図工
マーブリングとは、絵の具などを水面に垂らし、できた模様を紙に写し取る技法のこと。 手軽にできるので、学校の図画工作でやるところもあるはずだ。家の子も小学校で作ってきたことがある。 冒頭紹介されるのは、身近にある“マーブリング”。 水たまりに油の…
建物がつくり出す「空間」に注目した絵本だ。 「空間」が主役なので、写真にうつる空間に人の姿はほとんどない。人はあくまで空間の引き立て役になっている。 しかしその「空間」の妙を味わうのは人。どれも人のためにつくられた空間だからだ。 ステンドグラ…
ヒトスジギンポ?初めて聞く名前だ。 夏のはじめ、沖縄本島から船で20分ほど行った水納島(みんなじま)の海で、小さくてかわいい魚にであいました。 南の海なら、どこでもかんたんに見ることができるらしい。 おまけにダイバーに大人気。 人気の秘密はその…
"THE HOUSES MADE BY MUD" こちらはhomeではなく、houseだ(『家をまもる(第445号)』)。 物理的な「家」に注目したお話だからだ。 土の家……ああ、日干しレンガの家とかかな。中東に行ったとき、日干しレンガが積まれているのを見たことがある。 しかし、…
英題は"Mimicry in insects"。 昆虫の擬態をテーマにしている。 生きものの擬態を取り上げた子供向けの本は、手をかえ品をかえ出版されている。古くは『自然のかくし絵―昆虫の保護色と擬態』から『なりすます むしたち』まで。作者の今森さん自身『あれあれ?…
一編の短編映画を見ているようだ。 舞台となるのはデンマークのサムスー島。チーズ好きの方はサムソーの名でご存知かもしれない。 主人公はもちろん「風車」。表紙の風車そのものだ。 この風車は木でできている。屋根は茅葺き。まるで農家の小屋のようだ。 …
りんごの礼拝堂はフランスにある。 サン=マルタン=ド=ミューという小さな村にある。 サン・ヴィゴール・ド・ミュー礼拝堂だ。「りんごの礼拝堂」になる前は、廃寺だった。 建てられたのは500年も前。そのため、長いあいだ風雨にさらされ、古ぼけてみすぼ…
通っていた大学近くに、ガウディを思わせる建築物があった。 日本のガウディと呼ばれる男。建築家・梵寿綱インタビュー|美術手帖 通学などの動線から外れていたこともあり*1、チラッとしか見たことはないが、殺風景なビル群の中、そこだけ異様な佇まいを見…
子供のころ、いちばん行ってみたい外国はフランスだった。 大人になったら絶対行く。ルーブルやオルセーで絵を観たり、凱旋門や大聖堂とか名所観光するんだ!と思っていた。 それがどうか。大人になってン十年経つけれど、足を踏み入れてすらいないのだ。い…
光、つむぐ、虫。 発光生物の話だろうか? だがこれは、虫の話ではない。 虫は登場するけれど、光るのは虫ではない。 話のまくらは、小学生の頃の体験。 虫とりにつかれて、ふと空を見上げると、緑の葉のすきまから、まっ青な夏の空がのぞいていました。お日…
本号のテーマは写真。 アリスを主人公にすえ、不思議の国ならぬ“写真の国”に迷い込み冒険するという態で描かれている。 本家アリスは風刺漫画家の手で描かれ、グロテスクとも思えるテイストだが、こちらのアリスはメルヘンチックでかわいらしい。本家よりこ…
ご存知だろうか? しばらく前から、たくさんのふしぎのうち4冊が、無料公開されているのだ。 期間限定なので、いつ終了するかわからない。今のうちにぜひ見てみてほしい。ただし、スマートフォンではなく、パソコンやタブレットで見ることを強くおすすめす…
今回のクリスマスプレゼントは、160色の色鉛筆だった。子供のリクエストだ。箱の中からつぎつぎセットが出てくるのに、えーまだ下にあるよ!と驚く様子が面白かった。 わたしも子供のころ、多色セット欲しかった。ずらっと並んだ色鉛筆。色を見るだけでも…
たまに、なかなか引っかかってこない「たくさんのふしぎ」がある。 私にとって『うれし たのし 江戸文様』は、そんな一冊だ。 そりゃまあ、すべてのことに興味をもてるわけじゃないんだから、当たり前のことだ。このブログでは「たくさんのふしぎ」のバック…
色数が多いわりに、地味にみえる表紙。なかを開ければ一転、すごくにぎやかな世界が広がっている。あべ弘士ならではのイラストだ。 構成はシンプルだ。 見開き左ページは、ページいっぱいフルカラーで彩られたパワフルなイラスト。 右ページは、解説とメモ的…
