こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

方言どこどこ?(第133号)

夫と二人暮らしだった頃、子供に勉強を教える仕事をしていたことがあった。 結婚した直後、夫に転勤の辞令が出て、私はそれまで勤めていた会社を辞め、生まれ育った関東地方から、まったく土地勘のない西日本方面へ引越すことになった。運転免許がなかったの…

スズメのくらし(第345号)

このイベントでの自然観察では、早朝に野鳥観察の時間もあったのだが、野鳥の可愛らしさにすっかり夢中になった子供は、自宅に帰ってからも、カメラを片手に外を駆け回るようになった。先生は「身近にいる鳥もぜひ観察してみてください」とおっしゃっていた…

水中さつえい大作戦 (たくさんのふしぎ傑作集) (第128号)

実は、この本の作者に会ったことがある。中川雄三氏は、このイベントでの「生物観察の先生」だったのだ。その時は知らなかったのだが、後から先生の名前を調べて驚いた。「たくさんのふしぎ」で2冊も担当されているではないか。そしてそのどちらも読んだこ…

森のおく 湖のほとり ノースウッズを旅して(第330号)

その昔「ナショナル・ジオグラフィック」という雑誌を取っていたことがあって、その中でひときわ印象に残る記事があった。 「北の森から 90日の撮影記録」という特集記事で、ジム・ブランデンバーグという写真家が書いたものだった。 人里離れたミネソタ州の…

カリブーの足音 ソリの旅(第381号)

『春をさがして』はノースウッズの春を旅したものだったが、この『カリブーの足音』は冬のノースウッズを描いたものだ。旅の相棒は今回もウェイン。冬になると、今度はカヌーではなく木製のそりに荷物を載せ、自分の力で引きながら旅に出る。そんなウェイン…

コテングコウモリを紹介します(第324号)

この号は、NHKの「ダーウィンが来た!」でコウモリを特集した時に、借りてきたことがあったのだが、子供はあまり興味がなかったようで、読まないままで返してしまった。このイベントで、先生がコテングコウモリの剥製を持ってきてくださっていて、それが思い…

ツバメ観察記 (たくさんのふしぎ傑作集)(第228号)

先日、前年度の学校のプリント類を整理していたら、夏休みの「おすすめの本を紹介する」宿題が出てきた。題材はこの『ツバメ観察記』。子供は文を作るのが苦にならないらしく、与えられた用紙以上に書いてくることが多い。1年生のとき、同じ「おすすめ本紹…

野生のチューリップ(第386号)

野生のチューリップ、というと思い出すのがこの曲。 運転中かけるとついつい気持ちよく唄ってしまうスピッツの歌だが、よくよく詞を見ると、黒目がちの草野正宗の瞳にも似た、深い闇が見えるから恐ろしい。 「野生のチューリップ」も夜空とか星とかロマンテ…

草と木で包む (たくさんのふしぎ傑作集) (第183号)

桜餅や柏餅、笹団子にちまき、竹の皮につつまれたおにぎり…自然の葉っぱで包まれた食べ物を見ると、本当にわくわくする。 とくに好きなのが、鱒寿司だ。たまにスーパーで駅弁が出る時、ラインナップに入っているのでつい買ってしまう。富山には一度も行った…

春をさがして カヌーの旅(第253号)

日本じゅうの4月1日(第37号)のエントリーで「4月1日に子供と家のまわりを観察してみる」と書いたが、この日は近隣の県に出ていたので、そこでの観察について「日本中の4月1日」風に記してみようと思う。出かけたのは千葉県にある「我孫子市鳥の博物館」…

ヤマネはねぼすけ? (たくさんのふしぎ傑作集)(第90号)

本書は、学生時代からヤマネの研究をしてきた和歌山の小学校の先生が、子供たちと一緒にヤマネの生活を調べた記録を元に、書かれたものだ。 春、みんなで近くの山にのぼって、森の木に巣箱80個を設置する。 観察を続けた3ヶ月後のある日、2匹のヤマネが…

エゾクロテンのすむ森で(第314号)

先日家族で、ここの自然観察イベントに参加した。 生物観察の先生、星座観察の先生、それぞれ机上の講義あり、解説つきの実地観察あり、で盛り沢山の内容だった。 昼間は付近の森をゆっくり散策しながらの自然観察。先生の他ボランティアの方々も付いている…

屋上のとんがり帽子 (たくさんのふしぎ傑作集) (第210号)

