こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

301-400

ウナギとりの夏(第329号)

丑の日だ。うなぎが減ってきているというニュースを聞いてから、あまり買わないようになったが、今日はどこのスーパーでもお誘いが多いだろう。夕飯はうな玉丼になりそうだ。 前いた鹿児島は養殖がさかんで、そのためかわからないが、わりとうなぎを買ってい…

四万年の絵(第376号)

想像を元にした絵を描くのは人間だけであるという。『ことばをおぼえたチンパンジー』を書いた松沢先生の研究によって明らかになった。 この『四万年の絵』で紹介されているのは、何万年も前からオーストラリアにくらしてきた「アボリジニ」たちが描いた絵。…

トドマツ(第370号)

NHKをつけながら、朝の用事を済ませていたら、トドマツ、という言葉が聞こえて思わずテレビの方を見た。やっていたのは「まちかど情報室」というコーナー。新巻鮭を入れる木箱で作ったウクレレを紹介していたのだった。 2018年6月28日(木)植物が大変身!|…

おおきな石(第335号)

BIG ROCKS, BIG WORLD! なんて素敵な英題だろう。これ以上の説明は要らないのではないか。 表紙は見開きにすると、真っ青な空を背景にしたエアーズロックがどーんと現れて、まさに圧巻だ。月刊誌の背表紙は薄めなので、見開きにしても邪魔にならない。「たく…

10才のころ、ぼくは考えた。(第399号)

この本に「ぼく」という言葉が何回出てくるか数えてみた。 本文が始まる2ページ目から終わりの40ページまで数えると、 2ページ〜11ページ…8回 12ページ〜21ページ…2回 22ページ〜31ページ…28回 32ページ〜40ページ…35回 ということ…

絵で読む 子どもと祭り(第400号)

名作『やこうれっしゃ』を描いた西村繁男の手による、たくさんのふしぎ第400号!昨年からもうすぐ400号も近いなあと思っていて、どんな号になるのか楽しみにしていた。 予想以上に素敵な本に仕上がっていて、何かその辺に置いてあるとついつい手に取ってペー…

富士山のまりも(第348号)

週末、子供が山中湖に行きたい(もちろん目的は野鳥)と言い出したので、家族で出かけることになった。それにしてもわが家は、一人しかいないこの子に甘過ぎやしないか?どこそこへ行きたいといえば車を出してやり、あそこで鳥を探したいと言われれば唯々諾…

森の舞台うら(第397号)

むかしむかし小学生のころ、学校で落ち葉を集めて腐葉土を作る準備をしたことがある。かさかさの枯れ葉が、どうやって土に変わるのかとても不思議だった。風に吹かれたり雨に当たったりするうち、細かくなっていくのかなあとか、それだとかなり時間がかかる…

川は道 森は家(第378号)

『テルマエ・ロマエ』で一躍有名となった漫画家、ヤマザキマリの息子の名はデルスという。彼女はイタリア留学中に恋人の子供を身ごもり、別れ、一人で出産をした。名匠・黒澤明の映画「デルス・ウザーラ」から、子供の名を取ったのだと語っている。『川は道 …

バシリスク 水の上を走るトカゲ(第316号)

本号は「1995年、ぼくははじめて中央アメリカのコスタリカを訪れました。」という一文から始まっているが、コスタリカと聞いて思い出したのが「水曜どうでしょう」の「中米・コスタリカで幻の鳥を激写する!」という企画。鳥関連には目ざとい子供がTOKYO MXで…

家にいたイリオモテヤマネコ(第351号)

タイトルの「家」はうちと読ませる。つまり、作者の家で、あの天然記念物であるイリオモテヤマネコを飼っていたというお話なのだ。この作者は何者なのか?動物学者?ヒントは戸川という名字にある。作者の戸川久美氏はあの戸川幸夫氏の娘なのだ。若い年代の…

昆虫の体重測定(第373号)

本号はタイトルそのまんま、あらゆる昆虫の体重を量ってみたというものだ。そんなシンプルな内容なのに、これがまたすごく面白いのだ。考えてみれば、世界最大のカブトムシだの、世界最大のチョウだのと体長に関しての話題は多いが、体重についてスポットが…

わたしたちのカメムシずかん やっかいものが宝ものになった話(第380号)

以前この記事で、仮説実験授業のことを取り上げたが、その提唱者である板倉聖宣先生が亡くなられた。 板倉先生のすごいところは、仮説実験授業そのものではない。子供の気持ちを知るのは難しい、だからこそ子供たちに聞かなければ分からないことも多いのだ、…

カブトムシの音がきこえる 土の中の11か月(第396号)

家の子供は、驚くほどカブトムシに興味がない。バッタ類は飼いたいと言って、少しばかり頑張って工夫していたこともあるが、カブトムシは一顧だにしなかった。市内のとある公園ではカブトムシがよく捕れて、時期にはトラップも仕掛けられるらしいので、興味…

みんなで龍になる 長崎の龍踊り体験(第395号)

私はけっこう長崎を訪れている方だと思うのだが、実のところ「龍踊(じゃおどり)」を見たことがあるのは、長崎ランタンフェスティバルの時の1回きりだ。本来はおくんちに奉納されるものなので、本当はこの時に見るのがいちばんなのだろう。 しかし、この本…

