こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

かくれんぼ(第249号)

この本は、植田正治の写真に「かくれんぼ」をテーマにした文章を付けた、写真絵本である。『生きる』はできている詩に、絵を付けたものだったが、こちらは写真を元に、文章を書いたものだ。

詩を元に絵を描くというのは、案外難しい作業だと思う。詩からイメージされる映像は、人それぞれ違うからだ。『生きる』でも「(略)2年をかけて完成しました。この間に画家の岡本よしろうさんと担当編集者の間でかわされたラフスケッチは、40冊をこえました」と書かれているので、 詩をどういう形で絵本にするか、相当な時間をかけて話し合われたことがわかる。

一方、写真からイメージされる言葉というのは、言葉から映像をイメージするほどの広がりは持たないと思われる。もちろん、ある写真を見て文章を付けるのも、人それぞれ違うものが出てくると思うのだが、違うものに対しても違和感を覚えづらいというか、こういう言葉もありなんだ、という許容があるような気がする。

ただ、これは私が植田正治の写真にそれほど思い入れを持たないからであって、植田正治の写真を深く愛し、理解している人から見れば、この言葉は違うと思われることもあるのかもしれない。

しかし、私個人は、この『かくれんぼ』の、写真と文章は素晴らしくマッチしていると思う。”植田調”と言われる、不思議な写真そのものも雰囲気があって良いが、それに文章を付けることで、さらなる奥行きが生まれるような感じがするのだ。

大人である私は植田正治の名前も写真も知っているから、先入観なしには見ることができないが、そういうことを全く知らない子供たちは、この絵本をどう感じるのだろう?怖いと思うのだろうか?怖いけどもう1回見てみたいと思うだろうか?