『みんなでつくる1本の辞書 (たくさんのふしぎ傑作集)(第338号)』で、
ところが、この号だけ(だと思うが)は、48ページなのだ。
と書いたが、この『ことば観察にゅうもん』も同じく48ページ構成だ。
ちなみに、この本でイラストを担当する祖父江慎氏は『もじのカタチ(第305号)』を書いているが、こちらも48ページ構成になっている。
子供は今、夏休み。これを寝っ転がって読みながら、ギャハハと笑っている。コミカルなイラストが、言葉あそびの面白さに相まってツボにハマったらしい。
「はやりことば」のページには、“さいきん、はやったはなしことば”として、おっはーやチョベリバといった言葉が掲載されている。新語・流行語大賞の受賞年度を見ると、おっはーは2000年、チョベリバは1996年なので、この号が発売された2008年には、使わなくなりつつあったと思われる。チョベリバに至っては「廃語である」と断言されているのが哀れを誘う。一方、さぼるやドンマイ、どたキャンのように、流行語として始まったようなものが、俗語となり今でも使われている言葉もある。
祖父江氏は「でも文字って、物事を伝えにくいものなんですよ」と言う。
連載『嘘じゃない、フォントの話』(supported by モリサワ) 第11回目 ブックデザイナー祖父江慎インタビュー P1 - コラム : CINRA.NET
文字で何かを伝える、自分の意図するところ or 考えたとおりのものを、文字を使って正確に伝えるのは、途方もなく難しいことなのだ。私自身はLINEをやらないが、友人・知人がPTAやサークル内でのLINEを使ったやり取りに、疲れきった愚痴をこぼしているのを聞くことがある。面と向かわない、声の調子もわからない、非言語的な手がかりが掴めない中での、ことばのやり取り。スタンプが非言語コミュニケーションの代わりをつとめるとはいえ、行き違いや誤解を生むこともあるのだろうなと想像する。
ブログを書くようになって、いつも同じような表現しかできていないなーと、自分のボキャ貧(これも死語か?)ぶりに、忸怩たる思いをしているが、まれに、あーこれこれこういう表現で書きたかった、この言葉がぴったり合うという文が書けたときには、本当にうれしい気持ちになる。
LINE時代のことばの文化は、これからどう変化するのだろう。ビジネスは、プライベートさえこの人が主張するような方向に進み、電話応対の文化は廃れていくのだろうか?大手都市銀とかクレジットカード会社とか電力・ガス会社とか、電話営業はまだまだ現役なので、当面電話文化が消え去ることはないのかもしれない。しかし、聞いてるとただマニュアル通り読み上げるだけ、まったく血の通わない話し方に、これならロボットでもできるよなーとため息をつきたくなることも確かだ。たまにロボット(自動音声)からかかってくることもあるが、問答無用で叩き切ってるのはいうまでもない。
- 作者: 米川明彦,祖父江慎
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2010/02/10
- メディア: 単行本
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