この本の作者に会ったことがある。
中川雄三氏はこのイベントでの「生物観察の先生」だったのだ。その時は知らなかったが、後から先生の名前を調べて驚いた。「たくさんのふしぎ」で2冊も担当されているではないか。そしてそのどちらも読んだことがある!1つは『ヤマネはねぼすけ? (たくさんのふしぎ傑作集)(第90号)』(写真担当)、そしてもう1冊が『水中さつえい大作戦』だ。とくにこの『水中さつえい大作戦』は、取り分け面白かったので、よく覚えていた。
「たくさんのふしぎ」の著者に会えるなんて思いもしなかったので、本当に嬉しかった。印象に残っていた本なのでなおさらだ。
カモたちのゆかいな逆立ちのすがたを見るたびに、かれらの水中の行動を見てみたい!それを写真にうつしてみたい!ぼくはそう思うようになりました。
先生(作者)は、作戦を開始する。
- カモぼうし作戦
- カモロボット作戦
- べんとうばこ作戦
試行錯誤しながら、上の3つの作戦を繰り出していく先生。作戦の計画図や、決行の様子の写真も盛り込まれており、本当に面白い。
「カモたちの水中行動」の写真自体は、正直きれいなものではない。水の濁りがあるので、どうしてもクリアな画像にはならないのだ。
写真の美しさはどうでもいいことだ。やりたいことを計画し、実際にやってみて、うまくいかなければ原因を考えて、また計画する。粘り強く3年間、工夫と失敗を繰り返しながら、ついに成功するまでの過程こそ、大事なことだからだ。その過程の中で、いろいろな角度から写真を撮ることを試してみたり、変な写真が撮れるとそれを面白がってみたりと、楽しむことも忘れていないのだ。
何かに夢中になって心から楽しんでいる大人の姿を見せる、自分もこんな大人になりたいと思わせる。「たくさんのふしぎ」には、子供の“夢のかけら”がいっぱい詰まっていると思う。
「たくさんのふしぎ」今年度のラインナップを見ると、先生は11月号の『カワウ』を担当される予定になっている。今からとても楽しみだ。

- 作者: 中川雄三
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2014/04/01
- メディア: 単行本
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