こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

みんなでつくる1本の辞書 (たくさんのふしぎ傑作集)(第338号)

たくさんのふしぎ」は、何ページで構成されているか知ってるだろうか?

なんと、どの号も40ページで作られているのだ!

ずっと読んできて、今さらながら気づいた。なんと!とか感心しなくても、公式サイトには“本文40ページ”ってちゃんと書いてあるんだけど……。

ところが、この号だけ(だと思うが)は、48ページなのだ。8ページ分ものオーバー。構成上索引もついているのだが、それを除いても本文は45ページある。

40ページという縛りで、小学生にわかりやすいような形にするのは大変な作業だ。1ページに詰められる文章量は特集によって違うので、その辺で調整はできるだろうが、にしてもかなり構成に気を配る必要がある。載せたかったけど泣く泣くカットした写真とか文章とかあるに違いない。その制限があるからこそ、冗長にならずわかりやすいものに仕上げられるのだろう。

この号はなぜ、40ページに収めることができなかったのだろうか?

その理由は「辞書」というタイトルにある。「1本」と数えるモノ・コトを集めて辞書を作ろうという試みなので、集まったものをできるだけ多く載せなければならないのだ。言葉だけなら大したスペースは取らない。しかし、言葉をずらずら並べるだけでは、子供の本にはならないのだ。絵と言葉が合わさって初めて、伝えることができる。イラストというのは、これまた見やすいように配置するのが肝心で、結果としてどうしてもページ数を食うことになってしまったのかもしれない。

私は出版世界は知らないので、ページ数が増えることで生じる影響、例えばコストのことなどわからないが、月刊誌も傑作集の方も、特別定価ではなく通常どおりの値段設定だった。40ページに収めるかどうかについて議論はあったのだろうか?それとも今回は特別ということで問題にはならなかったのだろうか?

 

ちなみに、中国語での「1本」は「1冊の本」という意味にしかならないそうだ。

つまり『みんなでつくる1本の辞書』というタイトルは、文字どおり「1本」にまつわる辞書であり、「1冊の辞書」でもある、というわけなのだ。