こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

おしりをふく話 (たくさんのふしぎ傑作集)(第162号)

このエントリーで紹介した記事の伊沢氏は、葉っぱで拭いているということだったが、昔の人も、今のようなトイレットペーパーが登場するまでは、いろいろな物でお尻の始末をつけていた。

トイレットペーパーの前はチリ紙。そういえば、夫の祖父母の家に初めて訪れた当時、まだ汲み取り式トイレで、拭く紙も箱に入った四角いチリ紙だったことを思い出した。

チリ紙の出回る前は、新聞紙や古雑誌、張り替えた後の障子紙など。そして紙類で拭く前、いちばん多く使っていたのが蕗の葉。刈ってもまた新しい葉が出てくるし、つんできた葉をしばらく置いておくと、しんなりして具合が良くなるらしい。

冬にはクズの葉。しかしクズは家畜の大事なエサでもあったので、冬の長い東北では、もったいなくて使わなかったところもあるようだ。トウモロコシの葉も冬に使っていたらしいが、かたいので、ふき心地はあまり良くなかったようだ。

わら仕事では、使うわらの”はかま”をしごき取るらしいが、このはかまを便所に使った地方も多くあるということだ。木片でおしりをぬぐう所も日本各地にあったようで、使われたのはいちばん割れやすい。竹のある地方ではもちろんを使っていた。ところが、北の地方では竹も杉も少なくなるので、岩手ではクルミやヤマウルシまで使ったということ。ヤマウルシはかぶれることもある木だが、そんなことにはかまっちゃいられないということだったようだ。

 

現在の日本では、柔らかいトイレットペーパーが普及し、行くのをためらわれるようなトイレはほとんど無くなってきた。擬音装置やウォシュレットは、たいがいのトイレに標準装備されているが、デザインや機能が進み過ぎて、使いにくいと感じることもある。

そんなきれいなトイレに慣れていると、一部外国のトイレや、山のトイレなど、そのギャップに驚かされることにもなる。使用済みの紙を便器に入れず、くずかごに入れるトイレも多いが、無意識に紙を落としそうになったりで、うっかりすることもある。水に溶けるトイレットペーパーというのは素晴らしい仕組みだと思うが、水が豊富にある国だからこそ可能なシステムなのかもしれない。

しかし、水が豊富にあるのなら、水で洗い流すイスラム方式でも良かったのでは?と思うのだが、古来は”草食動物”であるところの日本人の便は、繊維質が豊富で硬かったようで、木や竹で十分用が済んだのは、こうした理由があるらしい。半ば肉食に偏った雑食動物である私は、とても木や竹で用が足せそうにはない。

おしりをふく話 (たくさんのふしぎ傑作集)

おしりをふく話 (たくさんのふしぎ傑作集)