読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

和菓子のほん (たくさんのふしぎ傑作集) (第231号)

洋菓子好きの母親に似ず、子供の好みは和菓子の方にあるようだ。

バターをふんだんに使ったクッキーや、クリームたっぷりのケーキには見向きもせず、先日は、好きなものを選んできなさいと菓子売場に送り出した後、子供が持ってきたのは、かりんとうとかわらせんべいだった。

洋菓子好きの私も、鹿児島に住んでいた頃には、郷土のお菓子をよく買って食べていた。いちばん好きなのは軽羹。鹿児島に来る前から大好きなお菓子で、中に餡の入った饅頭ではなく、シンプルな棹菓子の方をこよなく愛している。

鹿児島はこれまで見たこともないような郷土菓子の宝庫で、とくによく食べたのがあくまきというもち米と灰汁で作るお菓子。ふつうにどこのお店でも売っているものだが、買って食べるより多かったのが、夫がお客さんに手作りをいただいてきたものだった。

ふくれ菓子も朝食代わりによく食べていた。ただの蒸しパンと侮るなかれ。素朴な味わいながら、黒砂糖の風味が香ばしくて本当においしいのだ。げたんはも似たようなお菓子だが、こっちは甘みが強くてなかなか手が出なかった。

時々買っていたのが、けせん団子かからん団子。ニッキ系の風味が苦手な夫は、けせん団子を好まなかったが、かからん団子は好きで、スーパーで見かけるたびにカゴに入れていたものだった。

高麗餅(これもち)や煎粉餅(いこもち)はそれほど食べなかったが、たまに地元の和菓子屋さんに行った時、ちょこちょこ買っていた。春駒は元の名前を聞いてのけぞったお菓子だが、それほど食べる機会を持たなかったのは由来のせいではない。

酒まんじゅうが大好きな私は、空港方面に出かけるたび、加治木饅頭の店に立ち寄っては食べていた。加治木町そのものにはクモ合戦の見物に一度行ったきりだが、周辺にロードサイド店舗がかなりあるので、目の前に広がる桜島を眺めながら、蒸したてふわふわのおまんじゅうを食べたものである。

ここで紹介した鹿児島のお菓子は、『和菓子のほん』に出てくるような洗練されたものではないが、郷土の和菓子も同じように、作者が言うところの「日本発見のおもしろさ」があるのではないだろうか?

 

『和菓子のほん』に取材協力をした虎屋は、こんなことを言っている。*1

それぞれの時代の風土や生活様式と味覚、そして文学、絵画など、あらゆる日本文化の粋が具体的なひとつの形となって実を結んだもの、それが和菓子です

この記事の話が本当なら、これに関わる人は、文化というものをバカにしているとしか言いようがない。教科書の文言を差し替えるだけで事足りるというのは、子供をバカにした話ではないか。当の大人たちの方は、伝統文化を尊重する気持ちが本当にあるのだろうか?本当に我が国と郷土を愛しているのだろうか?子供たちにそれを伝えたいと本気で思っているのだろうか?

和菓子のほん (たくさんのふしぎ傑作集)

和菓子のほん (たくさんのふしぎ傑作集)