これは、子供が読み聞かせしてくれた。
学校では音読の宿題が出るが、一定期間毎日毎日毎日毎日毎日同じ文を聞いていると、本当に飽き飽きしてくる。読んでいる子供の方もつまらなそうだ。初回〜5回目くらいまでは、何とか工夫して乗り切るが、それ以上になると、悲しい話もいい加減突っ込みをいれたくなってくる。
そこで、ある程度読めたら(5日間は続ける)、かわりに好きな本を音読してもらうことにしたのだ。
「たくさんのふしぎ」の音読は、けっこうハードな作業だ。
だが、子供はすらすらと最後の40ページまで読み切った。聞いている私も楽しかった。
絵を見ながら、声に出して読むテンポで聞いていると、映像を見るかのように見えてくる。干潟の干満にしたがって、そこにいる鳥たちの様相が変わっていくのが見えてくるのだ。黙読だけだと、ここまで深く理解しなかったように思う。
じゃあ、自分で音読するときは?
人に聞かせることが目的なので、字面を読んで伝えること……声の大きさやスピードを調整することに集中してしまっている。絵を見る余裕はないし、文章の中身を咀嚼する間もなく読んでしまう。案外、黙読で読み直したりすることも多い。
子供が読み聞かせをどう聞いているのか、そして小2になった今も、なぜ読み聞かせをしてもらいたがるのか、少しわかったような気がした。
谷津干潟周辺は、私が幼い頃のレジャースポットだった。
潮干狩りしたことがあるし、文中の「すぐとなりにあるショッピングセンター」には、電車に乗って親に連れられて行った覚えがある。「塩田の跡地が大きな遊園地」には幼稚園で行った遠足の思い出。
今度子供を連れて、谷津干潟に行ってみたいと思った。