こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

2018-01-01から1年間の記事一覧

空のみち 飛行機と航空管制官(第331号)

先日、式根島に行った。行きは船で、帰りは新島から飛行機に乗った。 飛行機が到着するのは調布飛行場。この飛行場を舞台とする絵本がある。『ちいさなひこうきのたび』だ。かつての転勤先だった鹿児島にいた頃、よく読んでやっていた。場所こそ違えど「ちい…

ブラックバス(第16号)

この本の最後は次のように締めくくられている。 アメリカでは、つり場をだいじにする法律があって、魚がすくすくそだち、このあいだは、なんと体長83センチメートル、おもさ10キログラムというすばらしいブラックバスがつれた。 日本でも、そんな魚がそだつ…

劇団ふしぎ座 まもなく開幕!!(第71号)

子供の学校ではもうすぐ学芸会が開かれる。 オーディションでうまくいかなかったという息子は、希望の役にありつけなかったようだ。仕方がない。 私は衣装作り(といっても裁縫系ではなく工作に近いもの)のボランティアに行ったり、指定のものを激安衣料品…

神々の花園(第368号)

『砂漠の花園(第224号)』はペルーだったが、こちらは南アフリカ共和国はナマクアランドにあるお花畑。 色、色、色!色の洪水にただただ圧倒される1冊。まさに「神々の花園」という呼び名に相応しい風景だ。 『砂漠の花園』の野村氏が何度もローマスを訪れ…

砂漠の花園(第224号)

ここ最近の「ダーウィンが来た!」は、なぜか鳥ばかり連続している。 第568回「住まいは東京!幻のタカ」(※リンク切れ) に始まり、 第569回「進化するだまし合い!鳥の托(たく)卵最前線」(※リンク切れ) 第570回「ヒナを守れ!島を作る鳥」(※リンク切れ…

メコン 源流をもとめて(第284号)

私は川の絵本が好きらしい。 加古里子の名作『かわ』に始まり、村松昭の「鳥瞰地図絵本」シリーズは全部読んでやっている。たまがわ、ちくごがわ、ちくまがわ・しなのがわ、よしのがわ、いしかりがわ、よどがわ、あらかわ・すみだがわ。子供も読み返したりし…

くりばやし(第404号)

くりばやし、は栗林だ。 農林水産省は、人工的なものを林、自然にできたものを森と定めているらしい。 『くりばやし』の木は、人が果実を採るために植えているから、まさに林なのだ。 表紙を見れば、等間隔にリズムよく並んでいる。自然の中で同じ種類の木が…

ほら、きのこが… (たくさんのふしぎ傑作集)(第127号)

以前よく参加していた里山イベントでは、椎茸の駒打ち体験もやっていた。 切り出した間伐材を使っての作業だ。枝打ちをし適当な長さに伐り、作業場所まで運ぶ。木というのは案外重たいもので、短めの丸太でも腕にずっしり来る。涼しい時期でも汗だくだ。 作…

カジカおじさんの川語り (たくさんのふしぎ傑作集) (第170号)

例によってNHKをつけながら朝の用事を済ませていたら、カジカ漁の話をやっていた。 秋を楽しむ 秋の魚 カジカの釣り方とは? | おはよう日本 関東甲信越 | @首都圏 | NHK(※リンク切れ) かつては東京の農山村でも、魚体のみならず卵塊まで食卓にのぼるくら…

ギョレメ村でじゅうたんを織る (たくさんのふしぎ傑作集) (第102号)

じゅうたんを織る? 作者は織物作家か何かなのか?絨緞の作り方を勉強するためにトルコに行ったのか?と思われるだろう。新藤悦子氏の本業は、ノンフィクション作家、ファンタジー小説家。つまり物書きだ。 大学生の頃、トルコの田舎町を旅していた作者は、…

おじいちゃんのSLアルバム (たくさんのふしぎ傑作集) (第239号)

撮りためた写真を元に、自分の「SLアルバム」を作ってみた。 子供が鉄道好きだったこともあり、まあまあSLの写真がある。人物をカットしたためトリミングが変な写真も多いが、もちろん腕がマズいせいもある。 D51426 C57180 C57186 台糖355號蒸汽機車(高雄…

拝啓・手紙です (たくさんのふしぎ傑作集)(第38号)

若いころ、一度だけラブレターをもらったことがある。バイト先の人だ。 内容はほとんど忘れてしまったが「好きだ」という言葉があったことだけは覚えている。真っ白な便せんに整った字で綴られた手紙。嬉しかった。 私も心を込めて返事を書いた。断りの手紙…

川のホタル 森のホタル(第363号)

夏休み、与論島・奄美大島を旅した。 奄美ではナイトツアーに参加した。奄美フォレストポリスのガイドさんの案内で、園内を散策する。時間は20時近く、辺りはもう真っ暗だ。 ガイドさんが、ほら、ホタルですよ。とおっしゃる先には、光る点々が。ホタル?…

一枚の布を ぐるぐるぐる(第285号)

『すてきなタータンチェック(第402号)』にも書かれているが、「タータン柄のスカート」はもともと男性用衣装だった。キルトと呼ばれるスコットランドの民族衣装だ。下着をつけず、つまりノーパンで着るものだった。キルトの元になったのは、Belted plaid(…

絵とき 生きものは円柱形 (たくさんのふしぎ傑作集) (第235号)

