こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

ことば観察にゅうもん (たくさんのふしぎ傑作集)(第277号)

みんなでつくる1本の辞書 (たくさんのふしぎ傑作集)(第338号)』で、

ところが、この号だけ(だと思うが)は、48ページなのだ。

と書いたが、この『ことば観察にゅうもん』も同じく48ページ構成だ。

ちなみに、この本でイラストを担当する祖父江慎氏は『もじのカタチ(第305号)』を書いているが、こちらも48ページ構成になっている。

 

子供は今、夏休み。これを寝っ転がって読みながら、ギャハハと笑っている。コミカルなイラストが、言葉あそびの面白さに相まってツボにハマったらしい。

「はやりことば」のページには、“さいきん、はやったはなしことば”として、おっはーチョベリバといった言葉が掲載されている。新語・流行語大賞の受賞年度を見ると、おっはーは2000年、チョベリバは1996年なので、この号が発売された2008年には、使わなくなりつつあったと思われる。チョベリバに至っては「廃語である」と断言されているのが哀れを誘う。一方、さぼるドンマイどたキャンのように、流行語として始まったようなものが、俗語となり今でも使われている言葉もある。

 

祖父江氏は「でも文字って、物事を伝えにくいものなんですよ」と言う。

連載『嘘じゃない、フォントの話』(supported by モリサワ) 第11回目 ブックデザイナー祖父江慎インタビュー P1 - コラム : CINRA.NET

文字で何かを伝える、自分の意図するところ or 考えたとおりのものを、文字を使って正確に伝えるのは、途方もなく難しいことなのだ。私自身はLINEをやらないが、友人・知人がPTAやサークル内でのLINEを使ったやり取りに、疲れきった愚痴をこぼしているのを聞くことがある。面と向かわない、声の調子もわからない、非言語的な手がかりが掴めない中での、ことばのやり取り。スタンプが非言語コミュニケーションの代わりをつとめるとはいえ、行き違いや誤解を生むこともあるのだろうなと想像する。 

ブログを書くようになって、いつも同じような表現しかできていないなーと、自分のボキャ貧(これも死語か?)ぶりに、忸怩たる思いをしているが、まれに、あーこれこれこういう表現で書きたかった、この言葉がぴったり合うという文が書けたときには、本当にうれしい気持ちになる。

LINE時代のことばの文化は、これからどう変化するのだろう。ビジネスは、プライベートさえこの人が主張するような方向に進み、電話応対の文化は廃れていくのだろうか?大手都市銀とかクレジットカード会社とか電力・ガス会社とか、電話営業はまだまだ現役なので、当面電話文化が消え去ることはないのかもしれない。しかし、聞いてるとただマニュアル通り読み上げるだけ、まったく血の通わない話し方に、これならロボットでもできるよなーとため息をつきたくなることも確かだ。たまにロボット(自動音声)からかかってくることもあるが、問答無用で叩き切ってるのはいうまでもない。

ことば観察にゅうもん (たくさんのふしぎ傑作集)

ことば観察にゅうもん (たくさんのふしぎ傑作集)