理科
『宇宙とわたしたち(第385号)』のきょうだい本といえるものかもしれない。 私たちの体を作る物質は、100億年間も宇宙をめぐってきたものです。宇宙の中で、星や星間ガスと形を変えながら、100億年以上の時間をかけて、めぐりめぐって、いま、私たちの体の…
『花がえらぶ 虫がえらぶ』の英題は、 "THE MARVELOUS PARTNERSHIP BETWEEN INSECTS AND PLANTS" 植物と昆虫の共生関係について描いた絵本だ。『サンゴしょうの海 (たくさんのふしぎ傑作集) (第28号)』が海の生きものの“共生”なら、こちらで取り上げるは陸…
主役はドーンとど真ん中真正面にご登場。 衒いのない表紙、そしてタイトル。紛うことなくヘリコプターが主人公の絵本だ。 表紙の絵、よくよく見ると操縦席に人の影が見えるのだが、あくまで脇役。 ヘリコプター(とそれに類するもの)が登場しないページはほ…
今年も彼らがやってきた。 マガンたちだ(『からだの中の時計(第440号)』)! 今年の初飛来確認日は9月17日。去年より1日だけ早い。 10月に入り、続々と到着し始めている。 よくもまあ何千キロも離れた繁殖地から、毎年毎年ジャストなタイミングで渡って…
子供は「石に執着する子」。 おまけに、いま学校で学習してるのは、元素など化学分野だ。 この『石は元素の案内人』に飛びつくだろうなと思ってたら、案の定届いてすぐに飛びついた。 学校にも“石友”がいて、石談義や石の交換みたいなのもしてるらしい。先日…
7月の日曜日、子どもをつれて、近くの公園にでかけました。 本号はこんな軽やかな一文から始まる。しかし実はすごい本なのだ。 お話の枕は、著者が小学1年生のときの思い出。高柳さんは1948年生まれなので、かれこれ60年以上前のことだ。 掃除の時間のこと…
体中みなぎる すばらしいエネルギー爆発寸前の強力なエネルギー ー↑ THE HIGH-LOWS ↓「E=MC2 」 シンプルな絵本だ。 1ページにあてられる文章は10行にも満たない。しかもフォントは大きめだ。スズキコージ描くイラストを生かすかのように、最小限にとどめ…
海のなかを優雅にただようクラゲ。 実はすごい生きものだということをご存知だろうか? まずは進化の歴史。 クラゲのなかまが誕生したのはなんと約10億年前!それ以来ほとんど体のつくりを変えることなく、現在までずっと生き続けてきたという。 ああ見えて…
知ってるつもりで、知らない植物がある。 たとえばバオバブ。バオバブのイメージはせいぜい『星の王子さま』止まり。これで知った気(木)になってるなんて本当におこがましい。『マダガスカルのバオバブ(第357号)』を読むまで、こんなに種類があるものだ…
舘野さんが、満を持して「ふしぎ」に登場。 しかもうんこ虫と来たよ。 舘野鴻氏との出会いは『しでむし』が最初だった。シデムシという“日陰者”に、美しくスポットを当てた作品。ひと目でつかまれた。その後も『ぎふちょう』『つちはんみょう』『がろあむし…
類人猿が苦手だ。 あまりにも人に似すぎているからだ。『ことばをおぼえたチンパンジー (たくさんのふしぎ傑作集)(第9号)』でも書いたとおりだ。 動物園でも類人猿コーナーはそそくさと通り過ぎてしまう。じっと見てはいけないような気持ちになってしまう…
朝、ニュースを見てたら、コンクリートに関するトピックが紹介されていた。 『NHK NEWS おはよう日本』で自己治癒コンクリート『Basilisk』が紹介されました。 | AIZAWA 微生物を利用してひび割れなどを“自己治癒”するという。夢のような技術だ。 自己治癒コ…
毎朝、新聞を取りに行くついでに、マンションの非常階段を上がっている。運動不足解消のためだ。 我が家は、この町にしては珍しい高層マンション*1だ。周囲に田園風景が広がるなか、虫の季節は夜、巨大な誘蛾灯状態になる。まんま誘蛾灯でガの種類は本当に多…
鳥は、人間と同じあたたかい血をもつ恒温動物です。気温に左右されず体温を37〜39度にたもっているため、寒い場所で生きられるものもいます。体温をたもつために、体の中で脂肪をもやしつづけています。脂肪のもとは食べものなので、鳥は生きるために食べつ…
今年も彼らがやってきた! 彼らとは渡り鳥。 マガン、シジュウカラガン、オオハクチョウ、コハクチョウ、オオヒシクイなどなど……そして種々のカモたち。 なかでも大好きなのがマガンだ。恐ろしいほどの数で見せつけてくる群れのパワーも、決して警戒心を緩め…
