こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

おしりをふく話 (たくさんのふしぎ傑作集)(第162号)

トイレのおかげ (たくさんのふしぎ傑作集)(第141号)』で紹介した記事の伊沢氏は、葉っぱでおしりを拭いていたが、昔の人も、トイレットペーパーが登場するまでは、いろいろな物でお尻の始末をつけていた。

トイレットペーパーの前はチリ紙。夫の祖父母の家に初めて訪れた当時、まだ汲み取り式で、拭く紙も箱に入った四角いチリ紙だったことを思い出した。

チリ紙の出回る前は、新聞紙や古雑誌、張り替えた後の障子紙など。そして紙類の前、いちばん多く使っていたのが蕗の葉。刈っても新しい葉が出てくるし、つんできた葉をしばらく置いておくと、しんなりして具合が良くなるらしい。

冬にはクズの葉。しかしクズは家畜の大事なエサでもあったので、冬の長い東北では、もったいなくて使わなかったところもあるようだ。トウモロコシの葉も使われていたが、かたいのでふき心地は良くなかったらしい。

わら仕事(『草と木で包む (たくさんのふしぎ傑作集) (第183号)』)では、わらの“はかま”をしごき取るが、このはかまを使った地方も多くある。木片でぬぐう所も各地にあったようで、使われたのは割れやすい。竹のある地方はもちろんを使っていた。北の地方は竹も杉も少なくなるので、岩手ではクルミヤマウルシまで使っていた。ヤマウルシはかぶれることもある木だが、かまっちゃいられないということだったようだ。

 

現在の日本は、柔らかいトイレットペーパーが普及し、入るのをためらわれるようなトイレはほとんど無くなってきた。擬音装置やウォシュレットすら、ほとんど標準装備だ。一方、デザインや機能が進み過ぎて、使いにくいと感じることもある。

そんなきれいなトイレに慣れていると、一部外国のトイレや、山のトイレなど、そのギャップに驚かされることになる。使用済みの紙を便器ではなく、くずかごに入れるトイレも多いが、紙を落としそうになったりで、うっかりすることもある。水に溶けるトイレットペーパーは素晴らしいアイテムだが、豊富な水で流せる国だからこそ可能なシステムかもしれない。

水が豊富なら、洗い流すイスラム式でも良かったのでは?と思うのだが、古来は“草食動物”であるところの日本人の便は、繊維質も豊富で硬かったようだ。木や竹で用が済んだのは、こうした理由があるらしい。半ば肉食に偏った雑食動物である私は、とても用が足せそうにはない。

おしりをふく話 (たくさんのふしぎ傑作集)

おしりをふく話 (たくさんのふしぎ傑作集)