たまにパエリアを作ることがある。
スーパーでムール貝を見かけた時だ(レシピは長年ここのを使っている。いつ作ってもかんたんでおいしい)。
ムール貝はムラサキイガイとも呼ばれる。世界の侵略的外来種ワースト100に選ばれ、日本の侵略的外来種ワースト100でもある。要はわんさか殖えて困るくらいの生き物だ。
そんなに獲れるなら、安く売られていてもいいはずでは?でもムール貝はそんなにお安くはない。アサリのようにいつもいつも出回っている食材でもない。需要が少ないこともあるだろうが。
「天然もの」は小粒で食用に向かないのと、何より貝毒による食中毒が怖いらしい。
なるほど。わざわざ養殖したり、輸入したりとなれば、安くなるはずがない。
「外来種」というとエイリアンみたいな悪いイメージがある(と書いていたら実際英語でalien speciesとなっていてびっくりした)。
でも作者は言う。
ヌートリアは、渡り鳥とはちがって、それまでのすみかをはなれて、この町を新しいすみかにしているんだ。そう考えると、ヌートリアに、「ようこそ、ぼくの町へ」と言いたいきもちになってきた。
ようこそ、という気持ちが、そして生き物が「海をこえてやってきて、自分の町にすみつくまでの物語」を知りたいという好奇心が、この本を作っている。
ヌートリアの被害を受けている側からしたら、とてもようこそという気分にはなれないだろうが。
付録「ふしぎ新聞」の「作者のことば」では「逆帰化生物」について書かれていたが、その中のマメコガネについて、子供が、知ってる知ってる、えーとねー、外国ではジャパニーズ・ビートル(Japanese beetle)って言われてるんだよーとドヤ顔で語るのにはびっくりした。
いずれ来る小学校の英語教育義務化のニュースを見て、英語なんかイヤだ!勉強なんかしない!と言い張る息子も、好きなものについては自然と覚えてしまうのかもしれない。