屋上のとんがり帽子 (たくさんのふしぎ傑作集) 作者: 折原恵 出版社/メーカー: 福音館書店 発売日: 2008/01/20 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (5件) を見る 表紙写真を見て、この本はなにをテーマにした本だと思うだろうか? とんがり、という言葉…

あっ、流れ星!(第53号)

流れ星といえば、いつだったかの冬、夫がふたご座流星群を見に行こうとか言い出して、大きな公園に繰り出したことがあった。市街地から離れたここなら、きれいに見られるだろうという目論みだったのだが、思いのほか街灯が明るくて、じゃあ帰ろうかと引っ返…

へんてこ絵日記(第371号)

この『へんてこ絵日記』、へんてこなのは中身だけではない。 ほとんどの号が横書き・左開きなのに対し、この本は右開きで作られているのだ。絵日記の体裁を取っていることから、縦書きで右とじにしたのだろうが、日ごろ左とじの「ふしぎ」を見慣れているので…

宇宙とわたしたち(第385号)

仙厓義梵を知っているだろうか? 江戸絵画を特集した何処だったかの展覧会で、一目見て気に入ってしまったのだった。以来わが家では、仙厓の画らしきものをどこかで見るたびに、あれギボンだよねー?とか、やっぱりギボンだったよ、とかいう会話が繰り返され…

日本じゅうの4月1日(第37号)

4月1日、といっても、これはエイプリルフールの本ではない。 今、この号を手に取る人はあまりいないと思うので、どんな内容なのか、表紙裏の言葉から引用してみる。 ● この本ができるまで 日本は南北にほそ長い国です。冬、長いあいだ雪にうもれる北国もあ…

和菓子のほん (たくさんのふしぎ傑作集) (第231号)

洋菓子好きの母親に似ず、子供の好みは和菓子の方にあるようだ。 バターをふんだんに使ったクッキーや、クリームたっぷりのケーキには見向きもせず、先日は、好きなものを選んできなさいと菓子売場に送り出した後、子供が持ってきたのは、かりんとうとかわら…

みんなでつくる1本の辞書 (たくさんのふしぎ傑作集)(第338号)

「たくさんのふしぎ」は、何ページで構成されているか知っているだろうか? なんと、どの号も40ページで作られているのだ!ずっと読んできて、今さらながら気づいた。なんと、とか感心しなくても、公式サイトには”本文40ページ”とちゃんと書いてあるのだけれ…

風はどこからくるのだろう(第61号)

人生において、もっとも風のことを考えたのは、鹿児島在住時代だったと思う。降灰という、生活に影響する桜島上空の風向きは、いちばんの関心事だった。風向きは季節によって変化する、ということを否応無しに実感させられたのも桜島のおかげだ。 風は目には…

観覧車をたずねて(第310号)

「たくさんのふしぎ」を子供に読み始めたのは、確かこの号からだったように思う。 子供とどこかに出かけたりする前とか後とか、それに関連した本を探して読むようにしていた。たいがいは「かがくのとも」で、あとは、小さな子供向けの科学絵本や写真絵本など…

分類ごっこ(第52号)

ちょっと前から子供のブームは、"生物分類"である。 ねーねーアリって何の仲間か知ってるー?ハチ目、つまりハチの仲間なんだよーとか、イロハモミジって前はカエデ科だったけど、今はムクロジ科なんだよーとか。 図鑑を読み込んでは教えてくれるのだが、家…

暗闇の釣り師グローワーム(第358号)

子供が、虫にどっぷりハマり始めた頃の週末、きょうはここに行きたい!と言い出した。虫好きになったはいいものの、その頃季節はすでに秋。今は冬で虫シーズンの営業は終了している。そこで、この園内にある昆虫生態園に目をつけたというわけだった。 ふるえ…

あみださま大修理(第263号)

私は長らく、仏像など寺社仏閣に関わるものを「美術品」としてしか見てこなかった。 それが変わったのは、子供が生まれてからだ。これまではおざなりに手を合わせ、頭を下げていたものが、真剣に礼拝するようになった。子供が大病や大怪我をすることなく、無…

さくら 私のスケッチブックから(第312号)

花といえば桜。今年もお花見のシーズンがやってくる。 子供の写真を見返してみたら、呆れるほど毎年のように桜をバックにした写真があった。これほど愛されている花なのに、一度としてじっくり見たことがあっただろうか?いつもいつも早くお花見に行かなきゃ…

バッタのオリンピック (たくさんのふしぎ傑作集)(第6号)

