こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

社会

6つの国から「わたしの絵です」(第109号)

日本から海をこえてまっすぐどんどんいくと着いちゃう“となりの国”は、たくさんあります。いくつあるかは、地図帳か地球儀を見てしらべてみて。すぐ近くの国もあれば、地球の反対がわの遠い国もあるでしょ。 そういう“おとなりの国”のうち6つをたずねて、そ…

アンデスのリャマ飼い(第80号)

アンデス! 「ふしぎ」ってアンデス好き過ぎないかい? プーヤ・ライモンディ 100年にいちど咲く花(第245号) とか、 じゃがいものふるさと(第275号) とか、 マチュピチュをまもる アンデス文明5000年の知恵(第343号) とか! ひとことでアンデス言うて…

シベリア鉄道ものがたり(第69号)

『ガラス 砂の宝石(第68号)』「ふしぎ新聞」での来月号紹介は、この『シベリア鉄道ものがたり』。 ウラジオストクからモスクワまで九二九七キロもの世界一長い距離を走るロシア号に乗って、みなさんを、はてしなくつづくシベリアの大地にご案内いたします…

ノラネコの研究(たくさんのふしぎ傑作集) (第79号)

昨年、猫の島に行ってきた。 大泊港近くの鹿嶋神社鳥居前でさっそく猫がお出迎え。ちょっと上がった神社に行くまでも、いるわいるわ猫猫猫……。猫神社に着いたらもっといた。そこから「田代島にゃんこ共和国 島のえき」までの道にも猫。猫好きにはパラダイス…

イェータ運河を行く(第99号)

その昔、このおもちゃを買ってやったことがある。 アクアプレイ (AquaPlay) アクアボックス カナルロック・ハーバー AQ516 ボーネルンド(BorneLund) Amazon 運河の仕組みで遊べるおもちゃだ。しかしまあ、子供も運河とはなにかわからん年だし、近くに現物が…

津津浦浦(第456号)

ぼくは大の鉄道ずきだ。あちらこちらの路線の、いろいろな列車に乗るのがすきだ。列車の写真をとるのもすきだ。 野坂さん、のっけから乗り鉄撮り鉄宣言ですか……。 次のページは、 ぼくがこれまでに乗った鉄道路線をごらんいただこう。 ですよ? 「ぼくが愛用…

地下につくられた町・カッパドキア(第64号)

「たくさんのふしぎ」を読んでて思うのは、子供がたくさん出てくるなあということ。 とくに初期は、架空にせよリアルにせよ、子供たちが登場することが多い。子供向けの本だから当たり前と思うだろうが、意味もなく子供を出しているわけではない。 カッパド…

やねはぼくらのひるねするばしょ (たくさんのふしぎ傑作集)(第50号)

『かべかべ、へい!(第114号)』は「壁」だった。 これは「屋根」の絵本。 冒頭「もしも屋根がなかったら」というお題で書かれているが、屋根のないところで暮らすサイーダさんは、雨の時どうしてるんだろう。 興味深いのは、12〜15ページ「東洋と西洋の家…

黒部の谷のトロッコ電車 (たくさんのふしぎ傑作集) (第217号)

経県値というサイトがある。 私は旅行好きかつ転勤族なので、大部分の都道府県が「宿泊(4点)」か「居住(5点)」に当てはまる。「訪問(3点)」だけなのは三重県。経県値は190点だ。 なかで唯一「通過(1点)」なのが、富山県。学生時代は山もやってた…

小さな南の島のくらし(第353号)

小さな南の島とは? フィリピンはセブ島近くにあるカオハガンという島だ。 著者はこの南の島に惚れ込み、島で暮らすことを決意する。 場所こそ違え、流れる空気は『青い海をかけるカヌー マダガスカルのヴェズのくらし(第408号)』と同じものがある。まあ島…

スイス鉄道ものがたり (たくさんのふしぎ傑作集)(第88号)

「夏休みになったら、香奈子と俊太をスイスへつれてってやろうか」 と、おじいちゃんがいいました。 「それほんと!」ぼくたちは大よろこびです。バンザイ。 本号はこんな一節から始まるお話。おじいちゃんが孫二人を連れ、スイスの鉄道を案内するという物語…

つな引きのお祭り (たくさんのふしぎ傑作集)(第108号)

つな引きといえば運動会。 子の学校でも毎年のようにプログラムに加えられている。中学でも健在だ。準備は綱一つ、練習不要、勝ち負けが明快と三拍子揃った良競技。かつてはオリンピックの綱引競技まであったというから驚きだ。私には不評だけど。だって体操…

まぼろしの大陸スンダランド オランウータンをそだてた森(第322号)

読み応えのある絵本だ。 まず、字が多い。 写真もふんだんに使われているが、文章量もかなりのものだ。一読しただけでは、なかなか内容を掴むことができなかった。 話の流れがわかりにくいのだ。 最近記事を書いた「ふしぎ」の中でも、たとえば『カーニバル…

イルカの島(第202号)

八丈島の行きか帰りかの航路にて。 ー御蔵島には接岸できませんので通過しま〜す。 と船内アナウンスが聞こえてきた。 え?え?え?そんなことがあり得るの? 離島航路は気象条件によって欠航することもある。その場合そもそも船が出ない。船は来たのに通過…

山と海をつなぐ川のおまつり(第272号)

「たくさんのふしぎ」が取り上げてきたテーマの一つに「お祭り」がある。 『ぼくらの天神まつり (たくさんのふしぎ傑作集) (第48号)』 『つな引きのお祭り(第108号)』 『山と海をつなぐ川のおまつり(第272号)』 『絵で読む 子どもと祭り(第400号)』 …

