ブログのデザインテーマを一時的にでも変えてみて思ったのは「たくさんのふしぎ」のロゴの変わらなさ。おそらくではあるが、創刊号から一貫して基本のデザインは変わっていないのだと思う。「こどものとも」や「かがくのとも」は、創刊からかなりの年月が経っていることもあり、ときどきデザインの変更があったりする。
およそ30年もの間、基本のロゴやデザインが変わらないのはすごいことだ。コレクター気質の人にとって、デザインに変化がないというのは大きな利点。創刊号からぴしっと同じデザインが並んだ様はさぞかし圧巻だろう。きっとどなたかの家にはあるだろうから拝見したいものだ。図書館で開架にあるバックナンバーを見ると、一部背表紙タイトルのフォントが違う号もあったりするが、その辺のところは謎である。
変わらないもの……日本では明治以降、衣文化は大きく様変わりしてしまったが、世界の中には独自の衣装をずっと着続けているところも多い。独自の、とはいっても、似通った気候や慣習を持つところは、共通して似通った衣装が見られることもある。交易などで、思わぬ地域に思わぬ用途で定着することもある。
たとえばサルワール・カミーズ。パキスタンやアフガニスタン、インドなどで着用されているが、サルワール(ズボン)の基本的な形は一緒だ。このサルワール、実は日本にも伝わっている。相撲の呼出が着用している裁付袴のルーツとなった軽衫(かるさん、カルサン)だ。本書によると、16世紀に来日したスペイン人、ポルトガル人によってもたらされたという。そのスペインやボルトガルのサルワールも、イスラーム時代にムスリムが着ていたのが伝わったものだ。
以前、パキスタンに行った時、当時交際中だった夫へのおみやげに、サルワール・カミーズの「カミーズ(シャツ)」だけ買ってきたことがある。裾がちょっと長めの、薄手の化繊製シャツは今でもパジャマとして愛用?されている。にしても行ったのはもう10年以上も前、20年前近くといっても差し支えないくらいだが、破れもせずよく保っているものだと思う。なぜサルワールは買ってこなかったかというと、裾がゆったりしただぶだぶのズボンはおそらく使われないだろうと思ったからだ。日本の夏には案外合うのかもしれないが、ああいう形状のズボンは着慣れないとなかなか難しいものだ。
しかし気になるのがトイレ事情。あんなだぶだぶのズボンをどうやって下ろして用を足すのだろう。イスラム式トイレは「和式」のところも多いが、用足しの後は水で洗い流すから、床が濡れているところも多い。水で濡れたお尻はどうするのかとか、裾は汚れないのだろうかとか、いつも不思議に思うのだが……。

- 作者: 松本敏子,西山晶
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 1992/10/01
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