こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

2018-01-01から1年間の記事一覧

あけるしめるでるはいる(第129号)

子供が『ひと・どうぶつ行動観察じてん (たくさんのふしぎ傑作集)(第120号)』の月刊誌バージョンを見たがっていたので、図書館で取り寄せてみた。内容は変わらなかったが「ふしぎ新聞」がなかなか面白かった。 「みみずの学校」では、校腸が冒頭あいさつで…

ある都市のれきし―横浜・330年 (たくさんのふしぎ傑作集) (第10号)

運転免許証の更新に行ってきた。 自分の本籍地が横浜にあることを久々に思い出した。婚姻届を作成した時、夫の実家の住所にしたからだ。しかしのちに夫の実家は家を売って引越をし、今やその住所にいる関係者は誰もいない。自分とそれに関わる者が、関係のな…

10才のころ、ぼくは考えた。(第399号)

この本に「ぼく」という言葉が何回出てくるか数えてみた。 本文が始まる2ページ目から終わりの40ページまで数えると、 2ページ〜11ページ…8回 12ページ〜21ページ…2回 22ページ〜31ページ…28回 32ページ〜40ページ…35回 ということ…

絵で読む 子どもと祭り(第400号)

名作『やこうれっしゃ』を描いた西村繁男の手による、たくさんのふしぎ第400号! 昨年から400号も近いなあと思っていて、どんな本になるのか楽しみにしていた。 予想以上に素敵な本に仕上がっている。その辺に置いてあると手に取って開きたくなる、パッと開…

ひと・どうぶつ行動観察じてん (たくさんのふしぎ傑作集)(第120号)

女性たちのご多分に漏れず、痴漢被害に遭ったことがある。 最近は、子供が幼稚園の時。夏休みのイベントに出かけるため、通勤ラッシュにかかるかかからないかくらいの時間に、電車に乗っていたときのことだった。Tシャツにジーンズ、化粧っけもない「ただの…

どうくつをたんけんする (たくさんのふしぎ傑作集) (第7号)

転勤で山口県に住んでいたとき、親や友人たちを必ずといっていいほど案内していたのが秋吉台。社会の教科書でおなじみの場所だが、案外行ったことのない人が多い。私自身、山口に来て初めて訪れたくらいだ。 『どうくつをたんけんする』の舞台も秋吉台。 主…

10才のとき (たくさんのふしぎ傑作集) (第73号)

福永祐一がダービージョッキーになった。 ウィニングランの馬上で涙をこらえる様子を見て、そういえばこの人も偉大な父の栄光に影響を受けざるを得ない人だったなあと思い出した。勝利ジョッキーインタビューで、お父さんにいい報告ができますね、みたいなこ…

クマよ (たくさんのふしぎ傑作集)(第156号)

『クマよ』は『森へ』と比べると、ちょっと落ちるかなあと思うのだ。 こう感じるのは私だけかもしれない。夫に聞いても『クマよ』の方がずっといいと言うし、どうも感覚がズレているように思う。 2冊を見比べて『クマよ』に覚える違和感を考えてみた。気づ…

飛びたかった人たち(たくさんのふしぎ傑作集) (第66号)

鳥は飛べる形 空を飛べる形僕らは空を飛べない形 ダラダラ歩く形 ダビンチのひらめきとライト兄弟の勇気で僕らは空を飛ばないかわり月にロケットを飛ばす ー↑ THE HIGH-LOWS ↓「バームクーヘン 」アルバム『バームクーヘン』より 「空を飛べない形」であるに…

ウミウシ (たくさんのふしぎ傑作集) (第221号)

夫が「まだ夫ではなかった」時、一緒に、どこだったかの海に遊びに出かけたことがある。 砂浜で砂を掘って遊んだり、箱メガネを使って生きものを観察したり。夏休みの小学生みたいなことをしていた。磯にはアメフラシがたくさんいて、触ると紫の液を吐き出す…

森へ (たくさんのふしぎ傑作集) (第105号)

「父と子のアラスカ~星野道夫 生命(いのち)の旅」を見た。 テレビ番組情報 「父と子のアラスカ~星野道夫 生命(いのち)の旅」(再放送) | 星野道夫事務所公式サイト これまで道夫の本を、ほとんど読んでこなかったという星野翔馬氏。番組の中で彼は、星…

おしっこの研究 (たくさんのふしぎ傑作集) (第14号)

いまから「おしっこの研究」というのをやります。 おしっこというのは、小便とか尿とかいう、あのおしっこのことです。研究というのは、ものをしらべて考えて、もうこれ以上先のないところまでしろうということです。 作者は柳生弦一郎。 からだに関する絵本…

庭にできたウサギの国 (たくさんのふしぎ傑作集) (第4号)

著者は河合雅雄。別に草山万兎というペンネームをもっている。 「たくさんのふしぎ」でも、草山万兎名義で 『昆虫少年の夢 オオムラサキ舞う森(第302号)』 『野生動物の反乱(第313号)』 を手がけている。 「ふしぎ」の一冊目がウサギ、ペンネームにもウ…

ぐにゃぐにゃ世界の冒険 (たくさんのふしぎ傑作集)(第32号)

私たち夫婦は、キセルというバンドのファンだ。かれこれ10年以上になるだろうか。地方に住んでいた頃はライブに行ける機会も少なかったが、今は都合がつく限り参加している。そしてなぜか、大人だけでゆっくり楽しみたいのはやまやまなのだが……毎回子供と…

ぼくの南極越冬記(第250号)

つい先日、南極からハガキが届いた。 昨夏訪れた情報通信研究機構のイベントで「南極ゆうびん」をやっていたので、子供と一緒に自宅宛てに書いてみたのだ。「投函したハガキは船で南極に運ばれ、NICT職員が局長を務める南極昭和基地郵便局の消印が押印されて…