ふだん、たくさんのふしぎを選ぶのは私だ。子供の興味や季節に合わせて探し、図書館で借りてくる。 『バッタのオリンピック』は、珍しく、子供自身が学校の図書室で借りてきたものだ。それまで息子の頭は、主に鉄分でできていたので、ムシには興味がないもの…

カタツムリ 小笠原へ(第366号)

冒頭、東京に住むカタツムリたちの、こんな会話が出てくる。 海のずーっとむこうの島にカタツムリの楽園があるらしいよ 「海のずーっとむこうの島」小笠原はカタツムリだけの楽園ではない。人間にとっても楽園だ。こーんなに美しい海が広がっているのだ!こ…

ゆきがうまれる(第383号)

冬になると、学校での読み聞かせ(高学年)で『雪の写真家ベントレー』という絵本を読むことがある。 この本は、Wilson Alwyn Bentleyというアメリカに実在した男の物語を描いたものだ。雪の結晶に魅せられた彼は、両親が、彼のために購入してくれた顕微鏡付…

木? それとも草? 竹は竹(第307号)

以前にも書いた、このイベントでは、クラフト体験の時間もある。 が、正直、クラフト体験にはあまり興味が持てないでいた。子供の方も、小刀などを使い慣れていないこともあり、作業を放り出して遊び出してしまうことの方が多い。 しかし「先生」は言う。 昔…

宇宙のつくりかた(第91号)

ものを知らないというのは、子供の最大の強みだと思う。 なまじいい加減に、理科系教科を勉強した大人としては、素粒子だの重力係数だのいう言葉が出てくるだけで、へなへなへな〜と力が抜けていくような気がするのだが、その点、何の先入観もなしに突入でき…

アイヌネノアンアイヌ(たくさんのふしぎ傑作集) (第55号)

前回「大学生であるならば、”何のために勉強するの?”という問いかけをするはずがない」とは書いた。しかしながら彼自身、勉強していないわけではないし、本を読まないわけでもない。彼の名誉のために投稿の全文を載せておく。 読書はしないといけないの? …

本のれきし5000年 (たくさんのふしぎ傑作集)(第56号)

この記事の元になった、新聞の読者投稿は、私もリアルタイムで読んでいて、 ”読書をしなければいけない確固たる理由があるならば教えて頂きたい” と問う彼に、自分は答える言葉を持ち得ているだろうかと考え込んでしまった覚えがある。なぜなら自分も、長い…

ほらふきおじさんのホントの話(第185号)

伝言ゲームをしたことがあるだろうか? 子供が幼稚園の頃、出し物で伝言ゲームをしたことがあるのだが、ごくごく簡単な言葉さえ、正確には伝わらないのだった。もちろん、幼稚園児の言語能力のせいもあるだろうし、面白くするため、途中わざと改変する大人も…

消えたエゾシロチョウ(第264号)

エゾシロチョウは、日本では、北海道にのみに生息する蝶だ。札幌市のHPを見ると、なんと衛生害虫のひとつらしい。 蝶というと花の蜜を吸う成虫のイメージが強いが、チョウ目の幼虫は、たしかに「農作物を荒らす害虫」だ。中でも単独ではなく、集団で食害する…

鬼が出た (たくさんのふしぎ傑作集)(第23号)

子供が4歳くらいの頃、友人が、これすごいんだよーって見せてくれたのが、 「鬼から電話」 という、今では有名になった”子育てサポートアプリ”だった。 ー下の子はもう、お父さんに言うよ!も効かなくなっちゃってさ〜、試しに使ってみたらもう効果覿面よ〜…

野菜の花が咲いたよ(第220号)

今は亡き、子供の曾祖父母の家は専業農家だった。 たまに遊びに行くと、畑でとれた野菜をどっさり持たせてくれたものだった。米農家だったので、野菜はあくまで自家用に作ったもの。それでもさすがはプロ。商品としても通用するような立派なものだった。当然…

ぼくは盆栽(第126号)

これは盆栽についての本ではない。 『ぼくは盆栽』というタイトル通りの本である。すなわち、 ぼく=盆栽 ”I am a Bonsai” ということだ。 巻頭にはこんな言葉が書いてある。 そんな盆栽がすきですきでとりつかれてしまったぼくは、ある時、盆栽の精となって…

桜島の赤い火(第334号)

鹿児島県の、とある市に住んでいたころ、日課は「桜島の風向」予報を見ることであった。 引越して間もないころ、外に干したものを取り入れようとした時のこと。布団に点々と、砂のような粒がついていることに気がついた。洗濯物を見れば同じようなものがうっ…

