こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

図工

盆栽をそだてる(第406号)

これは盆栽についての本だ。ついに出た。 "I am a Bonsai"ではなく、"Living with Bonsai"だ。 しかし、これは盆栽の本ではないのではないか。いや、盆栽の本なのだが……。 すうっと読めてしまって、なにか物足りない、もっと盆栽について知りたい、飢餓感と…

ほら、きのこが… (たくさんのふしぎ傑作集)(第127号)

以前よく参加していた里山イベントでは、椎茸の駒打ち体験もやっていた。 切り出した間伐材を使っての作業だ。枝打ちをし適当な長さに伐り、作業場所まで運ぶ。木というのは案外重たいもので、短めの丸太でも腕にずっしり来る。涼しい時期でも汗だくだ。 作…

おじいちゃんのSLアルバム (たくさんのふしぎ傑作集) (第239号)

撮りためた写真を元に、自分の「SLアルバム」を作ってみた。 子供が鉄道好きだったこともあり、まあまあSLの写真がある。人物をカットしたためトリミングが変な写真も多いが、もちろん腕がマズいせいもある。 D51426 C57180 C57186 台糖355號蒸汽機車(高雄…

すてきなタータンチェック(第402号)

小学生の頃、タータンチェック柄の巻きスカートが大好きだった。 巻き終わりが大きめのピンで留めてあるのも、すごく気に入っていた。違う柄のを2着買ってしょっちゅう着ていた覚えがある。クローゼットを見れば、今もタータン柄のシャツや上着がある。どれ…

トーテムポール(第257号)

小学生だった頃、校庭にトーテムポールが立っていた。 そびえ立つ木の工作物が、トーテムポールと呼ばれるものであることは知っていたが、どういう謂れのものなのか、文化的背景や由来などを知ることはなかった。 「作者のことば」を見ると、 ぼくが小学生の…

四万年の絵(第376号)

想像を元にした絵を描くのは人間だけだという。 チンパンジーと人間の子どもの描画の比較 | 京都大学 『ことばをおぼえたチンパンジー (たくさんのふしぎ傑作集)(第9号)』を書いた、松沢先生の研究によって明らかになった。 『四万年の絵』で紹介されるの…

落ち葉(第200号)

ここ数年、やはり毎年のように参加している公開講座が「子ども樹木博士」。 構内の樹木についてレクチャーを受けた後、机に並べられた木の一部(おもに葉っぱ)を見て、名前を当てるという試験形式のものだ。 子供は樹木に詳しくないから、受けるのは当然初…

あけるしめるでるはいる(第129号)

子供が『ひと・どうぶつ行動観察じてん (たくさんのふしぎ傑作集)(第120号)』の月刊誌バージョンを見たがっていたので、図書館で取り寄せてみた。内容は変わらなかったが「ふしぎ新聞」がなかなか面白かった。 「みみずの学校」では、校腸が冒頭あいさつで…

ウミウシ (たくさんのふしぎ傑作集) (第221号)

夫が「まだ夫ではなかった」時、一緒に、どこだったかの海に遊びに出かけたことがある。 砂浜で砂を掘って遊んだり、箱メガネを使って生きものを観察したり。夏休みの小学生みたいなことをしていた。磯にはアメフラシがたくさんいて、触ると紫の液を吐き出す…

森へ (たくさんのふしぎ傑作集) (第105号)

「父と子のアラスカ~星野道夫 生命(いのち)の旅」を見た。 テレビ番組情報 「父と子のアラスカ~星野道夫 生命(いのち)の旅」(再放送) | 星野道夫事務所公式サイト これまで道夫の本を、ほとんど読んでこなかったという星野翔馬氏。番組の中で彼は、星…

草や木のまじゅつ (たくさんのふしぎ傑作集)(第3号)

「草や木のまじゅつ」とは、草木染めのこと。 草木染めといって思い出すのが志村ふくみ。中学か高校だかの教科書に、彼女の書いた文章があったのを今でも覚えている。と思って調べてみたら、それを書いたのは志村氏自身ではなく大岡信。「言葉の力」という作…

わたしたちのカメムシずかん やっかいものが宝ものになった話(第380号)

以前この記事で、仮説実験授業のことを取り上げたが、その提唱者である板倉聖宣先生が亡くなられた。 板倉先生のすごいところは、仮説実験授業そのものではない。子供の気持ちを知るのは難しい、だからこそ子供たちに聞かなければ分からないことも多いのだ、…

好奇心の部屋 デロール (たくさんのふしぎ傑作集) (第225号)

『モグラの生活 (たくさんのふしぎ傑作集)(第267号)』でいろいろ調べていて行き当たったのが「モグラ博士」のお話。 印象的だったのが、さまざまな動物たちの標本を、地道に収集することの大切さだった。先日参加したここのイベントでも、野外利用指導員の…

海のかたち ぼくの見たプランクトン(第391号)

プランクトン、と言われてはじめに何を思い浮かべるだろうか? ミジンコ?アオミドロ? しかし、この本に出てくるプランクトンは、そのような「典型的」なものではなく、サルパやゾエア、ヒラメやアンコウの稚魚など、私が“プランクトン”と認識していないも…

月へ行きたい (たくさんのふしぎ傑作集)(第311号)

月へ行きたい!今すぐに。 夏休みもあとわずか。ぴりぴりムードな私と対照的に、肝心の子供はといえば、寝っ転がってのほほんと鳥の本を眺めているだけ。子供の宿題は子供のもの、私は関係ない!と割り切れればいいけど、まったく子供任せというわけにもいか…

