こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

理科

ウナギのふるさとをさがして(第244号)

夏休みが来た。宿題もやってきた。 どういう風の吹き回しか、初日からブッ飛ばして課題に取りかかり始めている。長期休暇恒例の「おすすめ本の紹介」も早々に仕上げた。書いたのは『ウナギのふるさとをさがして』。 冒頭には選んだ動機が書かれているが「丑…

ここにも、こけが… (たくさんのふしぎ傑作集) (第195号)

子供は「ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ! 」を見ることを楽しみにしている。「所さん!大変ですよ」も続けて見ることが多い。 先日の話題は「村の“お宝”が盗まれた!?不思議なコケ・ブーム」。稀少コケの盗難の話から、コケを愛でる「コケガール…

トドマツ(第370号)

NHKをつけながら、朝の用事を済ませていたら、トドマツ、という言葉が聞こえて思わずテレビの方を見た。やっていたのは「まちかど情報室」というコーナー。新巻鮭を入れる木箱で作ったウクレレを紹介していた。 2018年6月28日(木)植物が大変身!|まちかど…

恐竜はっくつ記 (たくさんのふしぎ傑作集) (第5号)

小さい頃、恐竜が好きだった。子供ではなく私が、だ。 デパートの恐竜展に連れていってもらったこと、ステゴサウルスの模型を買ってもらったことを今でも覚えている。恐竜図鑑も熱心に読み込んでいた。その後は続かなかったため、知識としては30年前で止ま…

富士山のまりも(第348号)

週末、子供が山中湖に行きたい(もちろん目的は野鳥)と言い出したので、家族で出かけることになった。それにしてもわが家は、一人しかいないこの子に甘過ぎやしないか?どこそこへ行きたいといえば車を出してやり、あそこで鳥を探したいと言われれば唯々諾…

森の舞台うら(第397号)

むかしむかし小学生のころ、落ち葉を集めて腐葉土を作る準備をしたことがある。かさかさの枯れ葉が、どうやって土に変わるのかとても不思議だった。風に吹かれたり雨に当たったりするうち、細かくなっていくのかなあとか、それだとかなり時間がかかるよなあ…

雑木林の1年 (たくさんのふしぎ傑作集)(第24号)

子供がお気に入りの公園がある。 ちょっとした起伏がある土地に雑木林が広がっている、自然豊かなところだ。ほどよく管理された公園は近隣の人びとに愛され、季節毎に植物や昆虫、野鳥などの観察イベントも開かれている。もうちょっと近所にあればちょくちょ…

宇宙人に会いたい(第205号)

7年くらい前、はやぶさの帰還が話題になった時、私たちは鹿児島にいた。 はやぶさが打ち上げられたのは内之浦宇宙空間観測所。住んでいたところから遠くないこともあり、何回か施設見学に訪れたことがある。中にある宇宙科学資料館は、トリップアドバイザー…

ものまね名人 ツノゼミ (たくさんのふしぎ傑作集) (第238号)

本書の著者である森島氏も、『バシリスク 水の上を走るトカゲ(第316号)』の嶋田氏と同じく、偶然出会って一目で恋に落ちたものを追っかけ始めたクチだ。 仕事でボリビアに行くことになった森島氏は、前々からの憧れ、ヘルクレスカブトムシやモルフォチョウ…

お姫さまのアリの巣たんけん (たくさんのふしぎ傑作集) (第150号)

ここ3年、毎年のように参加しているのが近隣大学の公開講座「身近なアリを知ろう」。 アリについての講義の後、“アリエンテーリング”の活動が始まる。先生お手製の吸虫管を使って構内のアリを採集しては顕微鏡を使って同定し、レア度に応じて点数を競うもの…

バシリスク 水の上を走るトカゲ(第316号)

本号は、 1995年、ぼくははじめて中央アメリカのコスタリカを訪れました。 という一文から始まる。 コスタリカと聞いて思い出したのが「水曜どうでしょう」の「中米・コスタリカで幻の鳥を激写する!」という企画。鳥関連には目ざとい子供がTOKYO MXで放送し…

昆虫の体重測定(第373号)

本号はタイトルそのまんま、あらゆる昆虫の体重を量ってみたというものだ。 そんなシンプルな内容なのに、これがまたすごく面白い。世界最大のカブトムシだの、世界最大のチョウだの、体長に関しての話題は多いが、体重にスポットが当てられることは少ないか…

カブトムシの音がきこえる 土の中の11か月(第396号)

家の子は、驚くほどカブトムシに興味がない。バッタ類は頑張って飼おうとしていたこともあるが、カブトムシは一顧だにしなかった。市内にはカブトムシがよく捕れる公園もあるし、時期にはトラップが仕掛けられていたりする。興味を持つ環境は整っていると思…

水辺の番人 カワウ(第392号)

カワウの扱いはカラスのそれと良い勝負だ。 どちらもありふれた鳥で、はっきり言えば嫌われもの。むしろ害鳥としてマークされる存在でもある。子供とバードウォッチングしていても、あれ何かな?あ~カワウかあ……という感じで、あまり観察されることもない。…

石ころ 地球のかけら (たくさんのふしぎ傑作集)(第77号)

今住んでいる市では「水辺の楽校」というイベントを開催している。 市内を流れる川で川遊びしたり、自然観察をしたり。身近な自然に親しむ活動だ。1年生のときから参加しているが、イベントによっては抽選に外れることもある人気ぶりだ。 中でも「石ころウ…

ミクロの世界 (たくさんのふしぎ傑作集)(第81号)

