こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

算数

フレ!フレ!100まんべん(第93号)

タイトルで内容を当てられるだろうか?「100まんべん」がヒントになる。確率のお話なのだ。 確率ネタといえば『デタラメ研究所(第401号)』がある。切り口はデタラメつまり「乱数」だった。サイコロのどの目も、出る確率は6分の1。でもサイコロの目の出方…

思いこみマジック (たくさんのふしぎ傑作集)(第152号)

以前泊まった宿で、マジックショーを見たことがあった。 こじんまりした宿なので、意外性に驚いた覚えがある。マジシャンの本業は歯医者さん、宿のご主人のお知り合いということで、週末にパフォーマンスを披露しているらしい。手先の技術を生業としているだ…

ゆうれいをみる方法(第67号)

「たくさんのふしぎ」では異色の本だ。 表紙にはこうある。 この本は、かわいいキミへのキケンなプレゼントです!! そのとおり、キケンで挑戦意欲に満ちた絵本だ。 柳生弦一郎作の「たくさんのふしぎ」で、 『おしっこの研究 (たくさんのふしぎ傑作集) (第…

この子 なんの子? 魚の子(第294号)

(息子に付き合って)野鳥観察してると、もう付き合いきれん!と思うことがある。 それは識別だ。 オスとメスで風貌が違ったり。夏と冬で羽の色が違ったり。幼鳥と成鳥で違ったり。 もうなんの鳥か区別がつかないよ〜。 そりゃまあ人間だってオスとメスとじ…

世界あちこちゆかいな家めぐり (たくさんのふしぎ傑作集) (第146号)

『土の家(第295号)』を読んでいて、どうも物足りなさを感じていたのだ。 それは生活が見えてこないこと。 当然だ。『土の家』は、生活を紹介する目的で描かれてないからだ。 どんな生活をしてるんだろう。どんな家族がどんな感じで家と暮らしてるんだろう…

一本の木に葉っぱは何枚?(第352号)

子供と一緒に地域のガン類の数を数えるボランティアに参加している。 担当地域を車でまわり、区分メッシュ毎にどれくらい飛来しているか調べるものだ。右手にカウンター、左手には双眼鏡。カチカチカチカチカチ……ひたすら数える。ひと昔前の紅白で、観客審査…

アナログ? デジタル? ピンポーン! (たくさんのふしぎ傑作集)(第63号)

ちょっと前、こんなまとめが話題になっていた。 京大での授業で「そろばんはアナログではなくデジタルです」と言ったら「そろばんがデジタルとはどういうことでしょうか?」という学生がいた - Togetter おそらく、アナログとデジタルという言葉がもつイメー…

“豪華客船ミステリーツアー”へようこそ!(第234号)

『その先どうなるの?(第142号)』では架空の遊園地「きりなしランド」を、『7つ橋のぎもん(第180号)』では古都ケーニヒスベルクを案内してくれた作者が、次に手掛けるのはなんと豪華客船クルーズ。作者は「数学旅行作家」を名乗るからにして、ただのク…

その先どうなるの?(第142号)

『7つ橋のぎもん(第180号)』で、ケーニヒスベルクという実在の街を旅した作者。『その先どうなるの?』でお出かけするのは、架空の遊園地「きりなしランド」だ。 本書は『はてなし世界の入口 (たくさんのふしぎ傑作集) (第2号)』とほぼ同じテーマを扱っ…

7つ橋のぎもん(第180号)

『数字であそぼ。』を読んでいる。主人公横辺は、理学部に合格したが、高度な数学の授業を全く理解できず、二留中の身。高校までのテストや入試は得意の暗記で乗り切ってきた。1回生の初っ端、理解できない講義に挫折を味わうが、親にも言えず下宿を続けな…

デタラメ研究所(第401号)

表紙のイラストは、たくさんの子供がサイコロを振っている絵。見開きにすると子供たちが無限にいるように見えて、はてなし世界の入口に来たような気分になれる。 『デタラメ研究所』というタイトルも軽やかならば、イラストのタッチも軽やか。しかし、内容は…

ぐにゃぐにゃ世界の冒険 (たくさんのふしぎ傑作集)(第32号)

私たち夫婦は、キセルというバンドのファンだ。かれこれ10年以上になるだろうか。地方に住んでいた頃はライブに行ける機会も少なかったが、今は都合がつく限り参加している。そしてなぜか、大人だけでゆっくり楽しみたいのはやまやまなのだが……毎回子供と…

鳥の目から見たら(第39号)

子供は今、コンパスを使った作図を勉強中だ。 先生には「急がなくてもいいので、もう少していねいに線を引きましょう」と言われている。それでも初めて使うコンパスが楽しいようで、とくに垂線を引くのが好きらしい。 それにしてもなぜこんなに線が曲がって…

はてなし世界の入口 (たくさんのふしぎ傑作集) (第2号)

「はてなし世界の入口」として、始めに登場するのがマトリョーシカ。 このマトリョーシカについて何気なく調べてみたら、沼田元氣氏の名前が出てきたのに驚いた。盆栽小僧の松ちゃん(『ぼくは盆栽(第126号)』)はマトリョーシカ(或はこけし)になってい…

アリになった数学者(第390号)

アリになった?数学者?何とも奇妙なタイトルだが、比喩ではなく本当に「アリになった数学者」の話であった。 数学者はなぜアリになったのか?それは「知るということ、わかるということは、自分ではない相手の心と、深く響きあうこと」だから。「数や図形の…

さかさまさかさ (たくさんのふしぎ傑作集) (第17号)

昔、高校の書道で篆刻をやったことがある。 篆書体という特殊な書体は単なる図形とも見えなくて、反対向きの文字を彫るのに不思議な感じを覚えたものだ。その学期の成績はまあまあ良かったので、不器用な私にしてはうまく仕上がったのだと思う。名字は画数が…

絵とき ゾウの時間とネズミの時間 (たくさんのふしぎ傑作集) (第96号)

電車に乗って、ぼーっと車内広告を眺めていた時のこと。 『ゾウの時間 ネズミの時間』というタイトルが目に入ってきた。あ、たくさんのふしぎ?と思ったら。中公新書の新刊『ウニはすごい バッタもすごい』の宣伝に合わせて紹介されていたものだった。 ゾウ…

分類ごっこ(第52号)

ちょっと前から子供のブームは、“生物分類”である。 ねーねーアリって何の仲間か知ってるー?ハチ目、つまりハチの仲間なんだよーとか、イロハモミジって前はカエデ科だったけど、今はムクロジ科なんだよーとか。 図鑑を読み込んでは教えてくれるのだが、家…

ぼくの算数絵日記(第118号)

「たくさんのふしぎ」を好きなのは、子供に媚びて作っていないところだ。 たとえばこの『算数絵日記』。 中学で学習する「マイナスの数」、高校で習うような「階乗」まで出てくる。 小学生向けだからといって、子供にはわからないだろうとか、難しすぎるだろ…