カメラをつくる(第22号)

先日、子供と「ピンホール写真体験教室」に参加してきた。 カメラ自体はキットを使って作るものだが、作製したカメラを使って印画紙に撮影し、暗室で現像ネガ作りやプリント作りをする、本格的な写真体験だ。日本写真協会の先生方が、一人一人に作り方を指導…

線とあそぼう(第382号)

線は、いつから「字」になるのだろう。 小学校入学前に子供が書いた字が残っているが、それは字というより、拙い線を組み合わせて作った記号や図形といった風体なのだ。今どきにしては珍しく、子供はお勉強のようなものを一切しない幼稚園にいて、親もあえて…

かぼちゃ人類学入門 (たくさんのふしぎ傑作集) (第75号)

かぼちゃ?人類学?はてさて何のことやら……と思うのも無理はないタイトルだ。 著者は『迷宮へどうぞ (たくさんのふしぎ傑作集) (第46号)』で挿絵を担当した男。川原田徹氏だ。 『迷宮へどうぞ』には“『かぼちゃ島』迷宮”という絵がある。カボチャの形をし…

クモと糸(第360号)

このエントリーで書いた自然観察イベントの2日目の朝、雨はかろうじて上がったものの、森は濃い霧につつまれ、野外観察には向かない天気だなーとちょっと憂鬱に思いつつ、森の道を歩き始めた。ところがベテランレンジャーの方は、ほらほらと道の脇の茂みを…

電子の虫めがね(第184号)

「電子の虫めがね」とは、電子顕微鏡のこと。 虫めがねという言葉は、拡大鏡の意味だけではない。撮影対象が虫であるという、二重の意味がかけられているのだ。 そもそも虫眼鏡とは?虫を見るために作られたものなのか?語源をネットで調べてみたら、確かに…

シュヴァル 夢の宮殿をたてた郵便配達夫 (たくさんのふしぎ傑作集) (第215号)

子供に戦国時代ブームが来ていた頃、戦国ごっこを繰り広げていたことがあった。 実物を真似して自分の考える布陣図を書き付けたり、厚紙と棒で軍旗を作ったり、プラレールの橋脚を使って城郭っぽいものを建てたり。 思い返せば自分も、理想の家を考えてはお…

虹をみつけに(第248号)

これは「虹の科学」ではなく、いわば「虹の芸術」の本だ。 昔の西洋や中国などでも、虹は神話や伝説、絵画や彫刻の題材として取り上げられてきたが、なぜか日本では、虹の絵さえ、中世になるまでほとんど描かれなかったという。 確かに、西洋画では何度も見…

街は生きている(第340号)

この本について的確に説明するのは、なかなか難儀なので福音館の内容紹介から引用してみる。 街は、毎分、毎秒、変わり続けている。いつもわたる横断歩道の信号機の黄色いスイッチのケースも。駐車場にある真っ赤な自動販売機も。川沿いの階段横の壁も。僕ら…

世界一の展覧会(第191号)

この本は、 「美術館の作品を使って、展覧会を自由に考えてつくりましょう」 という実際にあったワークショップを元に作られている。 参加者は学校も別々の子供たち26人。子供たちは4つのグループに分かれ、それぞれ1つずつ展覧会を作る。グループにはリ…

虹色いきもの図鑑(第346号)

この号は、前号のふしぎ新聞の「ポケットパズル」の答えを知りたいという、子供のリクエストで借りてきたものだ。 特筆すべきは色の美しさ、心地よさ。作者本人も「私の描くゾウやワニの色は、あなたが思っているのとはすこしちがうかもしれません」と書いて…

ぼくの影をさがして(第216号)

子供のころほどではないが、影というものの不思議さに、とらわれることがある。 影を使った美術作品は、いつまで見ても飽きない。子供も楽しんでいた「動きのカガク展」では、 クワクボリョウタの《ロスト #13》という作品に魅入られてしまったし、「鉄道美…

土の色って、どんな色? (たくさんのふしぎ傑作集)(第252号)

著者、栗田宏一氏の作品を、2回ほど見たことがある。 作品とは?と思われるかもしれないが、各地で採集した土を使って、こういう作品を作っているのだ。 SOIL LIBRARY / JAPAN - YouTube 最初に見たのは、東京都現代美術館の常設展。《ソイル・ライブラリー…

美術館にもぐりこめ!(たくさんのふしぎ傑作集) (第140号)

子供連れ×美術館は、なかなかハードだ。息子にも、私の趣味に付き合わせたことが何度かあるが、どちらにとってもハッピーではなかったように思う。私は鑑賞に集中できないし、子供は早く出たいし……。先日のミュシャ展も、小さい子供連れのお客さんがちらほら…

貨物船のはなし(第349号)

下の画像の品に見覚えがある人は、私とほぼ同世代か前後の方だと思う。 SUNTORY サントリー アンクルトリス 爪楊枝ケース つまようじケース 非売品 1個 出版社/メーカー: サントリー メディア: ホーム&キッチン この商品を含むブログを見る 実家の食器棚にず…

水中さつえい大作戦 (たくさんのふしぎ傑作集) (第128号)

この本の作者に会ったことがある。 中川雄三氏はこのイベントでの「生物観察の先生」だったのだ。その時は知らなかったが、後から先生の名前を調べて驚いた。「たくさんのふしぎ」で2冊も担当されているではないか。そしてそのどちらも読んだことがある!1…