こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

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じゃがいものふるさと(第275号)

夕食は、ゆでたジャガイモ、ニンジンと白米。そしてスープは、きょう、おばあちゃんがさばいてくれた、牛肉のこま切れとパスタのはいった、自家製チーズをのせた野菜スープだった。なんだか肌寒いなと思って、柱の温度計を見ると、氷点下3度。 「ジャガイモ…

石のたんじょうび(第212号)

作者のスティーヴン・ギル氏、この人も間違いなく「石に執着する」人だろう。わたしもたいがい「石に執着する」をキーに何度となく記事を書いているけれども*1。 作者が石に惹かれる理由、それは「変わらない」というところかもしれない。 ほんとは、このま…

風を見たことある?(第260号)

気づいたのは、写真にうつる案内標識がきっかけだった。国道398号の案内標識。 迫(Hazama)29km 中田(Nakada)20km と書かれている。運転しながら見たことのある地名だ。そして「防犯協会志津川支部」作成の「自転車は登録鍵かけ心がけ」の標語看板。これ…

“豪華客船ミステリーツアー”へようこそ!(第234号)

『その先どうなるの?』では架空の遊園地「きりなしランド」を、 『7つ橋のぎもん』では、古都ケーニヒスベルクでの旅を案内してくれた作者が、次に手掛けるのはなんと豪華客船クルーズ。しかし、作者は「数学旅行作家」を名乗る人物であるからにして、ただ…

オルカの夏(第232号)

そのころ、ぼくは何の目的もなく、だらだらと毎日会社にかよっていました。次の夏休みにモンゴルで馬に乗るという計画だけが楽しみでした。 5月のある晩、夢をみました。枕元にごろりとオルカが横たわっています。 あまりに妙な夢だったので、朝目ざめた時…

プーヤ・ライモンディ 100年にいちど咲く花(第245号)

プーヤ・ライモンディは、アンデスの高山帯に生息する植物だ。「百年に一度花を咲かせる」と言われ、開花した後は枯れてしまう。まるで竹や笹のような植物だ。 アンデスの女王、百年に一度だけ咲く花 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト 著者は、ワラ…

なぞのサル アイアイ (たくさんのふしぎ傑作集)(第226号)

『9つの森とシファカたち マダガスカルのサルに会いにいく』の「作者のことば」には、次のようなことが書かれている。 15年前の『なぞのサル アイアイ』(たくさんのふしぎ傑作集)の最後の頁は、アイアイが食べるラミーの実の小さな芽でした。今では、ほん…

雪がとけたら 山のめぐみは冬のごちそう(第243号)

先日近隣の山に登っていたら、上空をヘリが飛んでいた。ふもとの駐車場に警察が来ていたので、捜索救難だと思われる。下りてからニュースを見てみると、山菜採りに出かけたまま行方が分からない70代の男性が見つかったということで、遺体の回収が行われて…

人と自然がであう場所  僕のデナリ国立公園ガイド(第297号)

ダーウィンが来た!を見ていたら、野村哲也氏*1があらわれた! 「南米で目撃!ホタル謎の大乱舞」で、「情報を寄せた日本人写真家」として、取材スタッフと共に撮影に臨んでいた。世界各地を飛び回り撮影をおこなっている野村氏のこと、ダーウィンに登場して…

サーカスの学校 (たくさんのふしぎ傑作集)(第247号)

これは、サーカスに魅せられた人たちのお話だ。 サーカスといっても本書で紹介されるものは、「ヌーヴォー・シルク」につながる新しい形のサーカス。人のパフォーマンスを中心としたもので、動物を使った曲芸などは一切出てこない。ある夏の日に、その公演を…

漁師とヒグマ(第287号)

先日、NHKスペシャル「ヒグマと老漁師~世界遺産・知床を生きる~」を見た。 NHKオンデマンド | NHKスペシャル 「ヒグマと老漁師~世界遺産・知床を生きる~」 知床の海でサケやマスをとってきた一人の漁師が、ヒグマとともに生きる様を描いたものだ。そ…

おおふじひっこし大作戦 (たくさんのふしぎ傑作集)(第206号)

3月末、東北地方に引越した。夫の転勤が決まったからだ。 このご時世に? このご時世でも。 会社というところは、長年の慣例と既成概念を変えられないものらしい。どこぞの元検事長様のように「余人をもって代えがたい」業務があるでなし、定期異動なぞ不要…

飛行船にのって(第296号)

本というのは失われたもの、失われゆくものの記録でもあると思う。「たくさんのふしぎ」はニッチなもの、耳目を集めにくいものを取り上げることが多いと思うが、そういう事物というのは、ひっそりと消えてゆくようなものもある。 飛行船もその一つだ。 もち…

おぼん ふるさとへ帰る夏(第293号)

子供には“おばあちゃんち”がない。夫の両親も私の両親も健在なので、そこがおばあちゃんちということにはなる。しかしながら、双方とも、ふるさと、帰省という言葉からはかけ離れた場所だ。私の実家は田舎っぽさが残る地域だけれども、ニュータウンと呼ばれ…

水のかたち(第214号)

山の朝は美しい。朝焼けに染まる山肌。光を浴びて輝く緑。朝露が日を受けてきらきら光っている。白山に登った時もそうだった。足もとの草には、蜘蛛の巣。露がおりて繊細なレースを作り出している。その様子を写真に撮っておきたいと思った。だがしかし。カ…

砂漠の花園(第224号)