昨冬の、子供のクリスマスプレゼントは双眼鏡だった。 夏に谷津干潟に行ったときに借りたのと同じもの。レンジャーの方もおすすめしてくださっていた。小学生へのプレゼントとしては分不相応*1かなあとも思ったが、直後からさっそく活躍中。鳥見に熱中するあ…

モグラの生活 (たくさんのふしぎ傑作集)(第267号)

表紙タイトルの「モグラの生活」、よく見ると“グ”の濁点がもぐらを模していてとても可愛らしい。 身近にいながら、これほど姿を見ない動物もないだろう。近所の河原の土手や近隣大学の構内などでモグラ塚は見かけるけれど、モグラ自体を見るのは皆無だ。どん…

野生動物の反乱(第313号)

白山から下りた後、宿泊したのが一里野温泉にある岩間山荘。ここのご主人は“マタギ”をしておられる。熊や猪の料理を堪能できる宿だ。女将さんのお料理は、家庭料理の延長線上にあるものだが、どれもこれもホッとできる味。本当においしかった。家庭料理とい…

動物たちが教えてくれる 海の中のくらしかた(第389号)

本書のテーマである、バイオロギングのことを初めて知ったのは『ペンギンが教えてくれた 物理のはなし』という本だった。タイトルの物理という言葉に怯みつつも、ジェンツーペンギンが表紙とあれば、読まないという選択肢はない。残念なことにジェンツーペン…

立山に咲くチングルマ(第323号)

夏の旅行の一部は、山登りをした。場所は白山。学生の頃以来なので、およそ20年ぶりとなる。我が子と一緒にふたたび山頂に立つなんて、学生時代の自分が知ったらさぞかし驚くことだろう。 この時期の白山は、お花(高山植物)がいっぱい。ということは人もい…

こおり (たくさんのふしぎ傑作集)(第281号)

『ゆきがうまれる(第383号)』に先駆けて描かれた、同じコンビによる「氷」の本。 この号も雑誌と傑作集の表紙が異なっている。傑作集の方がインパクトはあるけれど、青系でシンプルにまとめられた雑誌の方が、私は好きだ。透かした氷の中に、ペンギンらし…

まちぼうけの生態学 アカオニグモと草むらの虫たち (たくさんのふしぎ傑作集)(第317号)

本書は、遠藤知二氏による“生態学”シリーズの一作目にあたる本だ。 三作目『すれちがいの生態学 キオビベッコウと小道の虫たち(第388号)』の「作者のことば」には、三部作の紹介が書かれている。 虫たちの出会いをめぐる3部作の完結です。第1作の『まち…

おいかけっこの生態学 キスジベッコウと草むらのオニグモたち(第364号)

『すれちがいの生態学 キオビベッコウと小道の虫たち(第388号)』の主人公が、キオビベッコウなら、こちらはキスジベッコウ(キスジクモバチ)という別のクモバチのなかまだ。 その名の通り、こちらもクモ狩りをするハチ。獲物となるのはコガネグモ科のクモ…

すれちがいの生態学 キオビベッコウと小道の虫たち(第388号)

わたしは蜘蛛がなにより苦手だ。 ムカデに熱湯をかけることも、ゴキブリを叩き潰すことも厭わないが、蜘蛛だけはどうしてもダメだ。さすがにハエトリくらいは慣れた(見なかったふり)が、ジョロウグモ、コガネグモサイズは冷や汗もの。アシダカグモは問題外…

人がねむる 動物がねむる(第178号)

わが家の息子がいちばん口うるさく言われるのは、勉強ではなく「寝る時間」のことだ。「早く寝なさい!」という直接的な言葉はもちろん、「時間の管理ができてないよ」「せっかく早くご飯にしたのに寝る時間が遅かったら意味ないんだよ」「睡眠不足になると…

セミのおきみやげ (たくさんのふしぎ傑作集) (第29号)

『バッタのオリンピック (たくさんのふしぎ傑作集)(第6号)』と同著者による本。 セミの種類、分布場所、身体の図解、「絵とき検索」による同定の仕方まで、詳しくていねいに描かれている。もちろんメインの“セミのおきみやげ”=ぬけがらについても、ぬけが…

ニワシドリ あずまやを作るふしぎな鳥(第276号)

作者の鈴木まもる氏は、鳥の巣に特化した絵本を多く描いている。 本号も、鈴木氏の本領が発揮された、素晴らしい絵本だ。鳥そのものもさることながら、やはり圧巻は巣の絵だ。いや、ニワシドリのそれは巣ではない。あくまで“あずまや”だ。あずまやを作るのは…

アリクイサスライアリ(第267号)

身近にいながら、アリほど“知らない”虫もない。 知っていることといえば、地中に巣を作るとか、集団生活してるとかくらい?アリとハチが仲間というのも、そういえば同じような集団生活してるなーとか、ヒアリでアナフィラキシーってそういやハチ毒と同じだな…

みんなそれぞれ 心の時間(第350号)

時間 それは全ての人間に同じように流れているわけではないと思うよ時間 それは感覚であって 生きたということはただの記憶でしかないって本で読んだ ーゆらゆら帝国「時間」アルバム『ゆらゆら帝国のしびれ』より 子育て中の親(おもに母親だろうが)で、「…

アオムシの歩く道(第336号)

授業参観に行ったら、理科でモンシロチョウを学習していた。最近はめったに読み聞かせしてないが、夜、珍しく子供が何か読んでほしいという。モンシロチョウに関わる、この『アオムシの歩く道』を使って、久しぶりに読み聞かせをすることになった。 著者は、…