こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

富士山のまりも(第348号)

週末、子供が山中湖に行きたい(もちろん目的は野鳥)と言い出したので、家族で出かけることになった。それにしてもわが家は、一人しかいないこの子に甘過ぎやしないか?どこそこへ行きたいといえば車を出してやり、あそこで鳥を探したいと言われれば唯々諾…

森の舞台うら(第397号)

むかしむかし小学生のころ、学校で落ち葉を集めて腐葉土を作る準備をしたことがある。かさかさの枯れ葉が、どうやって土に変わるのかとても不思議だった。風に吹かれたり雨に当たったりするうち、細かくなっていくのかなあとか、それだとかなり時間がかかる…

雑木林の1年 (たくさんのふしぎ傑作集)(第24号)

子供お気に入りの公園は、ちょっとした起伏のある土地に、雑木林が広がっている自然豊かな公園だ。野鳥や昆虫を知らなかった頃からよく行きたがっていたので、琴線に触れる何かがあるのだろう。ほどよく管理された公園は近隣の人たちに愛され、季節毎に植物…

日本の自動車の歴史 (たくさんのふしぎ傑作集) (第82号)

本号の著者山本忠敬の絵本は、乗り物好きのお子さんがいて、絵本を読んでやる方なら、きっと手に取ったことがあるのではないだろうか。家でも名作『しょうぼうじどうしゃじぷた』(挿画担当)を始め、どんなにかお世話になったことだろう。飛行機で帰省する…

草や木のまじゅつ (たくさんのふしぎ傑作集)(第3号)

本書は草木染めについて書かれたものだ。草木染めといって思い出すのが志村ふくみ。中学か高校だかの教科書に、彼女の書いた文章が載っていたのを今でも覚えている。と思って調べてみたら、なんとそれを書いたのは志村氏自身ではなく大岡信。「言葉の力」と…

川は道 森は家(第378号)

『テルマエ・ロマエ』で一躍有名となった漫画家、ヤマザキマリの息子の名はデルスという。彼女はイタリア留学中に恋人の子供を身ごもり、別れ、一人で出産をした。名匠・黒澤明の映画「デルス・ウザーラ」から、子供の名を取ったのだと語っている。『川は道 …

吸血鬼のおはなし(第288号)

受験シーズンもそろそろ終わりだが、二十数年前の2月のある日、私は翌日の大学入試に備え、都内のホテルに宿泊していた。アラームをかけて、さあ寝ようと思ったところ、ヘッドボードにラジオが付いていることに気がついた。ときどき青春アドベンチャーを聴…

トルコのゼーラおばあさん、メッカへ行く(第271号)

私がトルコに旅行に行ったのは、かれこれ20年前。初めて訪れるムスリムの国だった。正教徒の国(ギリシャ)からムスリムの国(トルコ)へ、バスで国境を越えるという経験も初めてだったので、とても新鮮だったことをよく覚えている。当時持っていたパスポ…

宇宙人に会いたい(第205号)

7年くらい前、はやぶさの帰還が話題になった時、私たちは鹿児島にいた。そのはやぶさが打ち上げられたのは鹿児島県にある内之浦宇宙空間観測所で、住んでいたところからそれほど遠くないこともあり、何回か施設見学に訪れたことがある。中にある宇宙科学資…

大草原のノネコ母さん (たくさんのふしぎ傑作集)(第130号)

今週のお題「ねこ」にちなんで、『大草原のノネコ母さん』を取り上げる。私は子供の頃から大のネコ好きだが、今は転勤暮らしなのでネコを飼えない。替わりに毎年、猫の日めくりカレンダー"365 Cats Page-A-Day Calendar"を買っては、毎日めくって和んでいる…

ものまね名人 ツノゼミ (たくさんのふしぎ傑作集) (第238号)

本書の著者である森島氏も『バシリスク 水の上を走るトカゲ』の嶋田氏と同じく、偶然出会って一目で恋に落ちたものを追っかけ始めたクチだ。仕事でボリビアに行くことになった森島氏は、前々からの憧れであったヘルクレスカブトムシやモルフォチョウを見るこ…

お姫さまのアリの巣たんけん (たくさんのふしぎ傑作集) (第150号)

ここ3年、毎年のように参加しているのが近隣にある大学の公開講座「身近なアリを知ろう」だ。アリについての講義の後は、先生お手製の吸虫管を使って構内のアリを採集しては顕微鏡を使って同定し、レア度に応じて点数を競うという"アリエンテーリング"の活…

バシリスク 水の上を走るトカゲ(第316号)

本号は「1995年、ぼくははじめて中央アメリカのコスタリカを訪れました。」という一文から始まっているが、コスタリカと聞いて思い出したのが「水曜どうでしょう」の「中米・コスタリカで幻の鳥を激写する!」という企画。鳥関連には目ざとい子供がTOKYO MXで…

鳥の巣(第229号)

ここ1年、子供の趣味に付き合ってバードウォッチングをしているが、夫がすぐに影響を受けて自分もやり始めた(登山のついでだが)のとは対照的に、私の方はいつまでも初心者バーダーの域から抜け出せないでいる。私は、本質的には「自然」に興味がないのだ…

家にいたイリオモテヤマネコ(第351号)

タイトルの「家」はうちと読ませる。つまり、作者の家で、あの天然記念物であるイリオモテヤマネコを飼っていたというお話なのだ。この作者は何者なのか?動物学者?ヒントは戸川という名字にある。作者の戸川久美氏はあの戸川幸夫氏の娘なのだ。若い年代の…