帰宅しておやつを食べる息子といっしょに、録画した「サイエンスZERO」を見ていた。 「“地中の王”驚異の実力 きっとミミズが好きになる」 - サイエンスZERO - NHK 冒頭紹介されたのはこの言葉。 「この取るに足らない生き物よりも 世界にとって重要な役割を …
アマゾンは謎だ。 今や世界最大級となったオンラインストアが、その名を冠したのもわかる気がする。アマゾンは世界最大規模を誇る河川であり、謎に満ちたわくわくするような場所なのだ。この本だってアマゾンと名はついてるけれど、舞台となるのはほんの端っ…
音はみえないけれどいつもわたしたちのまわりにあります。これからかんたんな工作で、音をつくり、楽器をつくり、みえない音の世界を探検しましょう。 はじめに糸電話をつくります。 ……かんたん?え? はっきりいって“かんたん”なのは、糸電話といくつかの工…
なぜまるい?の“まるい”は、どちらかといえば立体的な“まる”、球体の方のお話だ。 自然は、まるいもの、まるっこいものが好きなようだ。 自然のなかには、なぜまるいものが多い(・・・・・・・・のだろう? 球は、いろいろなものがひとりでになっていく形、…
『日本海のはなし』。 いつもながら「たくさんのふしぎ」のタイトルはシンプルすぎる。 知らんで書店や図書館にあったとしたら、私は手に取るだろうか。興味を引くタイトルでなかったとしても、各号欠かさず読む(読みたいと思う)のは、ひとえに「たくさん…
今年度のラインナップを見て、もちろん楽しみにしていた。 『ぼくが見たハチ(第161号)』で、寄生バチに興味をもった身としては、楽しみにしないわけがない。 期待に違わず、素晴らしい絵本だった。 どのハチもキラキラ輝いている。 ともすれば暗くなりがち…
ホッキ貝のシーズンだ。 東北へ来たばかりのころ、ホッキ飯食べてめちゃくちゃおいしかったので、今シーズンは自分でも作ってみようと思っていた。スーパーで生貝が出回り始めたので、さっそく購入。バラ売りのをひとつ、トングでつかんだらぴゅっと水を吐き…
子供が赤ちゃんだった頃、心拍数の高さに驚いたことがある。胸に手を当てると、 トクトクトクトクトク とものすごい速さで脈打っている。夫と、小動物みたいだねーと話していたものだ。その小動物も、今や中学生にならんとしている。心拍数も大人なみに落ち着いてきた…
引力、重力、遠心力。 その意味や理解はともかく、ふだん当たり前のように使っている言葉だ。 だれが“創った”か知っているだろうか?これらの言葉を発明したのは、誰あろう阿蘭陀通詞だ(『ガリヴァーがやってきた小さな小さな島(第223号)』)。 中野柳圃…
『つばさをもった恐竜族』……ふんふん、鳥のご先祖の話ですよね?だったら『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』をいっしょに読んでみたら捗るんじゃね? と思って、川上先生の本を読み始めたところ。 初っ端、恐竜の分類でつまずく。鳥盤類?竜盤類って?角竜類だ…
ウミショウブってなんだろう?初めて聞く名前だ。 それもそのはず、日本では沖縄県の西表島および石垣島と、その周囲海域でしか見られない植物なのだ。生息域は熱帯・亜熱帯の海、インド洋から太平洋西部。分布の北限が西表や石垣というのだから、滅多に見ら…
『手紙で友だち 北と南 (たくさんのふしぎ傑作集)(第60号)』の29ページ、10月15日の通信には、雪虫のことが出てきている。 ゆきむし、見ました。ゆきむしは白いわたのようなものをつけてるむしです。わたしは、ゆきむしをつかまえてみました。もうすこ…
小惑星探査機はやぶさ2による、サンプルリターンのミッションが成功した。 カプセルが到着したJAXA相模原キャンパスには、以前見学に訪れたことがある。そればかりでない。種子島宇宙センターに内之浦宇宙空間観測所、調布航空宇宙センター、筑波宇宙センタ…
最近、マダコに関するこんなニュースを見た。 9本足のタコ見つかる 宮城・南三陸町で展示 - 産経ニュース 自分で獲ったものを茹でてたとこ、気づいたというのが面白い。タコ大好きな私なら、すごく得した気分になると思う。みてみてーって大騒ぎして写真撮…
子供は、バッタに夢中だったことがある(『バッタのオリンピック (たくさんのふしぎ傑作集)(第6号)』)。 東北に引っ越してこちらでも、生きものクラブみたいなのに参加しているが、先日バッタを捕まえるイベントがあった。鳥キチになった今も、捕獲や識別…