「たくさんのふしぎ」を子供に読み始めたのは、確かこの号からだったように思う。
子供とどこかに出かけたりする前とか後とか、関連した本を探して読むようにしていた。たいがいは「かがくのとも」で、あとは小さな子供向けの科学絵本や写真絵本など。
観覧車に関しては、幼児向けの本は見つからなかった。唯一見つかった「子供向けの観覧車の本」がこれだったのだ。当時の年齢にしてはちょっと難しいかなーと思ったが、写真だけでも見てもらえればいいかなと。
今思えば、“遊園地”の本を探せばよかったのかもしれないが、乗るのは駅上に設置された観覧車で、遊園地に行くわけではない。遊園地じゃないから、観覧車だけの本!とか、なんて頭が固かったんだろうか。結果的に「たくさんのふしぎ」と出会えたのだからよしとしよう。
今回、記事を書くためにもう一度読んだが、子供は見てすぐに、
「あ、観覧車の本〜もう1回読むー!」
と言っていたので、覚えてたんだなーとうれしく思った。当時は存在に気づきもしなかった「ふしぎ新聞」をめくる様子に、年月の経過と子供の成長を感じることができた。
観覧車好きの作者が愛するのは、町中にある比較的小さな観覧車。そこで暮らす人々の生活を見つめる「守り神」のような存在に思えるのだと言う。毎日は乗らなくてもそこにあることで、ほっとするのだ、と。
子供はいつか「たくさんのふしぎ」を読まなくなる日が来るのかもしれない。それでも「ふしぎ」にはいつまでも続いていってほしいと心から思う。