301-400
建物がつくり出す「空間」に注目した絵本だ。 「空間」が主役なので、写真にうつる空間に人の姿はほとんどない。人はあくまで空間の引き立て役になっている。 しかしその「空間」の妙を味わうのは人。どれも人のためにつくられた空間だからだ。 ステンドグラ…
小さな南の島とは? フィリピンはセブ島近くにあるカオハガンという島だ。 著者はこの南の島に惚れ込み、島で暮らすことを決意する。 場所こそ違え、流れる空気は『青い海をかけるカヌー マダガスカルのヴェズのくらし(第408号)』と同じものがある。まあ島…
体中みなぎる すばらしいエネルギー爆発寸前の強力なエネルギー ー↑ THE HIGH-LOWS ↓「E=MC2 」 シンプルな絵本だ。 1ページにあてられる文章は10行にも満たない。しかもフォントは大きめだ。スズキコージ描くイラストを生かすかのように、最小限にとどめ…
海のなかを優雅にただようクラゲ。 実はすごい生きものだということをご存知だろうか? まずは進化の歴史。 クラゲのなかまが誕生したのはなんと約10億年前!それ以来ほとんど体のつくりを変えることなく、現在までずっと生き続けてきたという。 ああ見えて…
『木のぼりゴリラ(第355号)』で「人間の、ニシゴリラに対する悲しい歴史」について触れた。 動物園に送るためたくさんのゴリラが捕らえられたが、その多くは子供。子供を守るため、ドラミングして立ちはだかった大人のゴリラたちに「ハンターたちはためら…
類人猿が苦手だ。 あまりにも人に似すぎているからだ。『ことばをおぼえたチンパンジー (たくさんのふしぎ傑作集)(第9号)』でも書いたとおりだ。 動物園でも類人猿コーナーはそそくさと通り過ぎてしまう。じっと見てはいけないような気持ちになってしまう…
『サメは、ぼくのあこがれ』をパラパラ眺めてた夫が、 ーあ〜これ、さかなクンが言ってたヤツじゃん。 サメに近いなかまに、エイがいます。 えらのあなが体の横にあるのがサメ、下にあるのがエイです。 先日私たちは「エイ」 - ギョギョッとサカナ★スター - …
ヒトスジギンポ?初めて聞く名前だ。 夏のはじめ、沖縄本島から船で20分ほど行った水納島(みんなじま)の海で、小さくてかわいい魚にであいました。 南の海なら、どこでもかんたんに見ることができるらしい。 おまけにダイバーに大人気。 人気の秘密はその…
読み応えのある絵本だ。 まず、字が多い。 写真もふんだんに使われているが、文章量もかなりのものだ。一読しただけでは、なかなか内容を掴むことができなかった。 話の流れがわかりにくいのだ。 最近記事を書いた「ふしぎ」の中でも、たとえば『カーニバル…
子供と一緒に地域のガン類の数を数えるボランティアに参加している。 担当地域を車でまわり、区分メッシュ毎にどれくらい飛来しているか調べるものだ。右手にカウンター、左手には双眼鏡。カチカチカチカチカチ……ひたすら数える。ひと昔前の紅白で、観客審査…
鳥は、人間と同じあたたかい血をもつ恒温動物です。気温に左右されず体温を37〜39度にたもっているため、寒い場所で生きられるものもいます。体温をたもつために、体の中で脂肪をもやしつづけています。脂肪のもとは食べものなので、鳥は生きるために食べつ…
先日、草山万兎こと河合雅雄先生が亡くなられた。 「たくさんのふしぎ」では、 『庭にできたウサギの国 (たくさんのふしぎ傑作集) (第4号)』 この『昆虫少年の夢 オオムラサキ舞う森(第302号)』 そして『野生動物の反乱(第313号)』 3冊を手がけている…
引力、重力、遠心力。 その意味や理解はともかく、ふだん当たり前のように使っている言葉だ。 だれが“創った”か知っているだろうか?これらの言葉を発明したのは、誰あろう阿蘭陀通詞だ(『ガリヴァーがやってきた小さな小さな島(第223号)』)。 中野柳圃…
ウミショウブってなんだろう?初めて聞く名前だ。 それもそのはず、日本では沖縄県の西表島および石垣島と、その周囲海域でしか見られない植物なのだ。生息域は熱帯・亜熱帯の海、インド洋から太平洋西部。分布の北限が西表や石垣というのだから、滅多に見ら…
私は「たくさんのふしぎ」を読むときに、奥付に書かれた英題も見ることにしている。見るのは読んだ後。読む前に見てしまうと“ネタバレ”することがあるからだ。日本語タイトルではどんな内容かわからなくても、英題はそのものズバリを表していることがある。 …
