみる。 ● この本ができるまで 日本は南北にほそ長い国です。冬、長いあいだ雪にうもれる北国もあ…

和菓子のほん (たくさんのふしぎ傑作集) (第231号)

洋菓子好きの母親に似ず、子供の好みは和菓子の方にあるようだ。 バターをふんだんに使ったクッキーや、クリームたっぷりのケーキには見向きもせず、先日は、好きなものを選んできなさいと菓子売場に送り出した後、子供が持ってきたのは、かりんとうとかわら…