こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

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光をつむぐ虫(第188号)

光、つむぐ、虫。 発光生物の話だろうか? だがこれは、虫の話ではない。 虫は登場するけれど、光るのは虫ではない。 話のまくらは、小学生の頃の体験。 虫とりにつかれて、ふと空を見上げると、緑の葉のすきまから、まっ青な夏の空がのぞいていました。お日…

写真の国のアリス(第192号)

本号のテーマは写真。 アリスを主人公にすえ、不思議の国ならぬ“写真の国”に迷い込み冒険するという態で描かれている。 本家アリスは風刺漫画家の手で描かれ、グロテスクとも思えるテイストだが、こちらのアリスはメルヘンチックでかわいらしい。本家よりこ…

貝ものがたり(第149号)

ホッキ貝のシーズンだ。 東北へ来たばかりのころ、ホッキ飯食べてめちゃくちゃおいしかったので、今シーズンは自分でも作ってみようと思っていた。スーパーで生貝が出回り始めたので、さっそく購入。バラ売りのをひとつ、トングでつかんだらぴゅっと水を吐き…

世界の子ども きょうから友だち(第169号)

ぼくは、さまざまな家の写真をとるために、世界じゅうの国に行く。 そして行った先々で、たくさんの子どもたちと出会った。 著者は、世界各地の家をカメラに収めてきた人だ。「たくさんのふしぎ」でも『世界あちこちゆかいな家めぐり』、『土の家』、『家を…

虫の生きかたガイド(第145号)

色数が多いわりに、地味にみえる表紙。なかを開ければ一転、すごくにぎやかな世界が広がっている。あべ弘士ならではのイラストだ。 構成はシンプルだ。 見開き左ページは、ページいっぱいフルカラーで彩られたパワフルなイラスト。 右ページは、解説とメモ的…

海はもうひとつの宇宙 (たくさんのふしぎ傑作集)(第125号)

人類さいしょの宇宙飛行士であるソ連(ロシア)のユーリ・ガガーリンは、1961年に宇宙船ボストークから宇宙にうかぶ地球を見たとき、「地球がよく見える。うつくしい。地球は青い」という、ゆうめいなことばを地上におくってきた。(『海はもうひとつの宇宙…

マダコ(第194号)

最近、マダコに関するこんなニュースを見た。 9本足のタコ見つかる 専門家も「かなり珍しい」〈宮城・南三陸町〉 自分で獲ったものを茹でてたとこ、気づいたというのが面白い。タコ大好きな私なら、すごく得した気分になると思う。みてみてーって大騒ぎして…

地下にさくなぞの花(第186号)

『地下にさくなぞの花』は、なんの予備知識もなければ、知らないまま読んだ方が断然面白い。私自身一人の子供にかえって、ワクワクしながら読み進めたからだ。「地下にさく花」というワード、表紙の写真にピンと来なかった人は、ぜひともこのエントリーを見…

皮をぬいで大きくなる(第121号)

子供はかつて、バッタに夢中だったことがある(『バッタのオリンピック (たくさんのふしぎ傑作集)(第6号)』)。 東北に引っ越してこちらでも、生きものクラブみたいなのに参加しているが、先日バッタを捕まえるイベントがあった。鳥キチになった今でも、バ…

ノイバラと虫たち (たくさんのふしぎ傑作集)(第123号)

『ぼくが見たハチ(第161号)』と同じ、藤丸篤夫氏による「ふしぎ」。 舞台となるのはたったひと株のノイバラ。5月、たくさんの花を咲かせる時期に、小さないのちのドラマがいくつも繰り広げられる。 “いのちのドラマ”なんて書くと、ウェットな感じがしてし…

ぼくが見たハチ(第161号)

ハチといってまずなにが思い浮かぶだろうか?私が思い浮かぶのは、ミツバチやスズメバチ。益にせよ害にせよ人間と関わりが深い蜂だ。あとはベッコウバチ(クモバチ)くらいか。「たくさんのふしぎ」で読んだから(『すれちがいの生態学 キオビベッコウと小道…

ライオンタマリンの森(第155号)

先日の「ダーウィンが来た!」は、ゴールデンライオンタマリンだった。 「黄金のサル とびっきりの仲良し家族」 - ダーウィンが来た! - NHK 子猫ほどの大きさなのに、びょんびょん跳びまくって虫を捕まえる、すごいサルだ。助走なしで体長の10倍ものジャン…

ジプシーの少女と友だちになった(第119号)

著者はひょんなことから、ジプシー家族のもとで居候生活することになる。フランスはニームという街で、迷子の少女ロメディオと知り合いになったからだ。ロメディオを、彼女が暮らすキャンプまで送り届けたあと、そのまま居ついてしまう?のだ。 ニームに来た…

きになる みがなる(第115号)

面白いタイトルだ。 「木に生る 実が生る」でもいいし、「気になる 実がなる」でもいい。「木に生る 実が鳴る」を当ててもいいかも知れない。 主役は、木であり実でもある。芽吹きから、実が育ち葉を落とす時期まで、1本のリンゴの変化をひたすら見つめつづ…

お姫さま くもに会う(第175号)

『お姫さま くもに会う』は、『お姫さまのアリの巣たんけん (たくさんのふしぎ傑作集) (第150号)』に登場した姫君と5人の友人たちが、今度はクモの生活を見物するというもの。今回も小さな体に変えられた6人は、いろいろなクモの巣に迷い込んで冒険を繰…