はしをわたらずはしわたれ (たくさんのふしぎ傑作集)(第74号)

“かべ”という身近なものをテーマに、軽やかな絵本(『かべかべ、へい!(第114号))を作ってみせた小野かおる。それに先駆けて描かれたのが“はし”。「橋」だ。 今回も、軽さに対して内容は盛りだくさん。 橋の歴史、橋を支えるしくみ、橋の種類、橋のかけ方…

ニホンミツバチと暮らす(第283号)

『ハチヤさんの旅 (たくさんのふしぎ傑作集) (第26号)』は、「蜂屋」つまり仕事として「蜂と旅する」話だった。 一方、こちら『ニホンミツバチと暮らす』は、趣味として「蜂と遊ぶ」話になる。 舞台となるのは宮崎県日向市東郷町そして椎葉村。宮崎県の県…

ぼくたちのロボット(第265号)

乙武洋匡氏が、義足歩行にチャレンジしたというニュースを見た。 50メートル超を義足歩行 作家の乙武さん「胸いっぱい」:時事ドットコム 私はこのプロジェクトを初めて知って、それまでの経緯など何も知らないにもかかわらず、映像を見て、なぜだか胸がい…

かんころもちと教会の島(第438号)

かんころもちは長崎は五島列島の郷土菓子。 本号はかんころもちをめぐる、土地と時間のお話だ。 舞台となるのは四つ。「佐世保のお菓子屋さん(※地名は本文では明記されていない)」「中通島」「小値賀島」「野崎島」だ。 作者は、いつもかんころもちを買う…

ギアナ高地 謎の山 テプイ(第437号)

表紙の濃い緑、一見地味に感じられると思うが、目の前で見るとなかに吸い寄せられてしまいそうなパワーがある。おもて表紙片面だけでいっぱいいっぱい。これを両面見開きで展開したら、すごいことになってしまいそうだ。 中の写真も圧倒的なエネルギーに満ち…

聴導犬ものがたり ジェミーとペッグ(第176号)

聴導犬とは? 漢字からわかるとおり、聴覚に障害がある人たちの暮らしを助ける犬だ。 作者はイギリスで、耳の不自由な青年ジェミーと、パートナーの聴導犬ペッグに出会う。ジェミーは13歳で発症した病気治療の後遺症で、19歳には完全失聴してしまう。大好き…

チューの夢 トゥーの夢 難民キャンプの子どもたち(第151号)

毎日あそびにくる子どもたちの中に、絵本が大すきで、なんでもやりたがる、ふたりのやんちゃぼうずがいました。 10才くらいの男の子。名前は、ひとりはチュー、もうひとりはトゥーです。 チューは、お話を読むだけでなく、お話を作って書いたり、絵を描いた…

山里でくらす 中ノ俣の一年(第434号)

山菜採りもするといって出かけていった(『写真の国のアリス(第192号)』参照) 我が家の男どもは、フキノトウだのよくわからない草だのを袋に詰めて帰ってきた。 よくわからない草(名前忘れたけど、食べられる草)はおひたしに、フキノトウは天ぷら風にし…

コククジラの旅 (たくさんのふしぎ傑作集) (第40号)

ぼくは子どものころから、クジラという動物にあこがれていました。ぼくたち人間とおなじ哺乳類でありながら、一生を海のまっただなかですごすなぞ(・・)にみちたくらしと、それに何よりその大きさにひかれていました。 いつか、ほんとうに大海をおよぐクジ…

ひと粒のチョコレートに(第433号)

菓子づくりはむずかしい。分量をきちっと計り、レシピどおり手順を踏んでるつもりが、うまくできない。 とくに厄介なのがチョコレートの扱いだ。テンパリングなんて繊細すぎる作業に懲りて、チョコレート菓子を作るのは早々にあきらめた。プロのもの買ったほ…

御殿場線ものがたり (たくさんのふしぎ傑作集) (第12号)

東京駅から新幹線の「ひかり号」に乗って、25分くらいたったら、車窓のながめにちゅういしてください。相模平野をすぎて、みじかいトンネルがつぎつぎにつづく丘のなかを走っているはずです。 と、とつぜん、あたりがあかるくひらけ、左に相模湾、右前方に箱…

ナイル川とエジプト (たくさんのふしぎ傑作集)(第35号)

“エジプトはナイルのたまもの” 世界史を勉強すれば当たり前のように聞く言葉だ。エジプト文明が栄えたのはナイル川のおかげ、みたいな意味でとらえていたように思う。ヘロドトスの『歴史』からひっぱってこられたものだけど、実はそういう意図で書かれたので…

知床 わたしの動物カレンダー(第262号)

今朝は気温が氷点下23度、この冬いちばんの寒さです。寒さで顔がヒリヒリします。でも天気は快晴、じっとしているのがもったいないので、板の裏に滑りどめのついたスキーをはいて、森の散歩に出かけることにしました。私はこの季節こそ、森歩きがもっとも楽…

みんな知ってる? 会社のしごと(第431号)

出る前から思っていたのは、「たくさんのふしぎ」らしくない号だなあということ。 会社や仕事についての児童向け書籍など、世にうなるほどあるからだ。 極め付けは内容紹介の文。 子どものみなさん、よく聞いてください。あなたが学校にいる間、「会社で働く…

コーヒーを飲んで学校を建てよう キリマンジャロとルカニ村(第339号)

私は「たくさんのふしぎ」を読むときに、奥付に書かれた英題も見ることにしている。見るのは読んだ後。読む前に見てしまうと“ネタバレ”することがあるからだ。日本語タイトルではどんな内容かわからなくても、英題はそのものズバリを表していることがある。 …