7月の日曜日、子どもをつれて、近くの公園にでかけました。 本号はこんな軽やかな一文から始まる。しかし実はすごい本なのだ。 お話の枕は、著者が小学1年生のときの思い出。高柳さんは1948年生まれなので、かれこれ60年以上前のことだ。 掃除の時間のこと…
このお話は『新しい道徳 6』に掲載されているので、知っている子供たちもいるはずだ。イラストも『エンザロ村のかまど』にある、沢田としきの同じものが使われている。 「エンザロ村のかまど」とは何か? ケニアはウェスタン州ビビカ県にあるエンザロ村で使…
小さな南の島とは? フィリピンはセブ島近くにあるカオハガンという島だ。 著者はこの南の島に惚れ込み、島で暮らすことを決意する。 場所こそ違え、流れる空気は『青い海をかけるカヌー マダガスカルのヴェズのくらし(第408号)』と同じものがある。まあ島…
今年度のラインナップで福岡先生の名前を見た時。 この号の記事はきっと書きあぐねるだろうなあと思っていた。読了してその予断をいい意味で裏切る……こともなく、やっぱり書きあぐねている。 私にとって福岡伸一は、魅力を感じられるサイエンスライターでは…
体中みなぎる すばらしいエネルギー爆発寸前の強力なエネルギー ー↑ THE HIGH-LOWS ↓「E=MC2 」 シンプルな絵本だ。 1ページにあてられる文章は10行にも満たない。しかもフォントは大きめだ。スズキコージ描くイラストを生かすかのように、最小限にとどめ…
『言葉はひろがる』の12ページには、こう書かれている。 地球上に今、何種類の言葉、いくつの言語があるかは、数えかたによってちがいますが、2500種とも、3500種ともいわれています。 人間の歴史の中で、これまでにあらわれ、消えていった言語は、どのくら…
海のなかを優雅にただようクラゲ。 実はすごい生きものだということをご存知だろうか? まずは進化の歴史。 クラゲのなかまが誕生したのはなんと約10億年前!それ以来ほとんど体のつくりを変えることなく、現在までずっと生き続けてきたという。 ああ見えて…
「夏休みになったら、香奈子と俊太をスイスへつれてってやろうか」 と、おじいちゃんがいいました。 「それほんと!」ぼくたちは大よろこびです。バンザイ。 本号はこんな一節から始まるお話。おじいちゃんが孫二人を連れ、スイスの鉄道を案内するという物語…
知ってるつもりで、知らない植物がある。 たとえばバオバブ。バオバブのイメージはせいぜい『星の王子さま』止まり。これで知った気(木)になってるなんて本当におこがましい。『マダガスカルのバオバブ(第357号)』を読むまで、こんなに種類があるものだ…
舘野さんが、満を持して「ふしぎ」に登場。 しかもうんこ虫と来たよ。 舘野鴻氏との出会いは『しでむし』が最初だった。シデムシという“日陰者”に、美しくスポットを当てた作品。ひと目でつかまれた。その後も『ぎふちょう』『つちはんみょう』『がろあむし…
『木のぼりゴリラ(第355号)』で「人間の、ニシゴリラに対する悲しい歴史」について触れた。 動物園に送るためたくさんのゴリラが捕らえられたが、その多くは子供。子供を守るため、ドラミングして立ちはだかった大人のゴリラたちに「ハンターたちはためら…
類人猿が苦手だ。 あまりにも人に似すぎているからだ。『ことばをおぼえたチンパンジー (たくさんのふしぎ傑作集)(第9号)』でも書いたとおりだ。 動物園でも類人猿コーナーはそそくさと通り過ぎてしまう。じっと見てはいけないような気持ちになってしまう…
『地下にさくなぞの花(第186号)』では、“となりのおじさんの話”をあたため続けていた作者。本号『砂漠の虫の水さがし』は、“父の本だなの中の一冊”から始まるお話だ。 10歳のころ出会ったその本は『砂漠は生きている』。ディズニーの同名映画「砂漠は生…
つな引きといえば運動会。 子の学校でも毎年のようにプログラムに加えられている。中学でも健在だ。準備は綱一つ、練習不要、勝ち負けが明快と三拍子揃った良競技。かつてはオリンピックの綱引競技まであったというから驚きだ。私には不評だけど。だって体操…
『サメは、ぼくのあこがれ』をパラパラ眺めてた夫が、 ーあ〜これ、さかなクンが言ってたヤツじゃん。 サメに近いなかまに、エイがいます。 えらのあなが体の横にあるのがサメ、下にあるのがエイです。 先日私たちは「エイ」 - ギョギョッとサカナ★スター - …
