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こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

桜島の赤い火(第334号)

理科 301-400

鹿児島県の、とある市に住んでいたころ、日課は「桜島の風向」予報を見ることであった。

引越して間もないころ、外に干したものを取り入れようとした時のこと。布団に点々と、砂のような粒がついていることに気がついた。洗濯物を見れば同じようなものがうっすらと付着している。

桜島の灰だった。

窓を明けっ放しにした部屋の床は、一面ざらざら。あわてて掃除機をかける。

以来、かならず降灰情報を見るようになった。

とはいえ、することと言えばせいぜい窓を開けっ放しにしない、ということくらい。洗濯物は取り入れる時にパンパンと払うだけになり、布団はあきらめて布団乾燥機を買った。

参ったのは子供の外遊び。公園に行けば、ベンチに灰、すべり台にも灰、ブランコにも灰…と、とにかくどこにでも灰がついてくる。近所の公園は芝生が広くて気持ちのよい所なのだが、やはり一面灰。それでも慣れというのは恐ろしいもので、1年も経たないうちに、こういうものだと気にならなくなってしまった。

私はコンタクトレンズ(ハード)を使っていたのだが、これも早々にあきらめた。

車で桜島方面に出かけると、パラパラと灰が降ってくるのが「見える」。フロントガラスを傷つけてしまうので、ここでワイパーを使ってはいけないのだが、そんなことも言ってられないので、ウォッシャー液をガンガン出しながら洗い流す。車は鹿児島に来てから買い替えたのだが、これは正解だった。桜島仕様になっていて、ウォッシャー液タンクの容量が大きくなっているのだ。

驚いたのは突然ドーンという地響きのような音とともに、窓ガラスがビリビリ震えた時だ。すわ地震か!?とびっくりしたが、これも原因は桜島。大きめの噴火が起こると、爆発にともなって空気振動が起こるのだ。島から数十キロ離れた家でさえこの有様、島内の家は大丈夫なのかと思うが、やはりガラスが割れることもあるらしい。

この本のタイトルである「赤い火」も、もちろん見たことがある。火山雷までは見られなかったが、それはそれは美しい赤だった。

 

この号が出た時は鹿児島に住んでいたので、もちろんその時に読んだのだが、自分と身近なものがテーマに取り上げられるというのは、やはりうれしいものだ。今また読み返して、住んでいたときのことを懐かしく思い出した。灰だけはもう勘弁だが。

桜島の赤い火 (月刊 たくさんのふしぎ 2013年 01月号)

桜島の赤い火 (月刊 たくさんのふしぎ 2013年 01月号)