こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

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ロバのつくった道(第237号)

道は道でも(『道 ーきみと出会いにー(第218号)』)こちらの道は、スケールが違う。 人と動物が作った道、という点では変わりはないけれど。 道の始まりは獣道。人もけものの一部だから、ひとの道だってけもの道なのだ。人もけものも必要があって通る道。…

アザラシに会いたい(第240号)

「会いにいけるアイドル」ならぬ「会いにいけるアザラシ」。 といっても、 アザラシは、動物園や水族館で見ることができます。 だから、そんなん珍しいものじゃないでしょ。 でも、野生のアザラシを見たことがある人は少ないのではないでしょうか。 じつは、…

道 ーきみと出会いにー(第218号)

布クロスの上にかかるフォトフレーム。写真にうつるのは緑。木漏れ日が落ち込む地面には、道がついている。魁夷の《道》のように、画面の真ん中をつらぬいているが、様相はまるで違う。 飾り気のない表紙。あまりに簡素なため、フォトフレームの作る影さえ装…

どこでも花が……(第259号)

たくさんのふしぎには、勝手に「…シリーズ」と呼んでいるものがある。 『ほら、きのこが… (たくさんのふしぎ傑作集)(第127号)』 『ここにも、こけが… (たくさんのふしぎ傑作集) (第195号)』 と、この『どこでも花が……』の3冊だ。 どれも身近な、だれで…

ポスター(第258号)

ご存知だろうか? しばらく前から、たくさんのふしぎのうち4冊が、無料公開されているのだ。 期間限定なので、いつ終了するかわからない。今のうちにぜひ見てみてほしい。ただし、スマートフォンではなく、パソコンやタブレットで見ることを強くおすすめす…

いろ いろ いろ いろ(第203号)

今回のクリスマスプレゼントは、160色の色鉛筆だった。子供のリクエストだ。箱の中からつぎつぎセットが出てくるのに、えーまだ下にあるよ!と驚く様子が面白かった。 わたしも子供のころ、多色セット欲しかった。ずらっと並んだ色鉛筆。色を見るだけでも…

知床 わたしの動物カレンダー(第262号)

今朝は気温が氷点下23度、この冬いちばんの寒さです。寒さで顔がヒリヒリします。でも天気は快晴、じっとしているのがもったいないので、板の裏に滑りどめのついたスキーをはいて、森の散歩に出かけることにしました。私はこの季節こそ、森歩きがもっとも楽…

ガリヴァーがやってきた小さな小さな島(第223号)

『小さな卵の大きな宇宙(第166号)』もそうだったが、『ガリヴァーがやってきた小さな小さな島』もなかなかに不思議な本だ。なんせ語り手は、あのガリヴァー旅行記の主人公、レミュエル・ガリヴァーなのだから。 ガリヴァーが何を語るというのか? 小さな小…

石の中のうずまき アンモナイト (たくさんのふしぎ傑作集)(第208号)

アンモナイトは古来から人びとを魅了してきた。 本書によると、昔のヨーロッパの人々は「ヘビが石になったもの」と考え、インドやネパールでは「ヴィシュヌが姿をかえたもの」とされ、そして古代エジプトでは「アモン・ラーの角が石になったもの」と考えられ…

旅をするチョウ(第211号)

わたしが、はじめてアサギマダラを知ったのは、1996年11月9日の新聞の夕刊でした。 その年の秋、アサギマダラというチョウが、宮城県の蔵王山から愛知県の知多半島まで飛んできたことや、知多半島から鹿児島県の喜界島へ飛んでいったことが確かめられたとい…

オルゴール誕生(第292号)

小さな木の箱のふたを開けると音楽の演奏がはじまるオルゴール。 「オルゴール」というと外国語のように聞こえますが、 ほんとうはオランダ語から生まれた日本語です。 オルゴールって日本語だったのか!その昔、オランダ人が持ってきた手回しオルガンに由来…

ほっぺたおちた(第207号)

芋臭い、芋を引く、イモい、イモる、芋づる式…… ホントにイモの匂いがしてるわけじゃないし、 ホントにイモを引っ張ってるわけじゃない。 イモで形容詞?イモが動詞に? 芋づるの方法って? 今週のお題「いも」にちなんで、イモにまつわる言葉を集めてみたが…

夢の庭づくり(第255号)

先日見た「小さな旅」は、北海道で庭づくりに勤しむ人たちの話だった。 NHKオンデマンド | 小さな旅 「わたしの花たち~北海道 ガーデン街道~」 北海道という土地は、庭を造りたくなるようなロケーションなのだろうか?北海道ガーデン街道のほかにも、各地…

キタキツネのおとうさん (たくさんのふしぎ傑作集)(第289号)

『キタキツネのおかあさん (たくさんのふしぎ傑作集) (第304号)』 より一足先、およそ1年前に書かれたのがこの『キタキツネのおとうさん』だ。 『おかあさん』では、 雌ギツネがこんなにいそがしくしているのに、雄ギツネは楽でのんきな毎日をおくってい…

種採り物語(第233号)

『種採り物語』の種は、野菜の種だ。ダイコン、ニンジン、ゴボウ、ネギ。菜っ葉にトマト、キュウリ、カボチャ、ジャガイモ。みんなスーパーでフツーに見かける野菜だけど、種など見たことがない。カボチャはあるか。トマト、キュウリの種は口に入るだけだ。 …