森をそだてる漁師の話(第132号)

わが家は転勤族のため、数年おきに日本各地を転々とする生活をしている。 新しい土地を巡る、旅のような暮らしも悪くはないが、一つの土地に根ざした生活にも憧れることがある。 先日、NHKの「小さな旅」で見たのは、開拓に入った土地で苦難の時代を分かち合…

アリジゴク 百の名前(第78号)

アリジゴク「で」遊んだことはあるだろうか? 子供のころからインドア派だった私でも、父親の田舎に行った時、軒先の砂地で見つけたアリジゴクで遊んだ覚えがある。夫に聞いたら、もちろん遊んだことがあった。そこでもう一つ聞いてみた。「アリジゴク」って…

熱はつたわる(第164号)

仮説実験授業というものに、興味をもっている。 子供には、できれば科学を好きになってもらいたい。たくさんのふしぎを読み聞かせするのも、そういう理由からだ。 でも本を読むだけではダメだ。目で見て、耳で聞いて、臭いを嗅いで、口で味わって、手で触れ…

石の卵 (たくさんのふしぎ傑作集) (第298号)

以前、息子は「石に執着する子」ではないかというようなことを書いた。 家のベランダには海や川や公園や道ばたや校庭や…で拾ってきた石が転がっているし、机の上にもどっかから持ち帰った石ころが置かれ、引き出しの空き箱にも石。そして洗濯後、ズボンのポ…

2本足と4本足 (たくさんのふしぎ傑作集) (第25号)

子供が赤ちゃんの頃、高バイが得意だった。 家の中はもちろんのこと、公園(芝生のある、だだっ広い所)に放すと、いつまでもどこまでもハイハイで移動していた。その姿はまさに、四足歩行する動物そのものだった。 つかまり立ちして、ちょっと歩いたかな?…

コウテイペンギン撮影記(第201号)

私の夢の一つは「野生のペンギンを見ること」。 近年、動物園や水族館でのペンギンの展示はかなり進化していて、南極風の真っ白い風景に置かれるだけ、ということも少なくなってきた。 中でも長崎ペンギン水族館は、ふれあいペンギンビーチと称し、なんと自…

春の妖精たち―スプリング・エフェメラル (たくさんのふしぎ傑作集) (第241号)

週末、ときどき子供と行くイベントに、こういうものがある。 木を伐ったり、竹を伐ったり、草を伐ったり、とにかく楽しい。ノコギリを使って木を切り倒すとか、自分に、そして子供にできることとは思わなかった。指導してくれる地元のボランティア団体の方々…

100まで生きる? (たくさんのふしぎ傑作集)(第44号)

ここ数年、夫の祖父母が相次いで亡くなった。二人とも80代後半だったので、平均寿命を超えて長生きしたことになる。 夫のもう一方の祖母は90を過ぎてなお存命している。足腰こそ弱っているが、食欲旺盛で認知症とも無縁、施設でお世話になりつつも元気に…

海をこえてやってきた(第177号)

ごくたまに、パエリアを作ることがある。スーパーでムール貝を見かけた時だ(レシピは長年ここのを使っている。いつ作ってもかんたんでおいしい)。 ムール貝はムラサキイガイとも呼ばれ、世界の侵略的外来種ワースト100に選ばれているし、日本の侵略的外来…

小さな四角い海・谷津干潟(第254号)

これは子供が読み聞かせしてくれた。 学校では、音読の宿題が出るのだが、一定期間毎日毎日毎日毎日毎日同じ文を聞いていると、本当に飽き飽きしてくる。読んでいる子供の方もつまらなそうだ。初回〜5回目くらいまでは、何とか工夫して乗り切るのだが、それ…

これ、わたし(第321号)

私は化粧をしないし、髪型もほとんど変えない。服装もいつも似たり寄ったりだ。メガネを買い替えることはあるが、つい同じようなメガネを選んでしまう。 なので子供は「いつもと違うお母さん」に出会ったことがない。 「これ、わたし」は、化粧、ヘアスタイ…

すてきにへんな家 (たくさんのふしぎ傑作集)(第42号)

わが家は転勤族のため、家を持ったことがない。 持ち家がないのは気楽だなーと思う反面、自分ちがあったらこんなことするのに、あんなことするのにと想像することもある(例えば作り付けの本棚をつくるとか)。 借家住まいだと、子供に小言をいうことも増え…