最近、マダコに関するこんなニュースを見た。
9本足のタコ見つかる 宮城・南三陸町で展示 - 産経ニュース
自分で獲ったものを茹でてたとこ、気づいたというのが面白い。タコ大好きな私なら、すごく得した気分になると思う。みてみてーって大騒ぎして写真撮って、ブログに上げるかもしれない。でも外の機関に教えたりなんかしないで食べちゃう。
本号のマダコの写真は、ほとんどが海中で撮られたもの。
狩をするため、目立たないよう姿を変えたり、姿を隠したりしてるものだから、写真映えしないことこの上ない。
あれ、どこにいるのか
わからなくなった。
見つけた!
ってページがあるけど、どこだよ?って感じ、ほとんど背景と一体化している。
マダコのすみは、
自分のすがたをかくす
えんまく だ。
のページにいたっては、足2本くらいしか写ってない。おまけに右隅には、ちっちゃいイカのこれまたちっちゃい写真が切り抜きで割り込んでいる。
というキャプションとともに。
なぜイカスミは食べるのに、タコスミは食べないの?→分身のイカ 煙幕のタコ、イカスミに比べて取り出しにくいから | チコちゃんに叱られる!
マダコの好物は、カニやエビ。二枚貝やアワビも食べるらしい。そんなもん食べてて、おいしくならんわけがない。エビってもそこらのちっこいエビじゃない。捕まえてるのは、なんと伊勢海老だ。伊勢海老ですよ?
しかもまあ上手に食べること。食べ残したエビの殻ってやつがのってるけど、標本だってこんなうまくは作れないんじゃないかという出来栄えだ。イセエビをこんなして食べられるくらいだから、アワビなんてチョロいもんだろう。ちっちゃい穴だけ空けて、そこから中身はペロリだ。
一生の総仕上げは、オスは交尾、メスは産卵と子育てだ。メスは何十万もの卵をいちどきにうみ、子供が孵るまで片時も離れず世話するのだという。伊勢海老もアワビもこのときのためのエネルギー源なのだ。
うまれたばかりのマダコはただのプランクトン。腕の吸盤が16個くらいになると、ようやく海底をはう生活にうつるという。それまで生き延びればの話だが。伊勢海老やアワビを食べるまでに成長できた奴らは、まさにサバイバーなのだ。
そんなサバイバーたちも、人間に捕まってしまえば一巻の終わり。食すべからずという文化がある地域は良いけれど、近海だけに飽き足らず、よその海から持ってきてまで食べる我が国の人々は、マダコに取って最大の敵かもしれない。
ちなみに9本足のタコが見つかった南三陸町では、「オクトパス君」という、南三陸産マダコがモチーフの合格祈願キャラクターを売り出している。
合格祈願・復興祈願の「オクトパス君」|南三陸復興ダコの会オフィシャルページ
オクトパス君の好きなものは、志津川湾のアワビだそうだ(オクトパス君プロフィール)。うーん。志津川のタコのおいしさはやはりアワビでできてるのか……。
⇧イベントで子供がもらったバッジ