その昔、このおもちゃを買ってやったことがある。 アクアプレイ (AquaPlay) アクアボックス カナルロック・ハーバー AQ516 ボーネルンド(BorneLund) Amazon 運河の仕組みで遊べるおもちゃだ。しかしまあ、子供も運河とはなにかわからん年だし、近くに現物が…
『ウミガメは広い海をゆく(第174号)』の「作者のことば」で「すぐに行けるような海岸や浅い海は、大きな大きな玉手箱の、入り口のようなもの」と語っていた吉野さん。 本号は、その大きな大きな玉手箱の中身をたっぷり紹介した絵本だ。 今の写真技術とは比…
『宇宙とわたしたち(第385号)』のきょうだい本といえるものかもしれない。 私たちの体を作る物質は、100億年間も宇宙をめぐってきたものです。宇宙の中で、星や星間ガスと形を変えながら、100億年以上の時間をかけて、めぐりめぐって、いま、私たちの体の…
太平洋横断ぼうけん飛行? 大西洋横断飛行なら、あまりにも有名な男がいるけど……。 実はこの「太平洋横断ぼうけん飛行」、日本と深いかかわりがあるのだ。 まず朝日新聞社が懸賞金を出していたこと。 同社では、1931年4月20日、太平洋無着陸横断飛行(本州と…
マーブリングとは、絵の具などを水面に垂らし、できた模様を紙に写し取る技法のこと。 手軽にできるので、学校の図画工作でやるところもあるはずだ。家の子も小学校で作ってきたことがある。 冒頭紹介されるのは、身近にある“マーブリング”。 水たまりに油の…
ぼくは大の鉄道ずきだ。あちらこちらの路線の、いろいろな列車に乗るのがすきだ。列車の写真をとるのもすきだ。 野坂さん、のっけから乗り鉄撮り鉄宣言ですか……。 次のページは、 ぼくがこれまでに乗った鉄道路線をごらんいただこう。 ですよ? 「ぼくが愛用…
表紙の写真、なにが“うまれる”のかわかるだろうか? トノサマバッタなのだ。 土のなかからこんなんして生まれるとは知らなかった。 本号のテーマは誕生。生きものの子どもたちがたくさん登場する。 いきものは、みんな、 いつかどこかで、うまれてきた。 あ…
「たくさんのふしぎ」では異色の本だ。 表紙にはこうある。 この本は、かわいいキミへのキケンなプレゼントです!! そのとおり、キケンで挑戦意欲に満ちた絵本だ。 柳生弦一郎作の「たくさんのふしぎ」で、 『おしっこの研究 (たくさんのふしぎ傑作集) (第…
冬休みがきた。 中学に入っても相変わらず出るのが書き初めの宿題(『みらくるミルク (たくさんのふしぎ傑作集)(第131号)』)。ていねいに書くのが苦手な上、お習字の習い事などしたこともない子供が、数時間ぽっちの書写の授業だけで、まともな書を仕上げ…
「たくさんのふしぎ」を読んでて思うのは、子供がたくさん出てくるなあということ。 とくに初期は、架空にせよリアルにせよ、子供たちが登場することが多い。子供向けの本だから当たり前と思うだろうが、意味もなく子供を出しているわけではない。 カッパド…
『花がえらぶ 虫がえらぶ』の英題は、 "THE MARVELOUS PARTNERSHIP BETWEEN INSECTS AND PLANTS" 植物と昆虫の共生関係について描いた絵本だ。『サンゴしょうの海 (たくさんのふしぎ傑作集) (第28号)』が海の生きものの“共生”なら、こちらで取り上げるは陸…
主役はドーンとど真ん中真正面にご登場。 衒いのない表紙、そしてタイトル。紛うことなくヘリコプターが主人公の絵本だ。 表紙の絵、よくよく見ると操縦席に人の影が見えるのだが、あくまで脇役。 ヘリコプター(とそれに類するもの)が登場しないページはほ…
この本は作者本川先生のサイン本なのだ(『絵とき 生きものは円柱形 (たくさんのふしぎ傑作集) (第235号) 』)! 初期の「ふしぎ」には、 『庭にできたウサギの国 (たくさんのふしぎ傑作集) (第4号)』 『どうくつをたんけんする (たくさんのふしぎ傑作集…
南極探検の歴史は複雑だ。 殊に南極探検の英雄時代は、数々の遠征の中に複数のチームが組まれ、さまざまな人物が入り乱れて全体を把握するのもひと苦労。 『南極の スコット大佐とシャクルトン』はなかでも、スコット率いる「テラノバ遠征」とシャクルトンが…
名前をつけてやる 本気で考えちゃった 誰よりも立派で 誰よりもバカみたいな ースピッツ「名前をつけてやる」アルバム『名前をつけてやる』より 人生でもっとも悩んだ名前。 それは子供の名付けだ。 お腹にいるときは夫と意見が割れ、なかなか決まらなかった…
