この号は、前号のふしぎ新聞の「ポケットパズル」の答えを知りたいという、子供のリクエストで借りてきたものだ。
特筆すべきは色の美しさ、心地よさ。作者本人も「私の描くゾウやワニの色は、あなたが思っているのとはすこしちがうかもしれません」と書いているように、一瞬こんな色だったかなあと思うのだが、じっと見ていると、確かにこんな色だったはずだ、と思えてくるから不思議だ。印刷でこれだから、原画はさぞや美しいのではないだろうか。
作者が訪れた掛川花鳥園には、以前家族で行ったことがある。鳥好きにとっては、楽園のようなところだ。
コガネメキシコインコとのふれあい |
ベニコンゴウインコのショー |
鳥たちが人間とふれあいたいのかどうかはともかく、ここの環境は鳥にとっても楽園なのではないかと思わせる、素敵なテーマパークだ。大きな温室には花があふれ、鳥が自由に飛び回っている。エサを持った人間が入っていくと、すかさず手をめがけて飛んできて、エサのカップに口を突っ込んだり、頭に乗ったり、肩に止まったり好き放題だ。人間などただの止まり木か、動く遊び道具にしか過ぎないのだろう。
他にも室内型のふれあい動物園に行ったことがあるが、小鳥とふれあえる部屋は、窓がなく外の光がほとんど入らない所で、鳥にとって良い環境とは思えなかった。楽しくふれあいつつも、これでいいのだろうかと利用するたびに思ってしまう。
今号にも、ベニコンゴウインコの絵があって、
この鳥は、鳥かごに入れられているところを街なかで見るよりも、深い森のなかを自由にはばたいているところを見るほうが、百倍いきいきとうつくしく見えるにちがいありません。
と述べられている。動物園や水族館などの方が格段に見やすい撮りやすいはずなのに、やはり自然の中の姿を見たい、より生き生きして美しいはずだと思うのは人間の勝手な考えだろうか?最近の動物園や水族館では「生き物本来の姿」を見せられるような展示に変わりつつあるが、より自然に近い環境に置かれるというのは、見る側にとっても幸せなことなのだと思う。
しかし、本当の自然の中では、生き物の色は身を守るカムフラージュという場合もあるので、うつくしく見えるどころか、実のところ、目を凝らして探すところから始めないとならないのかもしれない。