『手紙で友だち 北と南 (たくさんのふしぎ傑作集)(第60号)』の29ページ、10月15日の通信には、雪虫のことが出てきている。 ゆきむし、見ました。ゆきむしは白いわたのようなものをつけてるむしです。わたしは、ゆきむしをつかまえてみました。もうすこ…
生きものの“群れ”というのは、なにかこう感情をかき立てるものがあるらしい。 昨年冬、宮城県は伊豆沼にガンの飛び立ちを見に行ったのだが、夜明け前の薄暗い中、大音量で鳴き交わす声たるや、どれだけの数がいるのだろうと空恐ろしくなるほどだった。しかし…
「里帰りですか」、私は声をかけていました。 声をかけられたのは若い2匹のメスギツネ。娘っこのキタキツネたちだ。里帰りというのは8月の中ごろ、母から巣穴を追い出されたのにちょくちょく帰ってきて、9月の終わりにはまた母元で暮らすようになったから…
昨年のお正月、初詣で高幡不動を訪れたとき、参道沿いにペルー料理のお店を見つけた。 Las Papas【公式】(現在閉店) エスニック好きの我が家が飛びつかないわけがない。ランチに寄ることにした。私はハチノスが大好きなので「カウカウ(Cau Cau)」という…
バオバブは、サン=テクジュペリが書いた童話『星の王子さま』にも登場する、アフリカを代表する木です。種類は約10種で、アフリカ大陸に1種、オーストラリア大陸に1〜2種、マダガスカルには8種ものバオバブがあると言われています。ぼくは全種類のバ…
『龍をおう旅(第83号)』で、古今東西の龍を求め旅した作者が、本書で追うのは「ふしぎな動物たち」。動物といっても、取り扱われるのは実在のものではない。龍と同じく空想上の動物たちだ。 たとえば麒麟。6〜7ページには、中国泉州は開元寺の壁にいる麒麟…
この図鑑を見てまず思ったのは。 南極のおさかなってこんなにいるんだ!しかも聞いたことないようなものばっかり! 増頁48ページを余すところなく使って書かれたこの号は、まさに大図鑑の名にふさわしい本だ。50ページもないのに大図鑑?などと侮ることなか…
金華山に出かけてきた。全国に金華山は数多あれど、宮城県は石巻市に所属する島のことである。 『食べられて生きる草の話』の舞台となるのは、この金華山にある「鹿山」だ。主人公は、表紙に描かれるとおり鹿。そして“草”だ。タイトルは「食べられて生きる草…
4月に親が受け取りに行った教科書を使って、休校中、子供は音読の宿題を課せられていた。 ラインナップは、 いのち(小海永二) サボテンの花(やなせたかし) 生きる(谷川俊太郎) イースター島にはなぜ森林がないのか(鷲谷いづみ) 風切るつばさ*1(木…
東北地方に引越して、こちらのスーパーに来て、目に飛び込んできたのは、ホヤ。地元テレビもこれからが旬ですと、捌き方や料理の仕方を紹介している。一度食べたことはあるが、美味しかった記憶はない。でもせっかく産地にきたのだからと、二つばかり買って…
現在、かつてはお城だったグスクにも按司や王様は住んでいませんが、グスクにある御嶽にはお参りにくる人の姿が絶えません。グスクは過ぎ去った大昔の遺跡なんかではありません。今でも沖縄の人々の生活のなかに心のよりどころとして生きている場所なのです…
突然、韓国に行こうと思い立ったことがある。新聞広告に「世界陶磁器エキスポ2001」が紹介されていたからだ。陶磁器にすごく興味があるというわけでもない。海外に行くなら、何かイベントに合わせたら面白いかなと思っただけだ。結婚前だった夫に言ったら、…
チョウの幼虫はめちゃくちゃ偏食だ。 タイトルは「すき」になっているが、そんなレベルではなく、特定の葉っぱしか食べないのだ。「食草」もしくは「食樹」という。たとえ食べ尽くして飢えたとしても、決して他の植物には手を出さない。挙げ句の果て死んでし…
先日、式根島に行った。行きは船で、帰りは新島から飛行機に乗った。 飛行機が到着するのは調布飛行場。この飛行場を舞台とする絵本がある。『ちいさなひこうきのたび』だ。かつての転勤先だった鹿児島にいた頃、よく読んでやっていた。場所こそ違えど「ちい…
『砂漠の花園(第224号)』はペルーだったが、こちらは南アフリカ共和国はナマクアランドにあるお花畑。 色、色、色!色の洪水にただただ圧倒される1冊。まさに「神々の花園」という呼び名に相応しい風景だ。 『砂漠の花園』の野村氏が何度もローマスを訪れ…