6月に、多摩動物公園の開園60周年記念講演会「生き物は円柱形──ゾウの鼻もライオンの足も、それからミミズも円柱形!」に参加してきた。息子含め小学生たちは真ん前のかぶりつき席、という贅沢仕様だ。 風船始めさまざまな小道具を駆使しての講演。子供たち…

すてきなタータンチェック(第402号)

小学生の頃、タータンチェック柄の巻きスカートが大好きだった。 巻き終わりが大きめのピンで留めてあるのも、すごく気に入っていた。違う柄のを2着買ってしょっちゅう着ていた覚えがある。クローゼットを見れば、今もタータン柄のシャツや上着がある。どれ…

カモノハシのなぞ(第148号)

夫は趣味で登山を続けているが、プラティパスという給水ボトルを使っている。ちなみに私のは大学時代に買ったまま、懐かしの手付ポリタン2Lだ。 干してある給水ボトルを見て、プラティパスってどういう意味だろう?描かれている動物みたいなのは何?と思って…

パイロットが見た雲(第147号)

子供が図書館で、分光器をつくろうというイベントに参加してきた。 昨年も近隣大学で、分光器を作って実験する公開講座に参加しているが、分光器本体を用意された展開図を使って作るのに苦労していた。今年のはトイレットペーパーの芯を使うお手軽なもの。完…

クサレケカビのクー(第256号)

同僚の人が以前こんな話をしていた。 娘がネイルしてるんだけどカビ生えちゃってね〜。爪が緑になってるのよ。でも懲りずに削ってまた新しいネイルするんだよねー。止めようって気はないらしいわー。 私はネイルをしたことがないので知らなかったが、グリー…

トーテムポール(第257号)

小学生だった頃、校庭にトーテムポールが立っていた。 そびえ立つ木の工作物が、トーテムポールと呼ばれるものであることは知っていたが、どういう謂れのものなのか、文化的背景や由来などを知ることはなかった。 「作者のことば」を見ると、 ぼくが小学生の…

浜辺のたからさがし(第97号)

桜島で大規模噴火による大量降灰を想定した車両走行実験を実施、というニュースを見た。 7月24日、本日も快晴のなか、「大量軽石火山灰を想定した車両走行・道路啓開作業検証実験」の準備走行を実施しました。#降灰 #走行実験 #桜島 pic.twitter.com/xwEDPSI…

ウナギのふるさとをさがして(第244号)

夏休みが来た。宿題もやってきた。 どういう風の吹き回しか、初日からブッ飛ばして課題に取りかかり始めている。長期休暇恒例の「おすすめ本の紹介」も早々に仕上げた。書いたのは『ウナギのふるさとをさがして』。 冒頭には選んだ動機が書かれているが「丑…

ウナギとりの夏(第329号)

丑の日だ。 うなぎが減ってきているというニュースを聞いてから、あまり買わないようになったが、今日はどこのスーパーでもお誘いが多いだろう。夕飯はうな玉丼になりそうだ。 前住んでいた鹿児島は養殖がさかんな地域。スーパーでもよく買っていたし、お店…

四万年の絵(第376号)

想像を元にした絵を描くのは人間だけだという。 チンパンジーと人間の子どもの描画の比較 | 京都大学 『ことばをおぼえたチンパンジー (たくさんのふしぎ傑作集)(第9号)』を書いた、松沢先生の研究によって明らかになった。 『四万年の絵』で紹介されるの…

ぼくらの天神まつり (たくさんのふしぎ傑作集) (第48号)

はやぶさが打ち上げられた内之浦は鹿児島県肝属郡肝付町にある。この町には、高山やぶさめ祭という面白いお祭りがある。 高山やぶさめ祭 | イベント | 【公式】鹿児島県観光サイト かごしまの旅 流鏑馬そのものは珍しくはないが、ここの射手は中学生が務める…

デタラメ研究所(第401号)

表紙のイラストは、たくさんの子供がサイコロを振っている絵。見開きにすると子供たちが無限にいるように見えて、はてなし世界の入口に来たような気分になれる。 『デタラメ研究所』というタイトルも軽やかならば、イラストのタッチも軽やか。しかし、内容は…

ここにも、こけが… (たくさんのふしぎ傑作集) (第195号)

子供は「ネーミングバラエティー 日本人のおなまえっ! 」を見ることを楽しみにしている。「所さん!大変ですよ」も続けて見ることが多い。 先日の話題は「村の“お宝”が盗まれた!?不思議なコケ・ブーム」。稀少コケの盗難の話から、コケを愛でる「コケガール…

トドマツ(第370号)

NHKをつけながら、朝の用事を済ませていたら、トドマツ、という言葉が聞こえて思わずテレビの方を見た。やっていたのは「まちかど情報室」というコーナー。新巻鮭を入れる木箱で作ったウクレレを紹介していた。 2018年6月28日(木)植物が大変身!|まちかど…

おおきな石(第335号)

BIG ROCKS, BIG WORLD! なんて素敵な英題だろう。これ以上の説明は要らないのではないか。 表紙を見開きにしてみる。 真っ青な空を背景にしたエアーズロックがどーんと現れて、圧巻だ。月刊誌の背表紙は薄めなので、見開きにしても邪魔にならない。「たくさ…

落ち葉(第200号)

ここ数年、やはり毎年のように参加している公開講座が「子ども樹木博士」。 構内の樹木についてレクチャーを受けた後、机に並べられた木の一部(おもに葉っぱ)を見て、名前を当てるという試験形式のものだ。 子供は樹木に詳しくないから、受けるのは当然初…