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こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

カステラ、カステラ!(たくさんのふしぎ傑作集) (第251号)

子供のおやつの好みはよくわからない。瓦せんべい系は好きなのに、クッキーは食べなかったり。アイスクリームは食べるのに、生クリームのケーキは嫌いだったり。そして、ケーキは食べないくせに、カステラは大好きなのだ。

カステラといえば、長崎。長崎にはこれまで何回行ったことだろう。高校の修学旅行に始まり、長崎ペンギン水族館にはかれこれ5回、長崎ランタンフェスティバルにも訪れたことがある。銀鍋であら料理を堪能するのは、たまの贅沢、最高の贅沢だった。そしておみやげの定番はやはりカステラ。からすみには手が出なくても、カステラを買わずに長崎を出たことはない。

 

ぐりとぐら』では「あさからばんまでたべてもまだのこるくらいの大きいかすてら」を作る様子が出てくるが、カステラを焼くのはフライパンだ。長崎でもカステラを作ろうとした当初、オーヴンが存在しなかったので、フライパンのような鍋を直火に置いて焼いていたということだ。

さあ、焼けてきたぞ。でもなかまでなかなか火が通らない。そこで上にも油紙を置いて、熱したこてをあてて、表面を焦がす。いや、それでもまだ半焼けだ。そこで上下をひっくりかえす。これでなんとか、できあがり……。

というように、中まで火を通すのに苦労した様子が描かれている。

これではなかなか焼けないので、お菓子屋さんは考えた。なべに蓋を付けて蓋の上にも炭火を乗せ、上下から焼き上げるという方法を編み出したのだった。この鍋は「カステラなべ」と呼ばれるようになり、この仕組みは「日本人が発明した日本式オーヴン」であると本書では書かれている。

その後、カステラは「家主貞良」、「加須底羅」というような漢字表記も作られるくらい、日本人に愛される”和菓子”となったわけだが、関東地方で生まれ育った私が、カステラといえば思い出すのが、文明堂のコマーシャルだ。「カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂♪」というCMソングは、一度耳にしたら忘れられない名フレーズだと思う。

一度耳にしたら忘れない、というのは三度くらい見たら、見飽きる聞き飽きると同義で、そういうものの細部に何の注意も払わなくなるというのは、当然の帰結だった。というのは、あそこで登場する人形劇の動物は、これまでネコとばかり思い込んでいたのだが、実は子グマだったのだ!もともと制作者はネコのつもりで作ったということなので、誤解するのも無理ない話であるのだが。電話は二番、というのもさほど疑問に思わず流してきたが、交換手を使って電話をかけていた頃の名残だということも初めて知ったのだった。

つらつら書いていたらカステラが食べたくなってきた。明日のおやつはカステラにしよう。