こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

青函連絡船ものがたり(第34号)

母のふるさとは北海道にある。学校の長期休みのたび、飛行機に乗って、北海道の祖父母の元へ遊びに行っていた。

ある時、青函トンネルの完成に伴い、青函連絡船が廃止されるというニュースを知った母は、最後に乗りに行こうと言い出した。飛行機に慣れている母が、青森までの長時間の汽車に耐えられるのだろうかと思ったのだが、何とか乗船口までたどり着き、無事連絡船に乗ることができたのだった。

しかし、覚えていることといえば、手袋を船に忘れてきたことだけで、あとの記憶はほとんどない。函館から札幌まで、また鉄道で移動したのだと思うが、こちらも相当な距離がある。「お別れ乗船」のためとはいえ、あの母(面倒臭いことが嫌い)がよく「頑張った」ものだと思う。

青函トンネルができてからは、鉄道を利用して北海道に渡ることはなく、一度訪れてみたいと思っていたトンネル内の海底駅も見ることなく、北海道新幹線が開業してしまった。子供は鉄を卒業したようなので、新幹線に乗ることもあまりないのかもしれない。

本書の最後には、

市内電車も「消えゆく鉄道」のひとつですが、函館では、まだ元気にかつやくしています。

と書かれている。函館市電は、鉄道に関する著書で有名な著者、宮脇俊三が亡くなった後も、そしてこの号が出て30年ほど経った今でも「元気にかつやくしている」。

青函連絡船ものがたり (たくさんのふしぎ傑作集)

青函連絡船ものがたり (たくさんのふしぎ傑作集)