こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

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南極の スコット大佐とシャクルトン (たくさんのふしぎ傑作集)(第107号)

南極探検の歴史は複雑だ。 殊に南極探検の英雄時代は、数々の遠征の中に複数のチームが組まれ、さまざまな人物が入り乱れて全体を把握するのもひと苦労。 『南極の スコット大佐とシャクルトン』はなかでも、スコット率いる「テラノバ遠征」とシャクルトンが…

砂漠の虫の水さがし (たくさんのふしぎ傑作集)(第136号)

『地下にさくなぞの花(第186号)』では、“となりのおじさんの話”をあたため続けていた作者。本号『砂漠の虫の水さがし』は、“父の本だなの中の一冊”から始まるお話だ。 10歳のころ出会ったその本は『砂漠は生きている』。ディズニーの同名映画「砂漠は生…

つな引きのお祭り (たくさんのふしぎ傑作集)(第108号)

つな引きといえば運動会。 子の学校でも毎年のようにプログラムに加えられている。中学でも健在だ。準備は綱一つ、練習不要、勝ち負けが明快と三拍子揃った良競技。かつてはオリンピックの綱引競技まであったというから驚きだ。私には不評だけど。だって体操…

世界あちこちゆかいな家めぐり (たくさんのふしぎ傑作集) (第146号)

『土の家(第295号)』を読んでいて、どうも物足りなさを感じていたのだ。 それは生活が見えてこないこと。 当然だ。『土の家』は、生活を紹介する目的で描かれてないからだ。 どんな生活をしてるんだろう。どんな家族がどんな感じで家と暮らしてるんだろう…

こんにちは、ビーバー (たくさんのふしぎ傑作集)(第182号)

東京書籍の小2向け教科書『新しい国語 二下』には、「ビーバーの大工事」という文章が載る。うちの子は小2の時、光村図書を採用する学校にいたので学習しなかったが、同じく動物が関わる「どうぶつ園のじゅうい」という文章があった。 章末にある教科書の…

風車がまわった!(第197号)

一編の短編映画を見ているようだ。 舞台となるのはデンマークのサムスー島。チーズ好きの方はサムソーの名でご存知かもしれない。 主人公はもちろん「風車」。表紙の風車そのものだ。 この風車は木でできている。屋根は茅葺き。まるで農家の小屋のようだ。 …

ダーウィンのミミズの研究 (たくさんのふしぎ傑作集)(第135号)

帰宅しておやつを食べる息子といっしょに、録画した「サイエンスZERO」を見ていた。 「“地中の王”驚異の実力 きっとミミズが好きになる」 - サイエンスZERO - NHK 冒頭紹介されたのはこの言葉。 「この取るに足らない生き物よりも 世界にとって重要な役割を …

できたぜ! かくれ家(第196号)

素晴らしい表紙、素晴らしいタイトルではないか。 センターの子の面構えときたら、ザ・男の子という感じ。脇をかためる子たちの表情もいい。奥の少年の帽子が巨人でも阪神でもなく、オリックスの野球帽というのも渋い。 この4人は同じ小学校に通う4年生。…

聴導犬ものがたり ジェミーとペッグ(第176号)

聴導犬とは? 漢字からわかるとおり、聴覚に障害がある人たちの暮らしを助ける犬だ。 作者はイギリスで、耳の不自由な青年ジェミーと、パートナーの聴導犬ペッグに出会う。ジェミーは13歳で発症した病気治療の後遺症で、19歳には完全失聴してしまう。大好き…

チューの夢 トゥーの夢 難民キャンプの子どもたち(第151号)

毎日あそびにくる子どもたちの中に、絵本が大すきで、なんでもやりたがる、ふたりのやんちゃぼうずがいました。 10才くらいの男の子。名前は、ひとりはチュー、もうひとりはトゥーです。 チューは、お話を読むだけでなく、お話を作って書いたり、絵を描いた…

熱帯雨林をいく(第189号)

舞台となるのは、赤道直下のボルネオ島。主役となるのは熱帯雨林に暮らす動植物たちだ。 古い本ながら、内容は驚きの連続だ。 シメコロシ植物と呼ばれる、恐ろしい樹木。 アリノトリデという、アリと共生する植物。 見たことも聞いたこともないような動植物…

パリ建築たんけん(第117号)

子供のころ、いちばん行ってみたい外国はフランスだった。 大人になったら絶対行く。ルーブルやオルセーで絵を観たり、凱旋門や大聖堂とか名所観光するんだ!と思っていた。 それがどうか。大人になってン十年経つけれど、足を踏み入れてすらいないのだ。い…

光をつむぐ虫(第188号)

光、つむぐ、虫。 発光生物の話だろうか? だがこれは、虫の話ではない。 虫は登場するけれど、光るのは虫ではない。 話のまくらは、小学生の頃の体験。 虫とりにつかれて、ふと空を見上げると、緑の葉のすきまから、まっ青な夏の空がのぞいていました。お日…

写真の国のアリス(第192号)

本号のテーマは写真。 アリスを主人公にすえ、不思議の国ならぬ“写真の国”に迷い込み冒険するという態で描かれている。 本家アリスは風刺漫画家の手で描かれ、グロテスクとも思えるテイストだが、こちらのアリスはメルヘンチックでかわいらしい。本家よりこ…

貝ものがたり(第149号)

ホッキ貝のシーズンだ。 東北へ来たばかりのころ、ホッキ飯食べてめちゃくちゃおいしかったので、今シーズンは自分でも作ってみようと思っていた。スーパーで生貝が出回り始めたので、さっそく購入。バラ売りのをひとつ、トングでつかんだらぴゅっと水を吐き…

