こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

知床 わたしの動物カレンダー(第262号)

今朝は気温が氷点下23度、この冬いちばんの寒さです。寒さで顔がヒリヒリします。でも天気は快晴、じっとしているのがもったいないので、板の裏に滑りどめのついたスキーをはいて、森の散歩に出かけることにしました。私はこの季節こそ、森歩きがもっとも楽…

ガリヴァーがやってきた小さな小さな島(第223号)

『小さな卵の大きな宇宙(第166号)』もそうだったが、『ガリヴァーがやってきた小さな小さな島』もなかなかに不思議な本だ。なんせ語り手は、あのガリヴァー旅行記の主人公、レミュエル・ガリヴァーなのだから。 ガリヴァーが何を語るというのか? 小さな小…

ウミショウブの花(第341号)

ウミショウブってなんだろう?初めて聞く名前だ。 それもそのはず、日本では沖縄県の西表島および石垣島と、その周囲海域でしか見られない植物なのだ。生息域は熱帯・亜熱帯の海、インド洋から太平洋西部。分布の北限が西表や石垣というのだから、滅多に見ら…

みんな知ってる? 会社のしごと(第431号)

出る前から思っていたのは、「たくさんのふしぎ」らしくない号だなあということ。 会社や仕事についての児童向け書籍など、世にうなるほどあるからだ。 極め付けは内容紹介の文。 子どものみなさん、よく聞いてください。あなたが学校にいる間、「会社で働く…

石の中のうずまき アンモナイト (たくさんのふしぎ傑作集)(第208号)

アンモナイトは古来から人びとを魅了してきた。 本書によると、昔のヨーロッパの人々は「ヘビが石になったもの」と考え、インドやネパールでは「ヴィシュヌが姿をかえたもの」とされ、そして古代エジプトでは「アモン・ラーの角が石になったもの」と考えられ…

コーヒーを飲んで学校を建てよう キリマンジャロとルカニ村(第339号)

私は「たくさんのふしぎ」を読むときに、奥付に書かれた英題も見ることにしている。見るのは読んだ後。読む前に見てしまうと“ネタバレ”することがあるからだ。日本語タイトルではどんな内容かわからなくても、英題はそのものズバリを表していることがある。 …

雪虫(第344号)

『手紙で友だち 北と南 (たくさんのふしぎ傑作集)(第60号)』の29ページ、10月15日の通信には、雪虫のことが出てきている。 ゆきむし、見ました。ゆきむしは白いわたのようなものをつけてるむしです。わたしは、ゆきむしをつかまえてみました。もうすこ…

手紙で友だち 北と南 (たくさんのふしぎ傑作集)(第60号)

これは、二つの学校の児童たちが、1年間、毎週手紙を交換し続けた記録の本だ。 二つの学校とは、北海道は北見市にある開成小学校と、沖縄は北谷町にある北谷第二小学校。北海道と沖縄だから「北と南」だが、自治体名にはどちらも“北”がつくから面白い。 北…

旅をするチョウ(第211号)

わたしが、はじめてアサギマダラを知ったのは、1996年11月9日の新聞の夕刊でした。 その年の秋、アサギマダラというチョウが、宮城県の蔵王山から愛知県の知多半島まで飛んできたことや、知多半島から鹿児島県の喜界島へ飛んでいったことが確かめられたとい…

うれし たのし 江戸文様(第430号)

たまに、なかなか引っかかってこない「たくさんのふしぎ」がある。 私にとって『うれし たのし 江戸文様』は、そんな一冊だ。 そりゃまあ、すべてのことに興味をもてるわけじゃないんだから、当たり前のことだ。このブログでは「たくさんのふしぎ」のバック…

星空はタイムマシン (たくさんのふしぎ傑作集)(第41号)

小惑星探査機はやぶさ2による、サンプルリターンのミッションが成功した。 カプセルが到着したJAXA相模原キャンパスには、以前見学に訪れたことがある。そればかりでない。種子島宇宙センターに内之浦宇宙空間観測所、調布航空宇宙センター、筑波宇宙センタ…

虫の生きかたガイド(第145号)

色数が多いわりに、地味にみえる表紙。なかを開ければ一転、すごくにぎやかな世界が広がっている。あべ弘士ならではのイラストだ。 構成はシンプルだ。 見開き左ページは、ページいっぱいフルカラーで彩られたパワフルなイラスト。 右ページは、解説とメモ的…

海はもうひとつの宇宙 (たくさんのふしぎ傑作集)(第125号)

人類さいしょの宇宙飛行士であるソ連(ロシア)のユーリ・ガガーリンは、1961年に宇宙船ボストークから宇宙にうかぶ地球を見たとき、「地球がよく見える。うつくしい。地球は青い」という、ゆうめいなことばを地上におくってきた。(『海はもうひとつの宇宙…

おんまつり(第429号)

「おんまつり」とは、春日若宮おん祭のこと。 世界遺産 春日大社/春日若宮おん祭 12月15日に最初の神事がおこなわれるから、もうすぐだ。 若宮、なので、春日大社御祭神そのもののおまつりではない。神様のお子様である若宮さまをおまつりしたものなのだ。…

マダコ(第194号)

最近、マダコに関するこんなニュースを見た。 9本足のタコ見つかる 専門家も「かなり珍しい」〈宮城・南三陸町〉 自分で獲ったものを茹でてたとこ、気づいたというのが面白い。タコ大好きな私なら、すごく得した気分になると思う。みてみてーって大騒ぎして…

