こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

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キッピスの訪ねた地球(第111号)

パソコンまわりに本を放置しておくと、夫が手に取ることがある。 『キッピスの訪ねた地球』も興味をひかれたらしい。読み終わって一言「キッピスいいよね」。 その瞬間、ちょっと負けたなあって。 どんなに言葉を連ねて感想を書いたところで「あー面白かった…

象使いの少年 スッジャイとディオ(第113号)

始まりは東京近郊の動物園(市原ぞうの国かなあ?)。象のショーを見たことがきっかけだった。 3頭の象はみんな、アジア象でした。ショーがおわるころには、わたしはすっかり、はるばるタイからやってきた3人の象使いにひきつけられていました。大きな象を…

6つの国から「わたしの絵です」(第109号)

日本から海をこえてまっすぐどんどんいくと着いちゃう“となりの国”は、たくさんあります。いくつあるかは、地図帳か地球儀を見てしらべてみて。すぐ近くの国もあれば、地球の反対がわの遠い国もあるでしょ。 そういう“おとなりの国”のうち6つをたずねて、そ…

シャボン玉は生きている(第103号)

シャボン玉って意外とじっくり観察する機会がないものだ。 子供の頃は吹くのに夢中だし、大人になってから遊ぶ機会はほとんどない。子供ができたとて、やるのは子供自身。親はただ見守るだけだ。 シャボン玉の道具、いつか遊ぶかな〜と思ってずっと取ってお…

思いこみマジック (たくさんのふしぎ傑作集)(第152号)

以前泊まった宿で、マジックショーを見たことがあった。 こじんまりした宿なので、意外性に驚いた覚えがある。マジシャンの本業は歯医者さん、宿のご主人のお知り合いということで、週末にパフォーマンスを披露しているらしい。手先の技術を生業としているだ…

糸あそび 布あそび (たくさんのふしぎ傑作集) (第173号)

『ヤマネはねぼすけ? (たくさんのふしぎ傑作集)(第90号)』で、 「ヤマネの観察」だけで、さまざまなことを学習できるのがわかる。 と書いた。 この『糸あそび 布あそび』も同じ。 メインは「家庭」になるだろうが、それだけにとどまらないポテンシャルがあ…

海は大きな玉手箱(第101号)

『ウミガメは広い海をゆく(第174号)』の「作者のことば」で「すぐに行けるような海岸や浅い海は、大きな大きな玉手箱の、入り口のようなもの」と語っていた吉野さん。 本号は、その大きな大きな玉手箱の中身をたっぷり紹介した絵本だ。 今の写真技術とは比…

太平洋横断ぼうけん飛行(第112号)

太平洋横断ぼうけん飛行? 大西洋横断飛行なら、あまりにも有名な男がいるけど……。 実はこの「太平洋横断ぼうけん飛行」、日本と深いかかわりがあるのだ。 まず朝日新聞社が懸賞金を出していたこと。 同社では、1931年4月20日、太平洋無着陸横断飛行(本州と…

南極の スコット大佐とシャクルトン (たくさんのふしぎ傑作集)(第107号)

南極探検の歴史は複雑だ。 殊に南極探検の英雄時代は、数々の遠征の中に複数のチームが組まれ、さまざまな人物が入り乱れて全体を把握するのもひと苦労。 『南極の スコット大佐とシャクルトン』はなかでも、スコット率いる「テラノバ遠征」とシャクルトンが…

砂漠の虫の水さがし (たくさんのふしぎ傑作集)(第136号)

『地下にさくなぞの花(第186号)』では、“となりのおじさんの話”をあたため続けていた作者。本号『砂漠の虫の水さがし』は、“父の本だなの中の一冊”から始まるお話だ。 10歳のころ出会ったその本は『砂漠は生きている』。ディズニーの同名映画「砂漠は生…

つな引きのお祭り (たくさんのふしぎ傑作集)(第108号)

つな引きといえば運動会。 子の学校でも毎年のようにプログラムに加えられている。中学でも健在だ。準備は綱一つ、練習不要、勝ち負けが明快と三拍子揃った良競技。かつてはオリンピックの綱引競技まであったというから驚きだ。私には不評だけど。だって体操…

世界あちこちゆかいな家めぐり (たくさんのふしぎ傑作集) (第146号)

『土の家(第295号)』を読んでいて、どうも物足りなさを感じていたのだ。 それは生活が見えてこないこと。 当然だ。『土の家』は、生活を紹介する目的で描かれてないからだ。 どんな生活をしてるんだろう。どんな家族がどんな感じで家と暮らしてるんだろう…

こんにちは、ビーバー (たくさんのふしぎ傑作集)(第182号)

東京書籍の小2向け教科書『新しい国語 二下』には、「ビーバーの大工事」という文章が載る。うちの子は小2の時、光村図書を採用する学校にいたので学習しなかったが、同じく動物が関わる「どうぶつ園のじゅうい」という文章があった。 章末にある教科書の…

風車がまわった!(第197号)

一編の短編映画を見ているようだ。 舞台となるのはデンマークのサムスー島。チーズ好きの方はサムソーの名でご存知かもしれない。 主人公はもちろん「風車」。表紙の風車そのものだ。 この風車は木でできている。屋根は茅葺き。まるで農家の小屋のようだ。 …

ダーウィンのミミズの研究 (たくさんのふしぎ傑作集)(第135号)

帰宅しておやつを食べる息子といっしょに、録画した「サイエンスZERO」を見ていた。 「“地中の王”驚異の実力 きっとミミズが好きになる」 - サイエンスZERO - NHK 冒頭紹介されたのはこの言葉。 「この取るに足らない生き物よりも 世界にとって重要な役割を …

