こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

線と管のない家(第420号)

私たち家族は、これまでさまざまな家に住んできた。 一軒家/集合住宅という違いだけではない。電気・ガス・水道などのライフラインも、いろいろなパターンがあった。 電気は大手電力会社10社のものを使ってきたが、オール電化でガスがなかったり、トイレが…

じっけん きみの探知器 (たくさんのふしぎ傑作集)(第157号)

でも、本を読んだり、大事なものをさがしたりするときは、目はいっしょうけんめい働いているなあと思う。 大事なもの、子供にとってそれは「野鳥」になるだろうか。 私たち夫婦が眼鏡を使い始めたのは、小学生の時。子供もゆくゆくはメガネを使うだろうと思…

馬と生きる(第416号)

『馬と生きる』の裏表紙見返しには、遠野物語からのオシラサマの話が紹介されている。 百姓の娘が家の飼い馬と恋仲になるが、怒った父親によって馬は殺されてしまう。死んだ馬にすがりつく娘に腹を立てた父親は、馬の首を切り落とす。刎ねられた首に飛び乗っ…

地球の中に、潜っていくと…(第417号)

今住んでいるマンションには、地震の爪痕があちらこちらに残されている。 内陸のこのあたりは津波こそなかったものの、震度6が観測され、かなりの建物被害があったようだ。引っ越して1ヶ月くらい経ったころ、さっそく少し大きめの地震があって、災害時の備…

アラスカで一番高い山 デナリに登る(第421号)

“日本で一番高い山 富士に登る” 急にスケールが小さくなったが、子供は昨夏、富士山に登ってきた。 振り返ってみれば、昨シーズンがラストチャンスだった。 今シーズンは登ることができないこと。東京から転居したこと。今年は夏休みが短縮されていること。…

その先どうなるの?(第142号)

『7つ橋のぎもん(第180号)』で、ケーニヒスベルクという実在の街を旅した作者。『その先どうなるの?』でお出かけするのは、架空の遊園地「きりなしランド」だ。 本書は『はてなし世界の入口 (たくさんのふしぎ傑作集) (第2号)』とほぼ同じテーマを扱っ…

顔の美術館 (たくさんのふしぎ傑作集)(第106号)

東京に住んでいた時、見たいと思った展覧会には、できるかぎり行くようにしていた。いつまた転勤になって、美術展に飢える日が来るとは限らないからだ。 大都市圏以外の地方都市は、美術館へのアクセスがいいとは言えない。たとえ都道府県内に良い美術館や美…

まぼろし色のモンシロチョウ 翅にかくされた進化のなぞ(第423号)

モンシロチョウの翅、白くてそこに黒い点があるだけだと思っていないかな? はい、思ってます! 「まぼろし色」とは何か? オスとメスで別種と誤解されるほど外見が異なる虫とは違い、モンシロチョウのオスとメスの見分けはほとんどつかない。それでもオスは…

塩は元気のもと(第165号)

東北地方に引っ越して、ちょっと驚いたのが料理の味付けの濃さ。自分のが比較的うす味なのを差し引いても、 なかなかに塩っぱい。塩分多めの食事は、ひとえに寒い冬を乗り切るため。冬に備え野菜を塩蔵しなければならなかったし、塩には何より身体をあたため…

ポリネシア大陸(第422号)

『イースター島 ちいさくて大きな島(第359号)』の「作者のことば」で、野村哲也氏は次のようなことを語っている。 イースター島にやって来た最初の人々は、ポリネシアから渡ってきましたが、イースター島からさらに東の南米へ向かった人や、または逆に南米…

イースター島 ちいさくて大きな島(第359号)

4月に親が受け取りに行った教科書を使って、休校中、子供は音読の宿題を課せられていた。 ラインナップは、 いのち(小海永二) サボテンの花(やなせたかし) 生きる(谷川俊太郎) イースター島にはなぜ森林がないのか(鷲谷いづみ) 風切るつばさ*1(木…

巨鳥伝説(第178号)

「作者のことば」には、こう書かれている。 子どものころ、冒険物語に登場するふしぎな動物や植物を、一度この目で見てみたいと思ったものでした。主人公をおそう獰猛なトラ、ジャングルに咲く巨大な人食い花、太っちょでのろまなドードー、恐龍のようにすっ…

すしだ、にぎりだ、のりまきだ!(第154号)

日本食といって思い浮かぶのは? と聞けば、必ず出るのが「お寿司」だろう。 スーパーでも、コンビニでも、外食でも、宅配でも。気軽に買って食べられるだけでなく、家でも手軽に作ることができる料理、それがお寿司だ。 家でも、夫が釣った魚を自家製のすし…

自転車ものがたり (たくさんのふしぎ傑作集)(第160号)

それからは、どこに行くにも自転車でした。大きな川をこえて、今まで知らなかったところへも行ってみました。だんだん自転車とぼくのからだがひとつのものになっていって、ぼくは自転車乗りの名手になったようなきもちがしました。(本文より) 自転車乗りの…

ヒグマのくる川(第51号)

『ヒグマのくる川』の舞台となるのは、知床半島のとある川。 冒頭の地図と鳥瞰絵図を見て、ひょっとしたらと思ったのだが、 知床半島のなかほどに、サケをとる漁師たちの番屋があり、1本の林道がつづいています。 この番屋の手まえには橋があり、小さな川が…