じいちゃんの自然教室(第209号)

『ぼくの島(第138号)』で紹介した『おじいちゃんの小さかったとき』は、おじいちゃんが孫にむかし語りをするおはなしだった。むかし話を聞くのもいいけれど、おじいちゃんと一緒に遊べたらもっと楽しいのではないだろうか。自然のフィールドのなかの遊びな…

大きな 巨きな木(第270号)

地球に生きているすべてのなかで、もっとも大きな生き物が、じつは木などだということを、みなさん、知っていましたか?ゾウだって、クジラだって、木の大きさにはかないません。 「たくさんのふしぎ」は、判型が決まっているし、ページ数もほぼ決まっている…

じゃがいものふるさと(第275号)

夕食は、ゆでたジャガイモ、ニンジンと白米。そしてスープは、きょう、おばあちゃんがさばいてくれた、牛肉のこま切れとパスタのはいった、自家製チーズをのせた野菜スープだった。なんだか肌寒いなと思って、柱の温度計を見ると、氷点下3度。 「ジャガイモ…

石のたんじょうび(第212号)

作者のスティーヴン・ギル氏、この人も間違いなく「石に執着する」人だろう。わたしもたいがい「石に執着する」をキーに何度となく記事を書いているけれども*1。 作者が石に惹かれる理由、それは「変わらない」というところかもしれない。 ほんとは、このま…

風を見たことある?(第260号)

気づいたのは、写真にうつる案内標識がきっかけだった。国道398号の案内標識。 迫(Hazama)29km 中田(Nakada)20km と書かれている。運転しながら見たことのある地名だ。そして「防犯協会志津川支部」作成の「自転車は登録鍵かけ心がけ」の標語看板。これ…

“豪華客船ミステリーツアー”へようこそ!(第234号)

『その先どうなるの?』では架空の遊園地「きりなしランド」を、 『7つ橋のぎもん』では、古都ケーニヒスベルクでの旅を案内してくれた作者が、次に手掛けるのはなんと豪華客船クルーズ。しかし、作者は「数学旅行作家」を名乗る人物であるからにして、ただ…

オルカの夏(第232号)

そのころ、ぼくは何の目的もなく、だらだらと毎日会社にかよっていました。次の夏休みにモンゴルで馬に乗るという計画だけが楽しみでした。 5月のある晩、夢をみました。枕元にごろりとオルカが横たわっています。 あまりに妙な夢だったので、朝目ざめた時…

プーヤ・ライモンディ 100年にいちど咲く花(第245号)

プーヤ・ライモンディは、アンデスの高山帯に生息する植物だ。「百年に一度花を咲かせる」と言われ、開花した後は枯れてしまう。まるで竹や笹のような植物だ。 アンデスの女王、百年に一度だけ咲く花 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト 著者は、ワラ…

なぞのサル アイアイ (たくさんのふしぎ傑作集)(第226号)

『9つの森とシファカたち マダガスカルのサルに会いにいく』の「作者のことば」には、次のようなことが書かれている。 15年前の『なぞのサル アイアイ』(たくさんのふしぎ傑作集)の最後の頁は、アイアイが食べるラミーの実の小さな芽でした。今では、ほん…

雪がとけたら 山のめぐみは冬のごちそう(第243号)

先日近隣の山に登っていたら、上空をヘリが飛んでいた。ふもとの駐車場に警察が来ていたので、捜索救難だと思われる。下りてからニュースを見てみると、山菜採りに出かけたまま行方が分からない70代の男性が見つかったということで、遺体の回収が行われて…

人と自然がであう場所  僕のデナリ国立公園ガイド(第297号)

ダーウィンが来た!を見ていたら、野村哲也氏*1があらわれた! 「南米で目撃!ホタル謎の大乱舞」で、「情報を寄せた日本人写真家」として、取材スタッフと共に撮影に臨んでいた。世界各地を飛び回り撮影をおこなっている野村氏のこと、ダーウィンに登場して…

サーカスの学校 (たくさんのふしぎ傑作集)(第247号)

これは、サーカスに魅せられた人たちのお話だ。 サーカスといっても本書で紹介されるものは、「ヌーヴォー・シルク」につながる新しい形のサーカス。人のパフォーマンスを中心としたもので、動物を使った曲芸などは一切出てこない。ある夏の日に、その公演を…

漁師とヒグマ(第287号)

先日、NHKスペシャル「ヒグマと老漁師~世界遺産・知床を生きる~」を見た。 NHKオンデマンド | NHKスペシャル 「ヒグマと老漁師~世界遺産・知床を生きる~」 知床の海でサケやマスをとってきた一人の漁師が、ヒグマとともに生きる様を描いたものだ。そ…

おおふじひっこし大作戦 (たくさんのふしぎ傑作集)(第206号)

3月末、東北地方に引越した。夫の転勤が決まったからだ。 このご時世に? このご時世でも。 会社というところは、長年の慣例と既成概念を変えられないものらしい。どこぞの元検事長様のように「余人をもって代えがたい」業務があるでなし、定期異動なぞ不要…

飛行船にのって(第296号)

本というのは失われたもの、失われゆくものの記録でもあると思う。「たくさんのふしぎ」はニッチなもの、耳目を集めにくいものを取り上げることが多いと思うが、そういう事物というのは、ひっそりと消えてゆくようなものもある。 飛行船もその一つだ。 もち…