先日見た「小さな旅」は、北海道で庭づくりに勤しむ人たちの話だった。 NHKオンデマンド | 小さな旅 「わたしの花たち~北海道 ガーデン街道~」 北海道という土地は、庭を造りたくなるようなロケーションなのだろうか?北海道ガーデン街道のほかにも、各地…
大昔から人は水の上に出た。 大海原へも舟で漕ぎだした。 人が水のむこうに見たのは、いったいなんだろう? そうだ、 ぼくも舟をつくろう! 冒頭、一艘のカヌーが浮かぶ様子が写されている。写真の外枠がグラデーションのように加工されているのが面白い。波…
作者のスティーヴン・ギル氏、この人も間違いなく「石に執着する」人だろう。私もたいがい「石に執着する」をキーに何度となく記事を書いているけれども*1。 作者が石に惹かれる理由、それは「変わらない」というところかもしれない。 ほんとは、このまん中…
ミミクリーズの特集が珪藻だった。 「けいそう」 - ミミクリーズ - NHK そこで思い出したのが、この『珪藻美術館』だ。 美術館と題され、きらきらしい画像の表紙を見ると、このような“珪藻アート”が中心の本だと思われるかもしれない。 珪藻美術館 ちいさな…
私たち家族は、これまでさまざまな家に住んできた。 一軒家/集合住宅という違いだけではない。電気・ガス・水道などのライフラインも、いろいろなパターンがあった。 電気は大手電力会社10社のものを使ってきたが、オール電化でガスがなかったり、トイレが…
東京に住んでいた時、見たいと思った展覧会には、できるかぎり行くようにしていた。いつまた転勤になって、美術展に飢える日が来るとは限らないからだ。 大都市圏以外の地方都市は、美術館へのアクセスがいいとは言えない。たとえ都道府県内に良い美術館や美…
本というのは失われたもの、失われゆくものの記録でもあると思う。「たくさんのふしぎ」はニッチなもの、耳目を集めにくいトピックを取り上げているが、そういう事物のなかには、ひっそりと消えてゆくようなものもある。 飛行船もその一つだ。 もちろん、飛…
山の朝は美しい。 朝焼けに染まる山肌。輝く緑。朝露が日を受けてきらきら光っている。白山に登った時もそうだった。足もとの草には、蜘蛛の巣。露がおりて繊細なレースを作り出している。写真に撮っておきたいと思った。だがしかし。カメラに残されたのは、…
本号を寝っ転がって読んでいた子供が、 「ねえねえ、スエーデンでは、人んちの森にも自由に入っていいんだって。そこでキャンプしてもいいんだって。すごいねー」 と言い出した。 実はこれ、『森はみんなの保育園(第320号)』にも書いてあったことなのだ。…
これは盆栽についての本だ。ついに出た。 "I am a Bonsai"ではなく、"Living with Bonsai"だ。 しかし、これは盆栽の本ではないのではないか。いや、盆栽の本なのだが……。 すうっと読めてしまって、なにか物足りない、もっと盆栽について知りたい、飢餓感と…
以前よく参加していた里山イベントでは、椎茸の駒打ち体験もやっていた。 切り出した間伐材を使っての作業だ。枝打ちをし適当な長さに伐り、作業場所まで運ぶ。木というのは案外重たいもので、短めの丸太でも腕にずっしり来る。涼しい時期でも汗だくだ。 作…
撮りためた写真を元に、自分の「SLアルバム」を作ってみた。 子供が鉄道好きだったこともあり、まあまあSLの写真がある。人物をカットしたためトリミングが変な写真も多いが、もちろん腕がマズいせいもある。 D51426 C57180 C57186 台糖355號蒸汽機車(高雄…
小学生の頃、タータンチェック柄の巻きスカートが大好きだった。 巻き終わりが大きめのピンで留めてあるのも、すごく気に入っていた。違う柄のを2着買ってしょっちゅう着ていた覚えがある。クローゼットを見れば、今もタータン柄のシャツや上着がある。どれ…
小学生だった頃、校庭にトーテムポールが立っていた。 そびえ立つ木の工作物が、トーテムポールと呼ばれるものであることは知っていたが、どういう謂れのものなのか、文化的背景や由来などを知ることはなかった。 「作者のことば」を見ると、 ぼくが小学生の…
想像を元にした絵を描くのは人間だけだという。 チンパンジーと人間の子どもの描画の比較 | 京都大学 『ことばをおぼえたチンパンジー (たくさんのふしぎ傑作集)(第9号)』を書いた、松沢先生の研究によって明らかになった。 『四万年の絵』で紹介されるの…