ここ最近の「ダーウィンが来た!」は、なぜか鳥ばかり連続で取り上げられている。 第568回「住まいは東京!幻のタカ」 に始まり、 第569回「進化するだまし合い!鳥の托(たく)卵最前線」 第570回「ヒナを守れ!島を作る鳥」 と続き、来週も 第571回「踊る!…

メコン 源流をもとめて(第284号)

意識していなかったが、私は川の絵本が好きらしい。 加古里子の名作『かわ』に始まり、村松昭の「鳥瞰地図絵本」シリーズは全部読んでやっている。たまがわ、ちくごがわ、ちくまがわ・しなのがわ、よしのがわ、いしかりがわ、よどがわ、あらかわ・すみだがわ…

おじいちゃんのSLアルバム (たくさんのふしぎ傑作集) (第239号)

これまでに撮りためた写真を元に、自分の「SLアルバム」を作ってみた。子供がかつて鉄道好きだったこともあって、まあまあSLの写真がある。人物をカットしたためトリミングが変な写真も多いが、もちろん腕がマズいせいもある。 D51426 C57180 C57186 台糖355…

一枚の布を ぐるぐるぐる(第285号)

『すてきなタータンチェック』にも書かれているが、「タータン柄のスカート」は元々男性用衣装だった。キルトと呼ばれるスコットランドの民族衣装だ。下着をつけずに着るものらしい。つまりノーパンだ。キルトの元になったのは、Belted plaid(ベルトで締め…

絵とき 生きものは円柱形 (たくさんのふしぎ傑作集) (第235号)

6月に、多摩動物公園の開園60周年記念講演会「生き物は円柱形──ゾウの鼻もライオンの足も、それからミミズも円柱形!」に参加してきた。息子含め小学生たちは真ん前のかぶりつき席、大人たちは後方の椅子席だ。 風船を始めさまざまな小道具を駆使した説明が…

クサレケカビのクー(第256号)

同僚の人が以前こんな話をしていた。 娘がネイルしてるんだけどカビ生えちゃってね〜。爪が緑になってるのよ。でも懲りずに削ってまた新しいネイルするんだよねー。止めようって気はないらしいわー。 私はネイルをしたことがないので知らなかったが、グリー…

トーテムポール(第257号)

私が小学生だった頃、校庭にトーテムポールが立っていた。 そびえ立つ木の工作物が、トーテムポールと呼ばれるものであることは知っていたが、どういう謂れのものなのか、その文化的背景や由来などを知ることはなかった。 「作者のことば」を見ると、 ぼくが…

ウナギのふるさとをさがして(第244号)

夏休みが来た。宿題もやってきた。どういう風の吹き回しか、初日からブッ飛ばして課題に取りかかり始めている。長期休暇恒例の「おすすめ本の紹介」も早々に仕上げた。書いたのは『ウナギのふるさとをさがして』。 冒頭には選んだ動機が書かれているが「丑の…

ウミウシ (たくさんのふしぎ傑作集) (第221号)

夫がまだ夫ではなかった時、一緒に、どこだったかの海に遊びに出かけたことがある。 砂浜で砂を掘って遊んだり、箱メガネを使って生きものを観察したりと、夏休みの小学生みたいなことをしていた。磯にはアメフラシがたくさんいて、触ると紫の液を吐き出す様…

ぼくの南極越冬記(第250号)

つい先日、南極からハガキが届いた。 昨夏訪れた情報通信研究機構のイベントで「南極ゆうびん」をやっていたので、子供と一緒に自宅宛てハガキを書いてみたのだ。「投函したハガキは船で南極に運ばれ、NICT職員が局長を務める南極昭和基地郵便局の消印が押印…

おじいちゃんのカラクリ江戸ものがたり(第299号)

この号『おじいちゃんのカラクリ江戸ものがたり』は、後に増補改訂されて『カラクリ江戸あんない』という本として出版された。 月刊誌の方は、実は、いまいち読みにくいところがあるなあと感じていたのだが、『カラクリ江戸あんない』は、そこのところをてい…

吸血鬼のおはなし(第288号)

受験シーズンもそろそろ終わりだが、二十数年前の2月のある日、私は翌日の大学入試に備え、都内のホテルに宿泊していた。アラームをかけて、さあ寝ようと思ったところ、ヘッドボードにラジオが付いていることに気がついた。ときどき青春アドベンチャーを聴…

トルコのゼーラおばあさん、メッカへ行く(第271号)

私がトルコに旅行に行ったのは、かれこれ20年前。初めて訪れるムスリムの国だった。正教徒の国(ギリシャ)からムスリムの国(トルコ)へ、バスで国境を越えるという経験も初めてだったので、とても新鮮だったことをよく覚えている。当時持っていたパスポ…

宇宙人に会いたい(第205号)

7年くらい前、はやぶさの帰還が話題になった時、私たちは鹿児島にいた。そのはやぶさが打ち上げられたのは鹿児島県にある内之浦宇宙空間観測所で、住んでいたところからそれほど遠くないこともあり、何回か施設見学に訪れたことがある。中にある宇宙科学資…

ものまね名人 ツノゼミ (たくさんのふしぎ傑作集) (第238号)

本書の著者である森島氏も『バシリスク 水の上を走るトカゲ』の嶋田氏と同じく、偶然出会って一目で恋に落ちたものを追っかけ始めたクチだ。仕事でボリビアに行くことになった森島氏は、前々からの憧れであったヘルクレスカブトムシやモルフォチョウを見るこ…