こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

理科

過去と未来とわたしたち(第457号)

『宇宙とわたしたち(第385号)』のきょうだい本といえるものかもしれない。 私たちの体を作る物質は、100億年間も宇宙をめぐってきたものです。宇宙の中で、星や星間ガスと形を変えながら、100億年以上の時間をかけて、めぐりめぐって、いま、私たちの体の…

花がえらぶ 虫がえらぶ(第65号)

『花がえらぶ 虫がえらぶ』の英題は、 "THE MARVELOUS PARTNERSHIP BETWEEN INSECTS AND PLANTS" 植物と昆虫の共生関係について描いた絵本だ。『サンゴしょうの海 (たくさんのふしぎ傑作集) (第28号)』が海の生きものの“共生”なら、こちらで取り上げるは陸…

ヘリコプターのしくみ(第454号)

主役はドーンとど真ん中真正面にご登場。 衒いのない表紙、そしてタイトル。紛うことなくヘリコプターが主人公の絵本だ。 表紙の絵、よくよく見ると操縦席に人の影が見えるのだが、あくまで脇役。 ヘリコプター(とそれに類するもの)が登場しないページはほ…

なぜ君たちはグルグル回るのか 海の動物たちの謎(第452号)

今年も彼らがやってきた。 マガンたちだ(『からだの中の時計(第440号)』)! 今年の初飛来確認日は9月17日。去年より1日だけ早い。 10月に入り、続々と到着し始めている。 よくもまあ何千キロも離れた繁殖地から、毎年毎年ジャストなタイミングで渡って…

石は元素の案内人(第449号)

子供は「石に執着する子」。 おまけに、いま学校で学習してるのは、元素など化学分野だ。 この『石は元素の案内人』に飛びつくだろうなと思ってたら、案の定届いてすぐに飛びついた。 学校にも“石友”がいて、石談義や石の交換みたいなのもしてるらしい。先日…

植物でシャボン玉ができた!(第403号)

7月の日曜日、子どもをつれて、近くの公園にでかけました。 本号はこんな軽やかな一文から始まる。しかし実はすごい本なのだ。 お話の枕は、著者が小学1年生のときの思い出。高柳さんは1948年生まれなので、かれこれ60年以上前のことだ。 掃除の時間のこと…

エネルギー(第315号)

体中みなぎる すばらしいエネルギー爆発寸前の強力なエネルギー ー↑ THE HIGH-LOWS ↓「E=MC2 」 シンプルな絵本だ。 1ページにあてられる文章は10行にも満たない。しかもフォントは大きめだ。スズキコージ描くイラストを生かすかのように、最小限にとどめ…

クラゲは花(第319号)

海のなかを優雅にただようクラゲ。 実はすごい生きものだということをご存知だろうか? まずは進化の歴史。 クラゲのなかまが誕生したのはなんと約10億年前!それ以来ほとんど体のつくりを変えることなく、現在までずっと生き続けてきたという。 ああ見えて…

西表島のマングローブ(第268号)

知ってるつもりで、知らない植物がある。 たとえばバオバブ。バオバブのイメージはせいぜい『星の王子さま』止まり。これで知った気(木)になってるなんて本当におこがましい。『マダガスカルのバオバブ(第357号)』を読むまで、こんなに種類があるものだ…

うんこ虫を追え(第447号)

舘野さんが、満を持して「ふしぎ」に登場。 しかもうんこ虫と来たよ。 舘野鴻氏との出会いは『しでむし』が最初だった。シデムシという“日陰者”に、美しくスポットを当てた作品。ひと目でつかまれた。その後も『ぎふちょう』『つちはんみょう』『がろあむし…

木のぼりゴリラ(第355号)

類人猿が苦手だ。 あまりにも人に似すぎているからだ。『ことばをおぼえたチンパンジー (たくさんのふしぎ傑作集)(第9号)』でも書いたとおりだ。 動物園でも類人猿コーナーはそそくさと通り過ぎてしまう。じっと見てはいけないような気持ちになってしまう…

コンクリートってなに?(第442号)

朝、ニュースを見てたら、コンクリートに関するトピックが紹介されていた。 『NHK NEWS おはよう日本』で自己治癒コンクリート『Basilisk』が紹介されました。 | AIZAWA 微生物を利用してひび割れなどを“自己治癒”するという。夢のような技術だ。 自己治癒コ…

空とぶ宝石 トンボ(たくさんのふしぎ傑作集)(第100号)

毎朝、新聞を取りに行くついでに、マンションの非常階段を上がっている。運動不足解消のためだ。 我が家は、この町にしては珍しい高層マンション*1だ。周囲に田園風景が広がるなか、虫の季節は夜、巨大な誘蛾灯状態になる。まんま誘蛾灯でガの種類は本当に多…

海中を飛ぶ鳥 海鳥たちのくらし(第398号)

鳥は、人間と同じあたたかい血をもつ恒温動物です。気温に左右されず体温を37〜39度にたもっているため、寒い場所で生きられるものもいます。体温をたもつために、体の中で脂肪をもやしつづけています。脂肪のもとは食べものなので、鳥は生きるために食べつ…

からだの中の時計(第440号)

今年も彼らがやってきた! 彼らとは渡り鳥。 マガン、シジュウカラガン、オオハクチョウ、コハクチョウ、オオヒシクイなどなど……そして種々のカモたち。 なかでも大好きなのがマガンだ。恐ろしいほどの数で見せつけてくる群れのパワーも、決して警戒心を緩め…