世界の子ども きょうから友だち(第169号)

ぼくは、さまざまな家の写真をとるために、世界じゅうの国に行く。 そして行った先々で、たくさんの子どもたちと出会った。 著者は、世界各地の家をカメラに収めてきた人だ。 「たくさんのふしぎ」でも、 『世界あちこちゆかいな家めぐり (たくさんのふしぎ…

虫の生きかたガイド(第145号)

色数が多いわりに、地味にみえる表紙。なかを開ければ一転、すごくにぎやかな世界が広がっている。あべ弘士ならではのイラストだ。 構成はシンプルだ。 見開き左ページは、ページいっぱいフルカラーで彩られたパワフルなイラスト。 右ページは、解説とメモ的…

海はもうひとつの宇宙 (たくさんのふしぎ傑作集)(第125号)

人類さいしょの宇宙飛行士であるソ連(ロシア)のユーリ・ガガーリンは、1961年に宇宙船ボストークから宇宙にうかぶ地球を見たとき、「地球がよく見える。うつくしい。地球は青い」という、ゆうめいなことばを地上におくってきた。 地球が青く見えるのは、表…

マダコ(第194号)

最近、マダコに関するこんなニュースを見た。 9本足のタコ見つかる 宮城・南三陸町で展示 - 産経ニュース 自分で獲ったものを茹でてたとこ、気づいたというのが面白い。タコ大好きな私なら、すごく得した気分になると思う。みてみてーって大騒ぎして写真撮…

地下にさくなぞの花(第186号)

『地下にさくなぞの花』は、なんの予備知識もなければ、知らないまま読んだ方が断然面白い。私自身一人の子供にかえって、ワクワクしながら読み進めたからだ。「地下にさく花」というワード、表紙の写真にピンと来なかった人は、ぜひともこのエントリーを見…

皮をぬいで大きくなる(第121号)

子供は、バッタに夢中だったことがある(『バッタのオリンピック (たくさんのふしぎ傑作集)(第6号)』)。 東北に引っ越してこちらでも、生きものクラブみたいなのに参加しているが、先日バッタを捕まえるイベントがあった。鳥キチになった今も、捕獲や識別…

ノイバラと虫たち (たくさんのふしぎ傑作集)(第123号)

『ぼくが見たハチ(第161号)』と同じ、藤丸篤夫氏による「ふしぎ」。 舞台となるのはひと株のノイバラ。5月、たくさんの花を咲かせる時期に、小さないのちのドラマがいくつも繰り広げられる。 “いのちのドラマ”なんて書くと、ウェットな感じがするが、集り…

ぼくが見たハチ(第161号)

ハチといってまずなにが思い浮かぶだろうか? 私が思い浮かぶのは、ミツバチやスズメバチ。益にせよ害にせよ人間と関わりが深い蜂だ。あとはベッコウバチ(クモバチ)くらいか。「たくさんのふしぎ」で読んだから(『すれちがいの生態学 キオビベッコウと小…

ライオンタマリンの森(第155号)

先日の「ダーウィンが来た!」は、ゴールデンライオンタマリンだった。 「黄金のサル とびっきりの仲良し家族」 - ダーウィンが来た! - NHK 子猫ほどの大きさなのに、びょんびょん跳びまくって虫を捕まえる、すごいサルだ。助走なしで体長の10倍ものジャン…

ジプシーの少女と友だちになった(第119号)

著者はひょんなことから、ジプシー家族のもとで居候生活することになる。フランスはニームという街で、迷子の少女ロメディオと知り合いになったからだ。ロメディオを、彼女が暮らすキャンプまで送り届けたあと、そのまま居ついてしまう?のだ。 ニームに来た…

きになる みがなる(第115号)

面白いタイトルだ。 「木に生る 実が生る」でもいいし、「気になる 実がなる」でもいい。「木に生る 実が鳴る」を当ててもいいかもしれない。 主役は、木であり実でもある。芽吹きから、実が育ち葉を落とす時期まで、1本のリンゴの変化をひたすら見つめつづ…

お姫さま くもに会う(第175号)

『お姫さま くもに会う』は、『お姫さまのアリの巣たんけん (たくさんのふしぎ傑作集) (第150号)』に登場した姫君と5人の友人たちが、クモの生活を見物するというもの。今回も小さな体に変えられた6人は、いろいろなクモの巣に迷い込んで冒険を繰り広げ…

球根の旅(第171号)

今年も春、お花のイベントは軒並み中止になったところが多かったのではないだろうか。佐倉ふるさと広場(千葉県)では「チューリップフェスタ」が中止になったが、見物に来る人が後を絶たなかったため、やむなくすべて刈り取ることになってしまった。約100種…

かべかべ、へい!(第114号)

かべかべ、へい! 軽やかなタイトルだ。しかし、軽さに対して内容は盛りだくさんだ。 冒頭、倭名抄(平安時代に作られた百科事典のような本)による、かべの説明*1から始まり、古今東西さまざまな壁の話、壁の種類、壁画、トリックアートを施された壁*2、万…

カヌー 森から海へ(第199号)

大昔から人は水の上に出た。 大海原へも舟で漕ぎだした。 人が水のむこうに見たのは、いったいなんだろう? そうだ、 ぼくも舟をつくろう! 冒頭、一艘のカヌーが浮かぶ様子が写されている。写真の外枠がグラデーションのように加工されているのが面白い。波…