こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

月へ行きたい (たくさんのふしぎ傑作集)(第311号)

月へ行きたい!今すぐに。

夏休みもあとわずか。ぴりぴりムードな私と対照的に、肝心の子供はといえば、寝っ転がってのほほんと鳥の本を眺めているだけ。子供の宿題は子供のもの、私は関係ない!と吹っ切れればいいけれど、まったく子供任せというわけにもいかないのが悩みどころだ。だいたいにしてプリントの丸付けや、リコーダーの練習を10回分聞く、という親が関わらないといけない宿題もあり、自由研究だって、これをやりたい!と子供がやる気を見せたとしても、子供だけで完結できるはずもなく、やれどこで写真を撮りたいとなれば連れていき、撮った写真をプリントしてやりと、親の協力なしでは回らないのが実情である。

ぴーぴー高い音で裏返るリコーダーの音を聞くにつけ、「お母さんも楽しむつもりで、音楽は楽しいと感じてもらえるように工夫して練習しましょう」みたいなネットのアドバイスは、ご近所迷惑じゃなかろうかという懸念にかき消され、やっつけ仕事みたいに終わらせる形になってしまっている。

ああ、月に行けば、リコーダーの音もうるさくないのになあ。でも本書によれば、

月は思ったよりずーっと遠い。

小学生が3億人つながって

ようやくたどりつく。

ところであるらしい。小学生が!3億人!勘弁してくれー。

月へ行けば、夏休みの宿題などという些事はどこかへ吹っ飛んで、体重だけでなくストレスも6分の1に減るかもしれない。でも本書によれば、

地球から月へ行くためのだいじな条件は3つあります。

1.重力をふりきって地球からとびだせる

2.きびしい宇宙の環境から身を守れる

3.宇宙でもすすむ力をつくれる

ということなので、重たい肉を付けた自分の身体のみならず、まとわりつく子供をふりきって地球から飛び出すなど、とてもできる気がしない。

 

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宇宙エレベーターの模型(宇宙博2014

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解説(宇宙博2014)

以前行った宇宙博2014では、軌道エレベータの模型が展示されていたが、3万6千キロの地点で1週間となると、月まで行くのにどれだけかかるのか…実現までの時間も考えると、自分の目の黒いうちに月まで行けるような気はしないのだった。

こんな素敵な絵本を読みながらも、ないない言うばかりの、しようもない繰り言を書いている親を尻目に、子供は終わったか終わらないのかわからない宿題を放り出して、ペットボトルロケットを飛ばしに公園へと飛び出していってしまった。これが「夏休みの子供の正しいあり方」であるとわかっていても、夏休みの宿題に付き合うのなんてあと数年しかないのだとわかっていても、いざ目の前に残された宿題の残骸を見ると、まあいいじゃん、と笑い飛ばすことはできないのだった。ああ、月へ逃げたい。

月へ行きたい (たくさんのふしぎ傑作集)

月へ行きたい (たくさんのふしぎ傑作集)