ダーウィンのミミズの研究 (たくさんのふしぎ傑作集)(第135号)

帰宅しておやつを食べる息子といっしょに、録画した「サイエンスZERO」を見ていた。 「“地中の王”驚異の実力 きっとミミズが好きになる」 - サイエンスZERO - NHK 冒頭紹介されたのはこの言葉。 「この取るに足らない生き物よりも 世界にとって重要な役割を …

南米アマゾン 土を食う動物たち(第418号)

アマゾンは謎だ。 今や世界最大級となったオンラインストアが、その名を冠したのもわかる気がする。アマゾンは世界最大規模を誇る河川であり、謎に満ちたわくわくするような場所なのだ。この本だってアマゾンと名はついてるけれど、舞台となるのはほんの端っ…

きみの楽器はどんな音 (たくさんのふしぎ傑作集)(第54号)

音はみえないけれどいつもわたしたちのまわりにあります。これからかんたんな工作で、音をつくり、楽器をつくり、みえない音の世界を探検しましょう。 はじめに糸電話をつくります。 ……かんたん?え? はっきりいって“かんたん”なのは、糸電話といくつかの工…

なぜまるい? (たくさんのふしぎ傑作集)(第49号)

なぜまるい?の“まるい”は、どちらかといえば立体的な“まる”、球体の方のお話だ。 自然は、まるいもの、まるっこいものが好きなようだ。 自然のなかには、なぜまるいものが多い(・・・・・・・・のだろう? 球は、いろいろなものがひとりでになっていく形、…

日本海のはなし(第410号)

『日本海のはなし』。 いつもながら「たくさんのふしぎ」のタイトルはシンプルすぎる。 知らんで書店や図書館にあったとしたら、私は手に取るだろうか。興味を引くタイトルでなかったとしても、各号欠かさず読む(読みたいと思う)のは、ひとえに「たくさん…

ハチという虫(第435号)

今年度のラインナップを見て、もちろん楽しみにしていた。 『ぼくが見たハチ(第161号)』で、寄生バチに興味をもった身としては、楽しみにしないわけがない。 期待に違わず、素晴らしい絵本だった。 どのハチもキラキラ輝いている。 ともすれば暗くなりがち…

貝ものがたり(第149号)

ホッキ貝のシーズンだ。 東北へ来たばかりのころ、ホッキ飯食べてめちゃくちゃおいしかったので、今シーズンは自分でも作ってみようと思っていた。スーパーで生貝が出回り始めたので、さっそく購入。バラ売りのをひとつ、トングでつかんだらぴゅっと水を吐き…

ドキドキドキ心ぞうの研究 (たくさんのふしぎ傑作集)(第31号)

子供が赤ちゃんだった頃、心拍数の高さに驚いたことがある。胸に手を当てると、 トクトクトクトクトク とものすごい速さで脈打っている。夫と、小動物みたいだねーと話していたものだ。その小動物も、今や中学生にならんとしている。心拍数も大人なみに落ち着いてきた…

重さと力 科学するってどんなこと?(第301号)

引力、重力、遠心力。 その意味や理解はともかく、ふだん当たり前のように使っている言葉だ。 だれが“創った”か知っているだろうか?これらの言葉を発明したのは、誰あろう阿蘭陀通詞だ(『ガリヴァーがやってきた小さな小さな島(第223号)』)。 中野柳圃…

つばさをもった恐竜族 (たくさんのふしぎ傑作集)(第30号)

『つばさをもった恐竜族』……ふんふん、鳥のご先祖の話ですよね?だったら『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』をいっしょに読んでみたら捗るんじゃね? と思って、川上先生の本を読み始めたところ。 初っ端、恐竜の分類でつまずく。鳥盤類?竜盤類って?角竜類だ…

ウミショウブの花(第341号)

ウミショウブってなんだろう?初めて聞く名前だ。 それもそのはず、日本では沖縄県の西表島および石垣島と、その周囲海域でしか見られない植物なのだ。生息域は熱帯・亜熱帯の海、インド洋から太平洋西部。分布の北限が西表や石垣というのだから、滅多に見ら…

雪虫(第344号)

『手紙で友だち 北と南 (たくさんのふしぎ傑作集)(第60号)』の29ページ、10月15日の通信には、雪虫のことが出てきている。 ゆきむし、見ました。ゆきむしは白いわたのようなものをつけてるむしです。わたしは、ゆきむしをつかまえてみました。もうすこ…

星空はタイムマシン (たくさんのふしぎ傑作集)(第41号)

小惑星探査機はやぶさ2による、サンプルリターンのミッションが成功した。 カプセルが到着したJAXA相模原キャンパスには、以前見学に訪れたことがある。そればかりでない。種子島宇宙センターに内之浦宇宙空間観測所、調布航空宇宙センター、筑波宇宙センタ…

マダコ(第194号)

最近、マダコに関するこんなニュースを見た。 9本足のタコ見つかる 宮城・南三陸町で展示 - 産経ニュース 自分で獲ったものを茹でてたとこ、気づいたというのが面白い。タコ大好きな私なら、すごく得した気分になると思う。みてみてーって大騒ぎして写真撮…

皮をぬいで大きくなる(第121号)

子供は、バッタに夢中だったことがある(『バッタのオリンピック (たくさんのふしぎ傑作集)(第6号)』)。 東北に引っ越してこちらでも、生きものクラブみたいなのに参加しているが、先日バッタを捕まえるイベントがあった。鳥キチになった今も、捕獲や識別…