こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

ヒトスジギンポ 笑う魚(第328号)

ヒトスジギンポ?初めて聞く名前だ。

 夏のはじめ、沖縄本島から船で20分ほど行った水納島みんなじまの海で、小さくてかわいい魚にであいました。

南の海なら、どこでもかんたんに見ることができるらしい。

おまけにダイバーに大人気。

人気の秘密はそのゆたかな表情だ。好奇心も旺盛で、驚いて隠れたかと思うと、すぐ顔をのぞかせてこっちを見てくれる。ちっちゃくてかわいらしい上、愛嬌があるなんて最強ではないか。

さしづめこの絵本は、アイドルの写真集。

作者は1匹に名前までつけ、追っかけまでしてる。「ツノオレ」君だ。片方のツノがちょっぴり欠けてるから。見た目でオスメスはわからんけど、とりあえず「君」付け。

まずはツノオレくんの一日に密着。プライベートなシーン(うんちの瞬間)も容赦なく激写している。

ずっとツノオレくんにはりついて観察しているうちにフンをしそうな気配がわかるようになったので、ようやく撮影できました。

ストーカーか!

ツノオレくんがいない隙に、家探し(巣穴をのぞく)まで。そこで彼がやっぱりオスで、子育て中であることもわかるのだ。メスが卵を産んだ後、巣穴で卵を守るのはオスの役目だからだ。

どのシーンも動きがあって、とても静止画を見ているとは思えない。目の前で映像を見ているかのようだ。ツノオレくんの、ヒトスジギンポの魅力をたっぷり伝えてくれる。

 

作者は「海と海の生き物すべてを愛する海の写真家」。

これまで手がけた、どの「ふしぎ」からも海に対する愛がびしびし伝わってくる。海はこんな楽しいところなんだよ、海の中にはこんなに楽しいものがたくさんいるんだよ、と。

 

裏表紙はヒトスジギンポの子供。成魚をそのまま縮尺した感じ。『この子 なんの子? 魚の子(第294号)』という驚きはないが、ミニサイズでとてもかわいい。