こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

1-100

フレ!フレ!100まんべん(第93号)

タイトルで内容を当てられるだろうか?「100まんべん」がヒントになる。確率のお話なのだ。 確率ネタといえば『デタラメ研究所(第401号)』がある。切り口はデタラメつまり「乱数」だった。サイコロのどの目も、出る確率は6分の1。でもサイコロの目の出方…

アンデスのリャマ飼い(第80号)

アンデス! 「ふしぎ」ってアンデス好き過ぎないかい? プーヤ・ライモンディ 100年にいちど咲く花(第245号) とか、 じゃがいものふるさと(第275号) とか、 マチュピチュをまもる アンデス文明5000年の知恵(第343号) とか! ひとことでアンデス言うて…

似たもの動物園(第85号)

ミミクリーズの「ザッツミミクリーズショー」が好きだ。 「どっちがどっち?」はいつも面白い。 どっちがどっち?SP | ミミクリーズ | NHK for School コント仕立てながら、似たもの同士の違いがしっかりわかるようになっている。 『似たもの動物園』で中表…

シベリア鉄道ものがたり(第69号)

『ガラス 砂の宝石(第68号)』「ふしぎ新聞」での来月号紹介は、この『シベリア鉄道ものがたり』。 ウラジオストクからモスクワまで九二九七キロもの世界一長い距離を走るロシア号に乗って、みなさんを、はてしなくつづくシベリアの大地にご案内いたします…

ガラス 砂の宝石(第68号)

ガラスの歴史や製法、種類を紹介した一冊。 始まりは真っ白な砂の山。 オーストラリアから輸入された珪砂だ。ガラスの原料となる。 「砂」というかたちでなくとも、石英が含まれるものは多くある。 だからガラスの歴史は古い(ガラス年表)。なんと紀元前か…

ノラネコの研究(たくさんのふしぎ傑作集) (第79号)

昨年、猫の島に行ってきた。 大泊港近くの鹿嶋神社鳥居前でさっそく猫がお出迎え。ちょっと上がった神社に行くまでも、いるわいるわ猫猫猫……。猫神社に着いたらもっといた。そこから「田代島にゃんこ共和国 島のえき」までの道にも猫。猫好きにはパラダイス…

地球は日時計(第8号)

創刊年、1985年度ラインナップの一冊。 いっぽんの鉛筆のむこうに (たくさんのふしぎ傑作集) はてなし世界の入口 (たくさんのふしぎ傑作集) 草や木のまじゅつ (たくさんのふしぎ傑作集) 庭にできたウサギの国 (たくさんのふしぎ傑作集) 恐竜はっくつ記 (たく…

イェータ運河を行く(第99号)

その昔、このおもちゃを買ってやったことがある。 アクアプレイ (AquaPlay) アクアボックス カナルロック・ハーバー AQ516 ボーネルンド(BorneLund) Amazon 運河の仕組みで遊べるおもちゃだ。しかしまあ、子供も運河とはなにかわからん年だし、近くに現物が…

わたしのマーブリング(第59号)

マーブリングとは、絵の具などを水面に垂らし、できた模様を紙に写し取る技法のこと。 手軽にできるので、学校の図画工作でやるところもあるはずだ。家の子も小学校で作ってきたことがある。 冒頭紹介されるのは、身近にある“マーブリング”。 水たまりに油の…

うまれる(第76号)

表紙の写真、なにが“うまれる”のかわかるだろうか? トノサマバッタなのだ。 土のなかからこんなんして生まれるとは知らなかった。 本号のテーマは誕生。生きものの子どもたちがたくさん登場する。 いきものは、みんな、 いつかどこかで、うまれてきた。 あ…

ゆうれいをみる方法(第67号)

「たくさんのふしぎ」では異色の本だ。 表紙にはこうある。 この本は、かわいいキミへのキケンなプレゼントです!! そのとおり、キケンで挑戦意欲に満ちた絵本だ。 柳生弦一郎作の「たくさんのふしぎ」で、 『おしっこの研究 (たくさんのふしぎ傑作集) (第…

地下につくられた町・カッパドキア(第64号)

「たくさんのふしぎ」を読んでて思うのは、子供がたくさん出てくるなあということ。 とくに初期は、架空にせよリアルにせよ、子供たちが登場することが多い。子供向けの本だから当たり前と思うだろうが、意味もなく子供を出しているわけではない。 カッパド…

花がえらぶ 虫がえらぶ(第65号)

『花がえらぶ 虫がえらぶ』の英題は、 "THE MARVELOUS PARTNERSHIP BETWEEN INSECTS AND PLANTS" 植物と昆虫の共生関係について描いた絵本だ。『サンゴしょうの海 (たくさんのふしぎ傑作集) (第28号)』が海の生きものの“共生”なら、こちらで取り上げるは陸…

サンゴしょうの海 (たくさんのふしぎ傑作集) (第28号)

この本は作者本川先生のサイン本なのだ(『絵とき 生きものは円柱形 (たくさんのふしぎ傑作集) (第235号) 』)! 初期の「ふしぎ」には、 『庭にできたウサギの国 (たくさんのふしぎ傑作集) (第4号)』 『どうくつをたんけんする (たくさんのふしぎ傑作集…

木のぼり入門(第43号)

先日、子供のおもちゃを整理して(させて)いた時のこと。 要らなくなったおもちゃ、主にプラレールやトミカをお譲りしようと声をかけてみた。 が! どなたからもほしいという声が上がらなかった。今や小さい子もYouTubeを見たり、ネットゲームで遊んでいた…

やねはぼくらのひるねするばしょ (たくさんのふしぎ傑作集)(第50号)