先日、子供のおもちゃを整理して(させて)いた時のこと。 要らなくなったおもちゃ、主にプラレールやトミカをお譲りしようと声をかけてみた。 が! どなたからもほしいという声が上がらなかった。今や小さい子もYouTubeを見たり、ネットゲームで遊んでいた…
今年も彼らがやってきた。 マガンたちだ(『からだの中の時計(第440号)』)! 今年の初飛来確認日は9月17日。去年より1日だけ早い。 10月に入り、続々と到着し始めている。 よくもまあ何千キロも離れた繁殖地から、毎年毎年ジャストなタイミングで渡って…
今年度のラインナップをながめてた時、「ヒキガエルとくらす」が目に飛び込んできた。 『アマガエルとくらす (たくさんのふしぎ傑作集)(第168号)』の山内さんだな、と思ったら案の定だ。アマガエル14年なら、ヒキガエルは18年!どんだけカエル好きなんだ。…
『かべかべ、へい!(第114号)』は「壁」だった。 これは「屋根」の絵本。 冒頭「もしも屋根がなかったら」というお題で書かれているが、屋根のないところで暮らすサイーダさんは、雨の時どうしてるんだろう。 興味深いのは、12〜15ページ「東洋と西洋の家…
英題は"IMAGINATION OF THE STARRY SKY"。 星空の「科学」の絵本ではない。 「作者のことば」で言われるとおり「星空を眺めてきた人類がどんな想像を楽しんできたのかを描こう」とする本なのだ。 主人公はルナ。10歳の女の子*1だ。夏休み、八ヶ岳の高原近…
経県値というサイトがある。 私は旅行好きかつ転勤族なので、大部分の都道府県が「宿泊(4点)」か「居住(5点)」に当てはまる。「訪問(3点)」だけなのは三重県。経県値は190点だ。 なかで唯一「通過(1点)」なのが、富山県。学生時代は山もやってた…
砂漠のサイーダさん。 砂漠とはエジプト北東部、ハルガダ近郊にある砂漠のこと。 サイーダとは女性の名前だ。 サイーダさんは、砂漠でひとり遊牧生活を送っている。ベドウィンと呼ばれる人たちだ。 なぜひとりなのか? 彼女の家族はみな遊牧生活を止め「定住…
建物がつくり出す「空間」に注目した絵本だ。 「空間」が主役なので、写真にうつる空間に人の姿はほとんどない。人はあくまで空間の引き立て役になっている。 しかしその「空間」の妙を味わうのは人。どれも人のためにつくられた空間だからだ。 ステンドグラ…
タイトルの意味は「ワヤンを見に行こう!」 ワヤンとは、インドネシアはジャワ島やバリ島で行われる影絵芝居のこと。 ただの影絵と侮るなかれ。1000年以上の歴史を持つ伝統芸能なのだ。 この絵本の主人公はビルン、小学4年生の女の子。ジョグジャカルタの町…
子供は「石に執着する子」。 おまけに、いま学校で学習してるのは、元素など化学分野だ。 この『石は元素の案内人』に飛びつくだろうなと思ってたら、案の定届いてすぐに飛びついた。 学校にも“石友”がいて、石談義や石の交換みたいなのもしてるらしい。先日…
7月の日曜日、子どもをつれて、近くの公園にでかけました。 本号はこんな軽やかな一文から始まる。しかし実はすごい本なのだ。 お話の枕は、著者が小学1年生のときの思い出。高柳さんは1948年生まれなので、かれこれ60年以上前のことだ。 掃除の時間のこと…
このお話は『新しい道徳 6』に掲載されているので、知っている子供たちもいるはずだ。イラストも『エンザロ村のかまど』にある、沢田としきの同じものが使われている。 「エンザロ村のかまど」とは何か? ケニアはウェスタン州ビビカ県にあるエンザロ村で使…
小さな南の島とは? フィリピンはセブ島近くにあるカオハガンという島だ。 著者はこの南の島に惚れ込み、島で暮らすことを決意する。 場所こそ違え、流れる空気は『青い海をかけるカヌー マダガスカルのヴェズのくらし(第408号)』と同じものがある。まあ島…
今年度のラインナップで福岡先生の名前を見た時。 この号の記事はきっと書きあぐねるだろうなあと思っていた。読了してその予断をいい意味で裏切る……こともなく、やっぱり書きあぐねている。 私にとって福岡伸一は、魅力を感じられるサイエンスライターでは…
体中みなぎる すばらしいエネルギー爆発寸前の強力なエネルギー ー↑ THE HIGH-LOWS ↓「E=MC2 」 シンプルな絵本だ。 1ページにあてられる文章は10行にも満たない。しかもフォントは大きめだ。スズキコージ描くイラストを生かすかのように、最小限にとどめ…