球根の旅(第171号)

今年も春、お花に関するイベントは軒並み中止になったところが多かったのではないだろうか。佐倉ふるさと広場(千葉県)では「チューリップフェスタ」が中止されたものの、見物に来る人が後を絶たなかったため、やむなくすべての花を刈り取ることになってし…

かべかべ、へい!(第114号)

かべかべ、へい! 軽やかなタイトルだ。しかし、その軽さに対して内容は盛りだくさんだ。 冒頭は倭名抄(平安時代に作られた百科事典のような本)による、かべの説明*1から始まる。古今東西さまざまな壁の話、壁の種類、壁画、トリックアートを施された壁*2…

カヌー 森から海へ(第199号)

大昔から人は水の上に出た。 大海原へも舟で漕ぎだした。 人が水のむこうに見たのは、いったいなんだろう? そうだ、 ぼくも舟をつくろう! 冒頭2〜3ページには、こんな文章とともに、一艘のカヌーが浮かぶ様子が写されている。写真の外枠がグラデーション…

ぼくの島(第138号)

家の子供は地図が大好きだ。地理院地図などネット上の地図で遊んだりするし、夫のもってる「山と高原地図」を引っ張り出してはながめている。最近では『登山案内 一等三角点全国ガイド』に触発されて、近所の三等三角点を探しにいったりもしている。 我が家…

舟がぼくの家(第167号)

舟が家ってどんな生活なんだろう。 フィリピンは南のはずれ、マレーシアとの国境に近いスールー海で暮らすアルビリン一家の「家」は、舟そのものだ。「家舟(えぶね)」と呼ばれている。 船ではなく舟*1だ。舟だから大きくはない。この小さな「家」に一家6…

走れ、LRT ー路面電車がまちをかえた(第198号)

LRTとはライト・レール・トランジットのことで、 環境用語集:「ライト・レール・トランジット」|EICネット によると、 欧米を中心とする各都市において都市内の道路交通渋滞緩和と環境問題の解消を図るために導入が進められている新しい軌道系交通システム…

まるいはマリモ(第134号)

チコちゃんに叱られる!をボーっと見てたら「マリモはなんで丸いの?」というトピックが出てきた。お、これは『まるいはマリモ』じゃないか。 「チコちゃん」で登場した専門家の方こそ、本号の執筆を担当した若菜勇先生だ。ちなみに執筆者である「阿寒マリモ…

サボテン ホテル(第187号)

『サボテン ホテル』は「たくさんのふしぎ」では珍しく、外国語の絵本を翻訳した本だ。 「たくさんのふしぎ」の多くは、母語が“日本語”である人たちによって作られている。日本語を母語とし、読む子供たちに向けて作っているのだから当然のように思えるが、…

トンボのくる池づくり(第159号)

転校した学校で、私もボランティアを始めることになった。子供たちの朝の体調チェック、放課後の消毒作業…たたでさえ忙しい先生方の業務は、さらに負担が増えている。私がお手伝いするのは微々たる部分だが、少しでも負担を軽くできればと思う。 転校前の学…

人形はこころのいれもの(第116号)

人形ってなんで怖いんだろう? 私は人形を好きじゃなくて、ぽぽちゃんみたいなお世話人形も、リカちゃんもバービーも持ってたけど、ときどきめちゃくちゃに破壊したい衝動に駆られることがあった。 父の知人が私へのおみやげに、ウェディングドレスを纏った…

ぼくはカメレオン(第144号)

冒頭に登場するパンサーカメレオンの色味ときたら、まるで『アレクサンダとぜんまいねずみ』に出てくる “まほうのとかげ”そのものではないか。 本号の「主人公」は、このパンサーカメレオンだ。 19ページまでには、目玉の動きに着目した写真、体色が変わる様…

ナバホの人たちに聞く(第163号)

『その先どうなるの?』の付録「ふしぎ新聞」の中に「ナバホの大地へ」という記事があった。あ、これは『ナバホの人たちに聞く』の取材の話だなと思い当たり、本号を取り寄せて読んでみた。 本書には、さまざまなナバホの人々が登場する。 ・ネズさんと息子…

ジャンプ! ムツゴロウどろ干潟でとぶ(第190号)

昨年のゴールデンウィーク初日は、谷津干潟に行きたいという子供のリクエストに応え、都心方面へ車を走らせていた。 中央道上りの交通量は通常の土日と比べてちょっと多いかなという程度だが、下り車線は車、車、車…この地点でこれなら、いったいいつ目的地…

小さな卵の大きな宇宙(第166号)

ふしぎな絵本だ。 まるで卵のかけらのような断片的なお話の数々も、自分を「おじさん」呼びする語り口も。 卵というひとつのテーマで結ばれているものの、マグリットの絵で始まり、ハンプティ・ダンプティ、ぐりとぐら、もちろんイースターも、エッグ・ダン…

じっけん きみの探知器 (たくさんのふしぎ傑作集)(第157号)

でも、本を読んだり、大事なものをさがしたりするときは、目はいっしょうけんめい働いているなあと思う。(本文より) 大事なもの、子供にとってそれは「野鳥」ということになるだろうか。 私たち夫婦が眼鏡を使い始めたのは、小学生の時だ。子供もゆくゆく…