ヒトスジギンポ?初めて聞く名前だ。 夏のはじめ、沖縄本島から船で20分ほど行った水納島(みんなじま)の海で、小さくてかわいい魚にであいました。 南の海なら、どこでもかんたんに見ることができるらしい。 おまけにダイバーに大人気。 人気の秘密はその…
(息子に付き合って)野鳥観察してると、もう付き合いきれん!と思うことがある。 それは識別だ。 オスとメスで風貌が違ったり。夏と冬で羽の色が違ったり。幼鳥と成鳥で違ったり。 もうなんの鳥か区別がつかないよ〜。 そりゃまあ人間だってオスとメスとじ…
読み応えのある絵本だ。 まず、字が多い。 写真もふんだんに使われているが、文章量もかなりのものだ。一読しただけでは、なかなか内容を掴むことができなかった。 話の流れがわかりにくいのだ。 最近記事を書いた「ふしぎ」の中でも、たとえば『カーニバル…
『土の家(第295号)』を読んでいて、どうも物足りなさを感じていたのだ。 それは生活が見えてこないこと。 当然だ。『土の家』は、生活を紹介する目的で描かれてないからだ。 どんな生活をしてるんだろう。どんな家族がどんな感じで家と暮らしてるんだろう…
“世界がどれだけ同じで、どれだけ違うのか(『カーニバルがやってきた!(第279号)』)” 自分の目で確かめてきた男が、本号の作者、石川直樹だ。 ときに2000年、22歳の時だ。 「POLE TO POLE」と名づけられたその壮大な旅は、北極点から南極点まで一年をか…
カーニバルがやってきた! カラフルでパワフルな一冊。 人、人、人……色、色、色! どのページも人と色で埋め尽くされている。 どのページからも歓声、歌声、音楽……さまざまな音がごっちゃになって漏れ出してくる。聞こえないのに、本当に聞こえてくる。 お祭…
"THE HOUSES MADE BY MUD" こちらはhomeではなく、houseだ(『家をまもる(第445号)』)。 物理的な「家」に注目したお話だからだ。 土の家……ああ、日干しレンガの家とかかな。中東に行ったとき、日干しレンガが積まれているのを見たことがある。 しかし、…
八丈島の行きか帰りかの航路にて。 ー御蔵島には接岸できませんので通過しま〜す。 と船内アナウンスが聞こえてきた。 え?え?え?そんなことがあり得るの? 離島航路は気象条件によって欠航することもある。その場合そもそも船が出ない。船は来たのに通過…
“houseとhomeってどう違うの?” お。そういう質問が出てくるようになったのか。 子供は中学生。英語の学習真っ最中*1だ。 この号のタイトルは『家をまもる』。こんな文章から始まる。 家は、その中で人がくらす入れものです。 家は、雨や嵐、地震などの自然…
英題は"Mimicry in insects"。 昆虫の擬態をテーマにしている。 生きものの擬態を取り上げた子供向けの本は、手をかえ品をかえ出版されている。古くは『自然のかくし絵―昆虫の保護色と擬態』から『なりすます むしたち』まで。作者の今森さん自身『あれあれ?…
ツミ。 野鳥に詳しくない方は初めて聞く名前ではないだろうか。 「ダーウィンが来た!」で取り上げられたことがあったので、覚えている方もいるだろう。 「住まいは東京!幻のタカ」 - ダーウィンが来た!・選 - NHK 私も子供が鳥屋じゃなかったらたぶん知らな…
東京書籍の小2向け教科書『新しい国語 二下』には、「ビーバーの大工事」という文章が載る。うちの子は小2の時、光村図書を採用する学校にいたので学習しなかったが、同じく動物が関わる「どうぶつ園のじゅうい」という文章があった。 章末にある教科書の…
子供と一緒に地域のガン類の数を数えるボランティアに参加している。 担当地域を車でまわり、区分メッシュ毎にどれくらい飛来しているか調べるものだ。右手にカウンター、左手には双眼鏡。カチカチカチカチカチ……ひたすら数える。ひと昔前の紅白で、観客審査…
高野さんが!たくさんのふしぎに!! 今年度のラインナップを見たときの驚きときたら。思わず声をあげてしまったくらいだ。 角幡唯介(『極夜の探検(第419号)』)のときもびっくりしたけど、高野さんはそれ以上だった。まあ二人は探検部の先輩後輩同士、い…
ときどき「たくさんのふしぎ」で、不思議な感じの作品に出会うことがある。 『小さな卵の大きな宇宙(第166号)』然り、『いろ いろ いろ いろ(第203号)』然り。 この『ぼくの博物館』もその一つだ。 夜明け前*1「ぼくの博物館」をふらりと訪れたのは、一…