こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

海藻はふしぎの国の草や木 (たくさんのふしぎ傑作集)(第62号)

ふだん何気なく食べているワカメ。そのワカメについて何を知っているだろうか?私が知っているのは、せいぜい「どう食べるか」ということくらいで、これは知っているうちにも入らない。ワカメだけではない。子供が大好きな海苔の原料にしても、子供が好まない煮付けのヒジキにしても、トコロテンの原料であるテングサにしても、そして出汁に欠かせないコンブにしても、その何を知っているというのだろう。本書を読んで、買い物や料理の対象として見ることだけにかまけて、どんなところに生えてどんな生活をしているのか、これまで知ろうともしていなかったことに気づかされた。

本号は「自然教室の先生(著者)」が、地元の少年と東京から遊びにきたその友人、という二人の小学生に、海藻について講義をするという態で書かれている。小学生には難しいのでは?と思ってしまうくらい内容が濃く、盛り沢山の内容で作られている。本当に40ページに収まっているのだろうかと思わず確認してしまったが、本当に40ページだった。一度読んだものだが、やはり当時は難し過ぎたと思われ、子供は前に読んでやったことも忘れ熱心に読んでいた。しかしまあ、海藻の光合成や、太陽の光と色素の関係など、今度もどこまで理解したかな?という感じだ。それでも、伝えたいことを目一杯に詰め込んだこの本は、とくに感情がストレートに表現されている訳でもないのだが、著者の海藻に対する飽くなき好奇心をそれこそ目一杯に感じられて「たくさんのふしぎ」の中でも印象に残る1冊となっている。

著者の名前で検索してみたら、こんな素敵なエッセイを見つけた。思わず読み耽ってしまったが、ここでも海藻の話がこれでもかと詰め込まれていて、それが理科分野の話だけでなく、万葉集の歌にからめた話などもあり、ひょっとすると無味乾燥になりがちな話題を、血の通った面白いものにしている。このエッセイは「テーマは特に定めず、それぞれの執筆者にお任せし」という趣向のようなので、書きたいことを書きたいだけ書いたんだろうなあと、「たくさんのふしぎ」はあれでも押さえて書いていたのかな?とちょっと微笑ましく思ってしまった。

海藻はふしぎの国の草や木 (たくさんのふしぎ傑作集)

海藻はふしぎの国の草や木 (たくさんのふしぎ傑作集)