類人猿が苦手だ。 あまりにも人に似すぎているからだ。『ことばをおぼえたチンパンジー (たくさんのふしぎ傑作集)(第9号)』でも書いたとおりだ。 動物園でも類人猿コーナーはそそくさと通り過ぎてしまう。じっと見てはいけないような気持ちになってしまう…
『地下にさくなぞの花(第186号)』では、“となりのおじさんの話”をあたため続けていた作者。本号『砂漠の虫の水さがし』は、“父の本だなの中の一冊”から始まるお話だ。 10歳のころ出会ったその本は『砂漠は生きている』。ディズニーの同名映画「砂漠は生…
つな引きといえば運動会。 子の学校でも毎年のようにプログラムに加えられている。中学でも健在だ。準備は綱一つ、練習不要、勝ち負けが明快と三拍子揃った良競技。かつてはオリンピックの綱引競技まであったというから驚きだ。私には不評だけど。だって体操…
『サメは、ぼくのあこがれ』をパラパラ眺めてた夫が、 ーあ〜これ、さかなクンが言ってたヤツじゃん。 サメに近いなかまに、エイがいます。 えらのあなが体の横にあるのがサメ、下にあるのがエイです。 先日私たちは「エイ」 - ギョギョッとサカナ★スター - …
ヒトスジギンポ?初めて聞く名前だ。 夏のはじめ、沖縄本島から船で20分ほど行った水納島(みんなじま)の海で、小さくてかわいい魚にであいました。 南の海なら、どこでもかんたんに見ることができるらしい。 おまけにダイバーに大人気。 人気の秘密はその…
(息子に付き合って)野鳥観察してると、もう付き合いきれん!と思うことがある。 それは識別だ。 オスとメスで風貌が違ったり。夏と冬で羽の色が違ったり。幼鳥と成鳥で違ったり。 もうなんの鳥か区別がつかないよ〜。 そりゃまあ人間だってオスとメスとじ…
読み応えのある絵本だ。 まず、字が多い。 写真もふんだんに使われているが、文章量もかなりのものだ。一読しただけでは、なかなか内容を掴むことができなかった。 話の流れがわかりにくいのだ。 最近記事を書いた「ふしぎ」の中でも、たとえば『カーニバル…
『土の家(第295号)』を読んでいて、どうも物足りなさを感じていたのだ。 それは生活が見えてこないこと。 当然だ。『土の家』は、生活を紹介する目的で描かれてないからだ。 どんな生活をしてるんだろう。どんな家族がどんな感じで家と暮らしてるんだろう…
“世界がどれだけ同じで、どれだけ違うのか(『カーニバルがやってきた!(第279号)』)” 自分の目で確かめてきた男が、本号の作者、石川直樹だ。 ときに2000年、22歳の時だ。 「POLE TO POLE」と名づけられたその壮大な旅は、北極点から南極点まで一年をか…
カーニバルがやってきた! カラフルでパワフルな一冊。 人、人、人……色、色、色! どのページも人と色で埋め尽くされている。 どのページからも歓声、歌声、音楽……さまざまな音がごっちゃになって漏れ出してくる。聞こえないのに、本当に聞こえてくる。 お祭…
"THE HOUSES MADE BY MUD" こちらはhomeではなく、houseだ(『家をまもる(第445号)』)。 物理的な「家」に注目したお話だからだ。 土の家……ああ、日干しレンガの家とかかな。中東に行ったとき、日干しレンガが積まれているのを見たことがある。 しかし、…
八丈島の行きか帰りかの航路にて。 ー御蔵島には接岸できませんので通過しま〜す。 と船内アナウンスが聞こえてきた。 え?え?え?そんなことがあり得るの? 離島航路は気象条件によって欠航することもある。その場合そもそも船が出ない。船は来たのに通過…
“houseとhomeってどう違うの?” お。そういう質問が出てくるようになったのか。 子供は中学生。英語の学習真っ最中*1だ。 この号のタイトルは『家をまもる』。こんな文章から始まる。 家は、その中で人がくらす入れものです。 家は、雨や嵐、地震などの自然…
英題は"Mimicry in insects"。 昆虫の擬態をテーマにしている。 生きものの擬態を取り上げた子供向けの本は、手をかえ品をかえ出版されている。古くは『自然のかくし絵―昆虫の保護色と擬態』から『なりすます むしたち』まで。作者の今森さん自身『あれあれ?…
ツミ。 野鳥に詳しくない方は初めて聞く名前ではないだろうか。 「ダーウィンが来た!」で取り上げられたことがあったので、覚えている方もいるだろう。 「住まいは東京!幻のタカ」 - ダーウィンが来た!・選 - NHK 私も子供が鳥屋じゃなかったらたぶん知らな…
