こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

いのちのひろがり (たくさんのふしぎ傑作集) (第361号)

バス待ちをしている時、突然、子供が手近にいるアリを手に乗せて、

「このアリもぼくの祖先なんだよ」

とか言い出した。

何のこっちゃという感じだが、ああ、借りてきている『いのちのひろがり』を読んだんだなと思い当たった。

この本は雑誌発行時に読んでやっているものだが、覚えていないというのはやはり当時は理解が追いついていなかったのだろう。現在息子は「たくさんのふしぎ」の対象年齢にあたる年になっているが、こういうコメントを聞くと、本の内容が多少なりとも血となり肉となるには、相応の成長や経験というものが必要なのだなあとつくづく思う。

ブログを始めて良かったと思うのは、前に読んでやった「たくさんのふしぎ」をもう一度、私もそして子供も読むことで、こういう新たな発見があるということだ。子供は私がブログを書くためとも知らず、自分のために、すでに読んだ号の「たくさんのふしぎ」を借りてきていると思い込んでいるが、手に取って今度は自分の頭を使って読んでくれるなら、それに勝ることはない。ブログを始める前には想像もしていなかった、思わぬ果実である。

 

そんな子供も、一個の細胞だった時代があるわけで、妊娠中のエコー写真をたまに見返すと本当に不思議な気持ちになる。これがあれになったのか、と。そして私も、夫もまたかつては一個の細胞だったのだ。私の両親も夫の両親も、そうだ。そして…と、私たちのなかには、言わば38億年の生命の歴史が詰まっているということになる。

バージニア・リー・バートンの名著はシンプルに"Life Story"となっているが、本書の英題は"Life Story Inside Us"と「わたしたちのなか」にある、いのちのひろがりについて感じさせるタイトルとなっている。自然科学絵本の世界ではおなじみの、松岡達英氏の優しい絵が文章に寄り添うように付けられていて、読んでいてとても心地よい。夏になると低学年で読み聞かせをする『あまがえるりょこうしゃ』などは、松岡氏の自著なので、ある意味個性を出した絵柄となっているが、本書では文章の内容に合わせるように描かれていて、雰囲気とぴったり調和している。

 

本傑作集には珍しく?付録がついていて、その名も「大陸移動マトリョーシカ」。現代、ジュラ紀デボン紀カンブリア紀それぞれの時代の大陸の様子を模した、地球儀状の立体を4つ組み立て(大きさがそれぞれ違う)、それをマトリョーシカ人形のように重ねて、ふたをすることができるという工作だ。なかなか面白い趣向だが…誰が考え出したものなのだろうか?