できたぜ! かくれ家(第196号)

素晴らしい表紙、素晴らしいタイトルではないか。 センターの子の面構えときたら、ザ・男の子という感じ。脇をかためる子たちの表情もいい。奥の少年の帽子が巨人でも阪神でもなく、オリックスの野球帽というのも渋い。 この4人は同じ小学校に通う4年生。…

聴導犬ものがたり ジェミーとペッグ(第176号)

聴導犬とは? 漢字からわかるとおり、聴覚に障害がある人たちの暮らしを助ける犬だ。 作者はイギリスで、耳の不自由な青年ジェミーと、パートナーの聴導犬ペッグに出会う。ジェミーは13歳で発症した病気治療の後遺症で、19歳には完全失聴してしまう。大好き…

チューの夢 トゥーの夢 難民キャンプの子どもたち(第151号)

毎日あそびにくる子どもたちの中に、絵本が大すきで、なんでもやりたがる、ふたりのやんちゃぼうずがいました。 10才くらいの男の子。名前は、ひとりはチュー、もうひとりはトゥーです。 チューは、お話を読むだけでなく、お話を作って書いたり、絵を描いた…

熱帯雨林をいく(第189号)

舞台となるのは、赤道直下のボルネオ島。主役となるのは熱帯雨林に暮らす動植物たちだ。 古い本ながら、内容は驚きの連続だ。 シメコロシ植物と呼ばれる、恐ろしい樹木。 アリノトリデという、アリと共生する植物。 見たことも聞いたこともないような動植物…

パリ建築たんけん(第117号)

子供のころ、いちばん行ってみたい外国はフランスだった。 大人になったら絶対行く。ルーブルやオルセーで絵を観たり、凱旋門や大聖堂とか名所観光するんだ!と思っていた。 それがどうか。大人になってン十年経つけれど、足を踏み入れてすらいないのだ。い…

光をつむぐ虫(第188号)

光、つむぐ、虫。 発光生物の話だろうか? だがこれは、虫の話ではない。 虫は登場するけれど、光るのは虫ではない。 話のまくらは、小学生の頃の体験。 虫とりにつかれて、ふと空を見上げると、緑の葉のすきまから、まっ青な夏の空がのぞいていました。お日…

写真の国のアリス(第192号)

本号のテーマは写真。 アリスを主人公にすえ、不思議の国ならぬ“写真の国”に迷い込み冒険するという態で描かれている。 本家アリスは風刺漫画家の手で描かれ、グロテスクとも思えるテイストだが、こちらのアリスはメルヘンチックでかわいらしい。本家よりこ…

貝ものがたり(第149号)

ホッキ貝のシーズンだ。 東北へ来たばかりのころ、ホッキ飯食べてめちゃくちゃおいしかったので、今シーズンは自分でも作ってみようと思っていた。スーパーで生貝が出回り始めたので、さっそく購入。バラ売りのをひとつ、トングでつかんだらぴゅっと水を吐き…

世界の子ども きょうから友だち(第169号)

ぼくは、さまざまな家の写真をとるために、世界じゅうの国に行く。 そして行った先々で、たくさんの子どもたちと出会った。 著者は、世界各地の家をカメラに収めてきた人だ。 「たくさんのふしぎ」でも、 『世界あちこちゆかいな家めぐり (たくさんのふしぎ…

虫の生きかたガイド(第145号)

色数が多いわりに、地味にみえる表紙。なかを開ければ一転、すごくにぎやかな世界が広がっている。あべ弘士ならではのイラストだ。 構成はシンプルだ。 見開き左ページは、ページいっぱいフルカラーで彩られたパワフルなイラスト。 右ページは、解説とメモ的…

海はもうひとつの宇宙 (たくさんのふしぎ傑作集)(第125号)

人類さいしょの宇宙飛行士であるソ連(ロシア)のユーリ・ガガーリンは、1961年に宇宙船ボストークから宇宙にうかぶ地球を見たとき、「地球がよく見える。うつくしい。地球は青い」という、ゆうめいなことばを地上におくってきた。 地球が青く見えるのは、表…

マダコ(第194号)

最近、マダコに関するこんなニュースを見た。 9本足のタコ見つかる 宮城・南三陸町で展示 - 産経ニュース 自分で獲ったものを茹でてたとこ、気づいたというのが面白い。タコ大好きな私なら、すごく得した気分になると思う。みてみてーって大騒ぎして写真撮…

地下にさくなぞの花(第186号)

『地下にさくなぞの花』は、なんの予備知識もなければ、知らないまま読んだ方が断然面白い。私自身一人の子供にかえって、ワクワクしながら読み進めたからだ。「地下にさく花」というワード、表紙の写真にピンと来なかった人は、ぜひともこのエントリーを見…

皮をぬいで大きくなる(第121号)

子供は、バッタに夢中だったことがある(『バッタのオリンピック (たくさんのふしぎ傑作集)(第6号)』)。 東北に引っ越してこちらでも、生きものクラブみたいなのに参加しているが、先日バッタを捕まえるイベントがあった。鳥キチになった今も、捕獲や識別…

ノイバラと虫たち (たくさんのふしぎ傑作集)(第123号)

『ぼくが見たハチ(第161号)』と同じ、藤丸篤夫氏による「ふしぎ」。 舞台となるのはひと株のノイバラ。5月、たくさんの花を咲かせる時期に、小さないのちのドラマがいくつも繰り広げられる。 “いのちのドラマ”なんて書くと、ウェットな感じがするが、集り…