『かべかべ、へい!(第114号)』は「壁」だった。 これは「屋根」の絵本。 冒頭「もしも屋根がなかったら」というお題で書かれているが、屋根のないところで暮らすサイーダさんは、雨の時どうしてるんだろう。 興味深いのは、12〜15ページ「東洋と西洋の家…

言葉はひろがる (たくさんのふしぎ傑作集) (第36号)

『言葉はひろがる』の12ページには、こう書かれている。 地球上に今、何種類の言葉、いくつの言語があるかは、数えかたによってちがいますが、2500種とも、3500種ともいわれています。 人間の歴史の中で、これまでにあらわれ、消えていった言語は、どのくら…

スイス鉄道ものがたり (たくさんのふしぎ傑作集)(第88号)

「夏休みになったら、香奈子と俊太をスイスへつれてってやろうか」 と、おじいちゃんがいいました。 「それほんと!」ぼくたちは大よろこびです。バンザイ。 本号はこんな一節から始まるお話。おじいちゃんが孫二人を連れ、スイスの鉄道を案内するという物語…

森の小さなアーティスト (たくさんのふしぎ傑作集) (第58号)

英題は"Mimicry in insects"。 昆虫の擬態をテーマにしている。 生きものの擬態を取り上げた子供向けの本は、手をかえ品をかえ出版されている。古くは『自然のかくし絵―昆虫の保護色と擬態』から『なりすます むしたち』まで。作者の今森さん自身『あれあれ?…

大きなヤシの木と小さなヤシ工場 (たくさんのふしぎ傑作集) (第89号)

『外国の小学校 (たくさんのふしぎ傑作集) (第13号)』で、インドネシアの小学校(ジャワ島スメダンにあるパサレアン小学校)の取材通訳を担当した、福家洋介氏による「ふしぎ」。 福家さんはかつて、スメダン近くにある村で暮らしていたことがある。今回訪…

アナログ? デジタル? ピンポーン! (たくさんのふしぎ傑作集)(第63号)

ちょっと前、こんなまとめが話題になっていた。 京大での授業で「そろばんはアナログではなくデジタルです」と言ったら「そろばんがデジタルとはどういうことでしょうか?」という学生がいた - Togetter おそらく、アナログとデジタルという言葉がもつイメー…

空とぶ宝石 トンボ(たくさんのふしぎ傑作集)(第100号)

毎朝、新聞を取りに行くついでに、マンションの非常階段を上がっている。運動不足解消のためだ。 我が家は、この町にしては珍しい高層マンション*1だ。周囲に田園風景が広がるなか、虫の季節は夜、巨大な誘蛾灯状態になる。まんま誘蛾灯でガの種類は本当に多…

はしをわたらずはしわたれ (たくさんのふしぎ傑作集)(第74号)

“かべ”という身近なものをテーマに、軽やかな絵本(『かべかべ、へい!(第114号))を作ってみせた小野かおる。それに先駆けて描かれたのが“はし”。「橋」だ。 今回も、軽さに対して内容は盛りだくさん。 橋の歴史、橋を支えるしくみ、橋の種類、橋のかけ方…

アマゾン・アマゾン (たくさんのふしぎ傑作集)(第70号)

みなさん、ぼくのいるところがどこかわかりますか。ぼくは今アマゾン川にいます。それも本流ではなくて、そこにそそぎこむ「小さな支流」にいます。支流でもこんなに広いのです。 2〜3ページにうつる写真はまるで海のようだ。アマゾンといえばイメージする熱…

きみの楽器はどんな音 (たくさんのふしぎ傑作集)(第54号)

音はみえないけれどいつもわたしたちのまわりにあります。これからかんたんな工作で、音をつくり、楽器をつくり、みえない音の世界を探検しましょう。 はじめに糸電話をつくります。 ……かんたん?え? はっきりいって“かんたん”なのは、糸電話といくつかの工…

なぜまるい? (たくさんのふしぎ傑作集)(第49号)

なぜまるい?の“まるい”は、どちらかといえば立体的な“まる”、球体の方のお話だ。 自然は、まるいもの、まるっこいものが好きなようだ。 自然のなかには、なぜまるいものが多い(・・・・・・・・のだろう? 球は、いろいろなものがひとりでになっていく形、…

バルセロナ建築たんけん (たくさんのふしぎ傑作集) (第84号)

通っていた大学近くに、ガウディを思わせる建築物があった。 日本のガウディと呼ばれる男。建築家・梵寿綱インタビュー|美術手帖 通学などの動線から外れていたこともあり*1、チラッとしか見たことはないが、殺風景なビル群の中、そこだけ異様な佇まいを見…

コククジラの旅 (たくさんのふしぎ傑作集) (第40号)

ぼくは子どものころから、クジラという動物にあこがれていました。ぼくたち人間とおなじ哺乳類でありながら、一生を海のまっただなかですごすなぞ(・・)にみちたくらしと、それに何よりその大きさにひかれていました。 いつか、ほんとうに大海をおよぐクジ…

ハチヤさんの旅 (たくさんのふしぎ傑作集) (第26号)

「ハチヤさん」が住むのは、鹿児島県は鹿屋市。しかし住むのはほんの半年ほど。残りの期間は旅をして過ごしているのだ。なんのための旅か?ハチミツをとるための旅だ。ハチヤさんはミツバチを連れ、鹿屋から、遠くは北海道・更別まで旅をし続ける。花の開花…

ヒツジのおくりもの (たくさんのふしぎ傑作集)(第21号)

東北の現住地もだいぶ暖かくなってきたが、今冬はほんっとに寒かった。ずっといる人も、そう言うんだからまちがいない。東京時代はほとんど着なかったセーターが大活躍。なかでもウール。アクリル混紡のもあるが、ウール100%がだんぜんあったかい。これにダ…