おじいちゃんのカラクリ江戸ものがたり(第299号)

『おじいちゃんのカラクリ江戸ものがたり』は、後に増補改訂されて『カラクリ江戸あんない』という本として出版された。 月刊誌は、いまいち読みにくいところがあるなあと感じていたが、『カラクリ江戸あんない』は、そこをていねいに描き直し、シーンも付け…

ことばをおぼえたチンパンジー (たくさんのふしぎ傑作集)(第9号)

「ことばをおぼえたチンパンジー」とは、すなわちアイのこと。 「図形文字を使ったことばの勉強」に参加することになった3頭のチンパンジー。なかでも「いちばんかしこい生徒」が、2才半から勉強を始めたアイだ。 本書の最後は、 はじめて会ったときは1才…

恐竜はっくつ記 (たくさんのふしぎ傑作集) (第5号)

小さい頃、恐竜が好きだった。子供ではなく私が、だ。 デパートの恐竜展に連れていってもらったこと、ステゴサウルスの模型を買ってもらったことを今でも覚えている。恐竜図鑑も熱心に読み込んでいた。その後は続かなかったため、知識としては30年前で止ま…

なんだかうれしい(第193号)

先日見た「小さな旅」は、大崎下島だった。 大崎下島(大崎上島も)は、中国地方に住んでいた頃、訪れたことがある。ここはレモンの産地。段々畑にレモンの木が一面に植えられている。斜面が広がる地形は、海からの照り返しもふりそそぐ。太陽の光をたっぷり…

魔女に会った (たくさんのふしぎ傑作集) (第95号)

きょう、子供は魔女に会った。 魔女というより、鬼婆だろうか。もちろん鬼婆とは私のこと。子供の机はリビングにあるが、机の上のみならず机周りは要るもの要らないものがごっちゃになって積み重なっており、目に余ることこの上ない。新学期を前にして、いつ…

外国の小学校 (たくさんのふしぎ傑作集) (第13号)

アメリカの小学校は、土曜日はいつも休みなんだ。つまり週5日制。 アメリカ合衆国はサウスサンフランシスコ市にある、ポンデローサ小学校を紹介した文の一部だ。この本が出版されたのは1986年。私も小学生、その頃は毎週土曜日も学校に行っていた。 『クモ…

アラスカたんけん記 (たくさんのふしぎ傑作集) (第20号)

大竹英洋の”ノースウッズシリーズ”について紹介してきた。 その彼が影響を受けた写真家といえば、ジム・ブランデンバーグ。 だが「多大な影響を与えた、もう一人の写真家」がいる。 星野道夫だ。 ジムの写真集『Chased by the Light』を読み終えた彼は、謝辞…

富士山のまりも(第348号)

週末、子供が山中湖に行きたい(もちろん目的は野鳥)と言い出したので、家族で出かけることになった。それにしてもわが家は、一人しかいないこの子に甘過ぎやしないか?どこそこへ行きたいといえば車を出してやり、あそこで鳥を探したいと言われれば唯々諾…

森の舞台うら(第397号)

むかしむかし小学生のころ、落ち葉を集めて腐葉土を作る準備をしたことがある。かさかさの枯れ葉が、どうやって土に変わるのかとても不思議だった。風に吹かれたり雨に当たったりするうち、細かくなっていくのかなあとか、それだとかなり時間がかかるよなあ…

雑木林の1年 (たくさんのふしぎ傑作集)(第24号)

子供がお気に入りの公園がある。 ちょっとした起伏がある土地に雑木林が広がっている、自然豊かなところだ。ほどよく管理された公園は近隣の人びとに愛され、季節毎に植物や昆虫、野鳥などの観察イベントも開かれている。もうちょっと近所にあればちょくちょ…

日本の自動車の歴史 (たくさんのふしぎ傑作集) (第82号)

本号の著者山本忠敬は、のりもの絵本で有名だ。乗り物好きのお子さんがいて、絵本を読んでやる方なら、きっと手に取ったことがあるのではないだろうか。 家でも名作『しょうぼうじどうしゃじぷた』(挿画担当)を始め、どんなにかお世話になったことだろう。…

草や木のまじゅつ (たくさんのふしぎ傑作集)(第3号)

「草や木のまじゅつ」とは、草木染めのこと。 草木染めといって思い出すのが志村ふくみ。中学か高校だかの教科書に、彼女の書いた文章があったのを今でも覚えている。と思って調べてみたら、それを書いたのは志村氏自身ではなく大岡信。「言葉の力」という作…

川は道 森は家(第378号)

『テルマエ・ロマエ』で一躍有名となった漫画家、ヤマザキマリの息子の名はデルスという。彼女はイタリア留学中に恋人の子供を身ごもり、別れ、一人で出産をした。名匠・黒澤明の映画「デルス・ウザーラ」から、子供の名を取ったのだと語っている。 デルス・…

吸血鬼のおはなし(第288号)

受験シーズンも終盤にさしかかっているが、二十数年前の2月のある日、私は翌日の大学入試に備え、都内のホテルに宿泊していた。アラームをかけ、さあ寝ようと思ったところ、ヘッドボードにラジオが付いていることに気がついた。青春アドベンチャーを聴くの…

トルコのゼーラおばあさん、メッカへ行く(第271号)

トルコに旅行したのは、かれこれ20年前。初めて訪れるムスリムの国だった。 正教徒の国(ギリシャ)からムスリムの国(トルコ)へ。バスで国境を越えるという経験も初めて。当時のパスポートを見ると、アテネを出発した後ギリシャ側のKipiを出国し、トルコ…