昆虫の体重測定(第373号)

本号はタイトルそのまんま、あらゆる昆虫の体重を量ってみたというものだ。そんなシンプルな内容なのに、これがまたすごく面白いのだ。考えてみれば、世界最大のカブトムシだの、世界最大のチョウだのと体長に関しての話題は多いが、体重についてスポットが…

わたしたちのカメムシずかん やっかいものが宝ものになった話(第380号)

以前この記事で、仮説実験授業のことを取り上げたが、その提唱者である板倉聖宣先生が亡くなられた。 板倉先生のすごいところは、仮説実験授業そのものではない。子供の気持ちを知るのは難しい、だからこそ子供たちに聞かなければ分からないことも多いのだ、…

カブトムシの音がきこえる 土の中の11か月(第396号)

家の子供は、驚くほどカブトムシに興味がない。バッタ類は飼いたいと言って、少しばかり頑張って工夫していたこともあるが、カブトムシは一顧だにしなかった。市内のとある公園ではカブトムシがよく捕れて、時期にはトラップも仕掛けられるらしいので、興味…

大根はエライ (たくさんのふしぎ傑作集)(第222号)

大根はエライ!高い! 今年の大根は高嶺の花。いつもの年なら、今ごろおでんに煮物、鍋物、大根餅などなど大活躍する野菜なのに、今年と来たら、小さいくせに値ばかり張ってとても買えるものではない。生産者の皆さんも頑張ってはいるのだろうが、こればかり…

みんなで龍になる 長崎の龍踊り体験(第395号)

私はけっこう長崎を訪れている方だと思うのだが、実のところ「龍踊(じゃおどり)」を見たことがあるのは、長崎ランタンフェスティバルの時の1回きりだ。本来はおくんちに奉納されるものなので、本当はこの時に見るのがいちばんなのだろう。 しかし、この本…

ナミブ砂海 世界でいちばん美しい砂漠(第374号)

私は、読み聞かせボランティアをしているくせに、絵本の良い読み手ではない。練習でも字を読むことに集中してしまって、絵を見ていないことがよくある。先日も『ぞうからかうぞ』を練習していて、これは「ゾウから買うぞ」だとばかり思って読んでいたら、「…

水辺の番人 カワウ(第392号)

カワウの扱いというのはカラスのそれと良い勝負だ。双方ともありふれた鳥で、はっきり言えば嫌われもの、むしろ害鳥としてマークされる存在でもある。子供とバードウォッチングをしていても、あれ何かな?あ~カワウかあ…という感じで、あまり観察されること…

石ころ 地球のかけら (たくさんのふしぎ傑作集)(第77号)

今住んでいる市では「水辺の楽校」というイベントを開催していて、市内を流れる川で川遊びをしたり、自然観察を行ったりと身近な自然に親しむ活動を行っている。子供が1年生のときから参加していて、都合が付く日には必ず申込をしているが、抽選に当たらな…

ミクロの世界 (たくさんのふしぎ傑作集)(第81号)

昨年の、子供のクリスマスプレゼントのひとつは双眼鏡だった。これは夏に谷津干潟に行ったときに借りたのと同じものだ。レンジャーの方がおすすめしてくださっていたのもあり、クリスマスに贈ろうと予てより考えていた。小学生への双眼鏡のプレゼントとして…

手で食べる?(たくさんのふしぎ傑作集) (第158号)

学生時代、当時は"ただのサークルの先輩"だった今の夫に、昼飯に連れていかれたのが、今は無き高田馬場のインド料理店「マラバール」だった。今でこそ、エスニック料理は家で手作りもするなじみの味であるが、入学したての私にとって、タンドールで焼かれた…

好奇心の部屋 デロール (たくさんのふしぎ傑作集) (第225号)

『モグラの生活』のエントリーを書くのにいろいろ調べていて行き当たったのが「モグラ博士」のお話。モグラの話より印象的だったのが、モグラだけではなく様々な動物たちの標本を地道に収集することの大切さだった。先日参加したここのイベントでも、野外利…

モグラの生活 (たくさんのふしぎ傑作集)(第267号)

表紙タイトルの「モグラの生活」、よく見ると"グ"の濁点がもぐらを模していてとても可愛らしい。 モグラほど、身近にいながらその姿を見かけることの少ない動物も無いのではないだろうか。家の近所の河原の土手や近隣大学の構内などで、モグラ塚をよく見かけ…

古くて新しい椅子―イタリアの家具のしゅうりの話 (たくさんのふしぎ傑作集)(第143号)

私は一人っ子だが、何でも新しいものを買ってもらえてたかというと、そうでもなかった。 例えば勉強机。これは父が使っていた事務机のお下がりだった。本当に何の変哲もないただの事務机。可愛らしさのかけらもない。椅子にいたっては中古屋で買ったもの。こ…

地蔵さまと私(第394号)

本号の著者、田沼武能氏は、ライフワークとして日本や世界各地の子どもたちの写真を撮り続けている。その原点となるのが、 私がお地蔵さまを意識するようになったのは、本誌冒頭にも書いているが、1945年の東京大空襲の翌朝に防火用水槽の中で焼死していた子…

みらくるミルク (たくさんのふしぎ傑作集)(第131号)

冬休みも終盤戦に入り、宿題の追い込みに余念がない。もっとも追い込むのも、余念がないのもあくまで私の方だけであり、肝心の子供はというと、なんのこっちゃという感じで鳥の本を読み耽っているわけで…。夏休みとまったく代り映えしない光景に加え、またも…