こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

水中さつえい大作戦 (たくさんのふしぎ傑作集) (第128号)

この本の作者に会ったことがある。

中川雄三氏はこのイベントでの「生物観察の先生」だったのだ。その時は知らなかったが、後から先生の名前を調べて驚いた。「たくさんのふしぎ」で2冊も担当されているではないか。そしてそのどちらも読んだことがある!1つは『ヤマネはねぼすけ? (たくさんのふしぎ傑作集)(第90号)』(写真担当)、そしてもう1冊が『水中さつえい大作戦』だ。とくにこの『水中さつえい大作戦』は、取り分け面白かったので、よく覚えていた。

たくさんのふしぎ」の著者に会えるなんて思いもしなかったので、本当に嬉しかった。印象に残っていた本なのでなおさらだ。

カモたちのゆかいな逆立ちのすがたを見るたびに、かれらの水中の行動を見てみたい!それを写真にうつしてみたい!ぼくはそう思うようになりました。 

先生(作者)は、作戦を開始する。

  • カモぼうし作戦
  • カモロボット作戦
  • べんとうばこ作戦

試行錯誤しながら、上の3つの作戦を繰り出していく先生。作戦の計画図や、決行の様子の写真も盛り込まれており、本当に面白い。

「カモたちの水中行動」の写真自体は、正直きれいなものではない。水の濁りがあるので、どうしてもクリアな画像にはならないのだ。

写真の美しさはどうでもいいことだ。やりたいことを計画し、実際にやってみて、うまくいかなければ原因を考えて、また計画する。粘り強く3年間、工夫と失敗を繰り返しながら、ついに成功するまでの過程こそ、大事なことだからだ。その過程の中で、いろいろな角度から写真を撮ることを試してみたり、変な写真が撮れるとそれを面白がってみたりと、楽しむことも忘れていないのだ。

何かに夢中になって心から楽しんでいる大人の姿を見せる、自分もこんな大人になりたいと思わせる。「たくさんのふしぎ」には、子供の“夢のかけら”がいっぱい詰まっていると思う。

たくさんのふしぎ」今年度のラインナップを見ると、先生は11月号の『カワウ』を担当される予定になっている。今からとても楽しみだ。

水中さつえい大作戦 (たくさんのふしぎ傑作集)

水中さつえい大作戦 (たくさんのふしぎ傑作集)