地下にさくなぞの花(第186号)

『地下にさくなぞの花』は、なんの予備知識もなければ、知らないまま読んだ方が断然面白い。私自身一人の子供にかえって、ワクワクしながら読み進めたからだ。「地下にさく花」というワード、表紙の写真にピンと来なかった人は、ぜひともこのエントリーを見…

皮をぬいで大きくなる(第121号)

子供はかつて、バッタに夢中だったことがある(『バッタのオリンピック (たくさんのふしぎ傑作集)(第6号)』)。 東北に引っ越してこちらでも、生きものクラブみたいなのに参加しているが、先日バッタを捕まえるイベントがあった。鳥キチになった今でも、バ…

ノイバラと虫たち (たくさんのふしぎ傑作集)(第123号)

『ぼくが見たハチ(第161号)』と同じ、藤丸篤夫氏による「ふしぎ」。 舞台となるのはたったひと株のノイバラ。5月、たくさんの花を咲かせる時期に、小さないのちのドラマがいくつも繰り広げられる。 “いのちのドラマ”なんて書くと、ウェットな感じがしてし…

トナカイに生かされて シベリアの遊牧民ネネツ(第428号)

表紙は、群れるトナカイに一人の少女。青いスカーフと赤いほっぺは、マトリョーシカ人形のようだ。一頭を抱きしめる少女は、皮製の伝統衣装を身につけ、トナカイに溶けこんでいる。袖に覗くのは下に着る洋服の赤。鮮やかすぎない色がいいアクセントだ。 『カ…

オルゴール誕生(第292号)

小さな木の箱のふたを開けると音楽の演奏がはじまるオルゴール。 「オルゴール」というと外国語のように聞こえますが、 ほんとうはオランダ語から生まれた日本語です。 オルゴールって日本語だったのか!その昔、オランダ人が持ってきた手回しオルガンに由来…

ぼくが見たハチ(第161号)

ハチといってまずなにが思い浮かぶだろうか?私が思い浮かぶのは、ミツバチやスズメバチ。益にせよ害にせよ人間と関わりが深い蜂だ。あとはベッコウバチ(クモバチ)くらいか。「たくさんのふしぎ」で読んだから(『すれちがいの生態学 キオビベッコウと小道…

ほっぺたおちた(第207号)

芋臭い、芋を引く、イモい、イモる、芋づる式…… ホントにイモの匂いがしてるわけじゃないし、 ホントにイモを引っ張ってるわけじゃない。 イモで形容詞?イモが動詞に? 芋づるの方法って? 今週のお題「いも」にちなんで、イモにまつわる言葉を集めてみたが…

夢の庭づくり(第255号)

先日見た「小さな旅」は、北海道で庭づくりに勤しむ人たちの話だった。 北海道という土地は、庭を造りたくなるようなロケーションなのだろうか?北海道ガーデン街道のほかにも、各地にさまざまなガーデンが存在している(北海道ガーデン一覧 - Wikipedia)。…

キタキツネのおとうさん (たくさんのふしぎ傑作集)(第289号)

『キタキツネのおかあさん (たくさんのふしぎ傑作集) (第304号)』 より一足先、およそ1年前に書かれたのがこの『キタキツネのおとうさん』だ。 『おかあさん』では、 雌ギツネがこんなにいそがしくしているのに、雄ギツネは楽でのんきな毎日をおくってい…

カリブーをさがす旅(第347号)

生きものの“群れ”というのは、なにかこう感情をかき立てるものがあるらしい。 昨年冬、宮城県は伊豆沼にガンの飛び立ちを見に行ったのだが、夜明け前の薄暗い中、大音量で鳴き交わす声たるや、どれだけの数がいるのだろうと空恐ろしくなるほどだった。しかし…

光の正体(第427号)

What is Light? 光ってなに? これまた根源的な問いが出てきたぞ。子供に聞かれてパッとスマートに説明できる人はかっこいいなあと思う。えーっ何かなー?んー……と詰まってしまう、「かっこよくない」私にうってつけなのがこの『光の正体』だ。 「私たちが見…

ライオンタマリンの森(第155号)

先日の「ダーウィンが来た!」は、ゴールデンライオンタマリンだった。 子猫ほどの大きさなのに、びょんびょん跳びまくって虫を捕まえる、すごいサルだ。助走なしで体長の10倍ものジャンプを繰り出し、ちっこい手でバッタをガシッと捕獲する。頭からバリバ…

種採り物語(第233号)

『種採り物語』の種は、野菜の種だ。ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ネギ。菜っ葉にトマト、キュウリ、カボチャ、ジャガイモ。みんなスーパーでフツーに見かける野菜だけど、種など見たことがない。カボチャはあるか。トマト、キュウリの種は口に入るだけだ。 …

キタキツネのおかあさん (たくさんのふしぎ傑作集) (第304号)

「里帰りですか」、私は声をかけていました。 声をかけられたのは若い2匹のメスギツネ。娘っこのキタキツネたちだ。里帰りというのは8月の中ごろ、母から巣穴を追い出されたのにちょくちょく帰ってきて、9月の終わりにはまた母元で暮らすようになったから…

ジプシーの少女と友だちになった(第119号)

著者はひょんなことから、ジプシー家族のもとで居候生活することになる。フランスはニームという街で、迷子の少女ロメディオと知り合いになったからだ。ロメディオを、彼女が暮らすキャンプまで送り届けたあと、そのまま居ついてしまう?のだ。 ニームに来た…