東京書籍の小2向け教科書『新しい国語 二下』には、「ビーバーの大工事」という文章が載る。うちの子は小2の時、光村図書を採用する学校にいたので学習しなかったが、同じく動物が関わる「どうぶつ園のじゅうい」という文章があった。 章末にある教科書の…
子供と一緒に地域のガン類の数を数えるボランティアに参加している。 担当地域を車でまわり、区分メッシュ毎にどれくらい飛来しているか調べるものだ。右手にカウンター、左手には双眼鏡。カチカチカチカチカチ……ひたすら数える。ひと昔前の紅白で、観客審査…
高野さんが!たくさんのふしぎに!! 今年度のラインナップを見たときの驚きときたら。思わず声をあげてしまったくらいだ。 角幡唯介(『極夜の探検(第419号)』)のときもびっくりしたけど、高野さんはそれ以上だった。まあ二人は探検部の先輩後輩同士、い…
ときどき「たくさんのふしぎ」で、不思議な感じの作品に出会うことがある。 『小さな卵の大きな宇宙(第166号)』然り、『いろ いろ いろ いろ(第203号)』然り。 この『ぼくの博物館』もその一つだ。 夜明け前*1「ぼくの博物館」をふらりと訪れたのは、一…
『外国の小学校 (たくさんのふしぎ傑作集) (第13号)』で、インドネシアの小学校(ジャワ島スメダンにあるパサレアン小学校)の取材通訳を担当した、福家洋介氏による「ふしぎ」。 福家さんはかつて、スメダン近くにある村で暮らしていたことがある。今回訪…
朝、ニュースを見てたら、コンクリートに関するトピックが紹介されていた。 『NHK NEWS おはよう日本』で自己治癒コンクリート『Basilisk』が紹介されました。 | AIZAWA 微生物を利用してひび割れなどを“自己治癒”するという。夢のような技術だ。 自己治癒コ…
「たくさんのふしぎ」が取り上げてきたテーマの一つに「お祭り」がある。 『ぼくらの天神まつり (たくさんのふしぎ傑作集) (第48号)』 『つな引きのお祭り(第108号)』 『山と海をつなぐ川のおまつり(第272号)』 『絵で読む 子どもと祭り(第400号)』 …
ちょっと前、こんなまとめが話題になっていた。 京大での授業で「そろばんはアナログではなくデジタルです」と言ったら「そろばんがデジタルとはどういうことでしょうか?」という学生がいた - Togetter おそらく、アナログとデジタルという言葉がもつイメー…
毎朝、新聞を取りに行くついでに、マンションの非常階段を上がっている。運動不足解消のためだ。 我が家は、この町にしては珍しい高層マンション*1だ。周囲に田園風景が広がるなか、虫の季節は夜、巨大な誘蛾灯状態になる。まんま誘蛾灯でガの種類は本当に多…
一編の短編映画を見ているようだ。 舞台となるのはデンマークのサムスー島。チーズ好きの方はサムソーの名でご存知かもしれない。 主人公はもちろん「風車」。表紙の風車そのものだ。 この風車は木でできている。屋根は茅葺き。まるで農家の小屋のようだ。 …
“かべ”という身近なものをテーマに、軽やかな絵本(『かべかべ、へい!(第114号))を作ってみせた小野かおる。それに先駆けて描かれたのが“はし”。「橋」だ。 今回も、軽さに対して内容は盛りだくさん。 橋の歴史、橋を支えるしくみ、橋の種類、橋のかけ方…
鳥は、人間と同じあたたかい血をもつ恒温動物です。気温に左右されず体温を37〜39度にたもっているため、寒い場所で生きられるものもいます。体温をたもつために、体の中で脂肪をもやしつづけています。脂肪のもとは食べものなので、鳥は生きるために食べつ…
今年も彼らがやってきた! 彼らとは渡り鳥。 マガン、シジュウカラガン、オオハクチョウ、コハクチョウ、オオヒシクイなどなど……そして種々のカモたち。 なかでも大好きなのがマガンだ。恐ろしいほどの数で見せつけてくる群れのパワーも、決して警戒心を緩め…
表紙からつかみは完璧だ。 シャチというと大海原でゆうゆうと泳ぎまわるイメージがあるが、主人公シャチの姿は緑濃き森に沈んでいる。一見沈んでいるようには見えるが、黒々とした体躯を光らせ、白いしぶきを上げる様子は存在感たっぷりだ。 なかの写真も素…
『ハチヤさんの旅 (たくさんのふしぎ傑作集) (第26号)』は、「蜂屋」つまり仕事として「蜂と旅する」話だった。 一方、こちら『ニホンミツバチと暮らす』は、趣味として「蜂と遊ぶ」話になる。 舞台となるのは宮崎県日向市東郷町そして椎葉村。宮崎県の県…