ナミブ砂海 世界でいちばん美しい砂漠(第374号)

私は、読み聞かせボランティアをしているくせに、絵本の良い読み手ではない。練習でも字を読むことに集中してしまって、絵を見ていないことがよくある。先日も『ぞうからかうぞ』を練習していて、これは「ゾウから買うぞ」だとばかり思って読んでいたら、「…

水辺の番人 カワウ(第392号)

カワウの扱いというのはカラスのそれと良い勝負だ。双方ともありふれた鳥で、はっきり言えば嫌われもの、むしろ害鳥としてマークされる存在でもある。子供とバードウォッチングをしていても、あれ何かな?あ~カワウかあ…という感じで、あまり観察されること…

地蔵さまと私(第394号)

本号の著者、田沼武能氏は、ライフワークとして日本や世界各地の子どもたちの写真を撮り続けている。その原点となるのが、 私がお地蔵さまを意識するようになったのは、本誌冒頭にも書いているが、1945年の東京大空襲の翌朝に防火用水槽の中で焼死していた子…

昭和十年の女の子 大阪のまちで(第393号)

この本の主人公"スミちゃん"は、平成29年現在10歳の女の子である"モモちゃん"の曾祖母だ。物語はモモちゃんがひいおばあちゃんのスミ子さんのところへ遊びに行くところから始まる。モモちゃんは昭和10年に10歳だったスミ子さんのアルバムを見ながら、当…

わが家は、野生動物診療所(第337号)

今朝、子供が学校へ向かって駆けていくのを、ひとり見送った。普通の朝の風景…と思われることだろうが、ここ数ヶ月の我が家では当たり前のことではなかった。 布団をかぶって登校の準備もままならない朝が始まり、思いきって1週間休ませてはみたものの、さ…

もじのカタチ(第305号)

子供が突然、広告の裏に「ふ」の字をいろいろ書き始めたので、何かと思ったらこの『もじのカタチ』に触発されてのことだとわかった。最近はいちばん最初に「たくさんのふしぎ」を読むのは子供で、私はブログを書くために後から読むということが多い。にして…

海のかたち ぼくの見たプランクトン(第391号)

プランクトン、と言われてはじめに何を思い浮かべるだろうか?ミジンコ?アオミドロ?しかし、この本に出てくるプランクトンは、そのような「典型的」なものではなく、サルパやゾエア、ヒラメやアンコウの稚魚など、私が"プランクトン"として認識していない…

いちくんと古太鼓(第379号)

飯野和好の絵は私にとって、あくが強すぎる。正直なところ、大好きとは言いがたい。それでも、名作『あのときすきになったよ』や『おならうた』は飯野氏の絵がぴたりとはまっていて、好きな作品のひとつだ。とくに『あのときすきになったよ』は、飯野氏以外…

野生動物の反乱(第313号)

白山から下りた後、宿泊したのが一里野温泉にある岩間山荘。ご主人が"マタギ(猟師)"をしておられるということで、熊や猪の料理を堪能できる宿だ。女将さんが作るお料理は、家庭料理の延長線上にあるものだが、どれもこれもホッとできる味で本当においしか…

森はみんなの保育園(第320号)

「たくさんのふしぎ」で自然科学系の分野を書いている方々の多くは、子供の頃野山を駆け回っていたとか、虫取りに夢中だったとかいう自己紹介が見られて、ああ幼少期の自然体験というのは後々「役立つ」ものなんだなーとつい短絡的なことを思ってしまう、 が…

木の実は旅する(第362号)

『あったよ! 野山のごちそう』には、 どんなにおいしそうに見えても毒をもっている実もあるよ。 と書かれていたが、その「どんなにおいしそうに見えても毒をもっている実」の一つが、本書に出てくるドクウツギの実だ。「鳥と旅する木の実」ということで紹介…

月へ行きたい (たくさんのふしぎ傑作集)(第311号)

月へ行きたい!今すぐに。 夏休みもあとわずか。ぴりぴりムードな私と対照的に、肝心の子供はといえば、寝っ転がってのほほんと鳥の本を眺めているだけ。子供の宿題は子供のもの、私は関係ない!と吹っ切れればいいけれど、まったく子供任せというわけにもい…

動物たちが教えてくれる 海の中のくらしかた(第389号)

本書のテーマである、バイオロギングのことを初めて知ったのは『ペンギンが教えてくれた 物理のはなし』という本だった。タイトルの物理という言葉に怯みつつも、ジェンツーペンギンが表紙とあれば、読まないという選択肢はない。残念なことにジェンツーペン…

アリになった数学者(第390号)

アリになった?数学者?何とも奇妙なタイトルだが、比喩ではなく本当に「アリになった数学者」の話であった。 数学者はなぜアリになったのか?それは「知るということ、わかるということは、自分ではない相手の心と、深く響きあうこと」だから。「数や図形の…

立山に咲くチングルマ(第323号)

夏の旅行の一部は、山登りをした。場所は白山。学生の頃以来なので、およそ20年ぶりとなる。後に我が子と一緒にふたたび山頂に立つことになろうとは、学生時代の自分が知ったらさぞや驚くだろうと思う。 この時期の白山は、お花(高山植物)がいっぱい。とい…