こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

じっけん きみの探知器 (たくさんのふしぎ傑作集)(第157号)

でも、本を読んだり、大事なものをさがしたりするときは、目はいっしょうけんめい働いているなあと思う。(本文より) 

大事なもの、子供にとってそれは「野鳥」ということになるだろうか。

私たち夫婦が眼鏡を使い始めたのは、小学生の時だ。子供もゆくゆくはメガネをかけることになると思っていたのだが、今のところは裸眼で過ごせそうな様子だ。野鳥を見つけられるうちは、黒板も見えているはず。同じ「見る」でも、野鳥がwatchなら、黒板はseeだろうが…。

2019年度の学校保健統計調査によると、裸眼視力が1.0未満の小学生の割合は34.57%と過去最多を記録したという。実際、五年生時の子供のクラスを見ても、メガネをかけた子は3分の1くらいいたと思う。視力低下は「遺伝」と「環境」が大きく関係していると言われているが、遺伝はどうにもならないし、環境もコントロールするのは難しい時代だ。スマートフォンやポータブルゲーム機と無縁の子供は皆無と言っていいし、親にできる努力といえば、使用時間のコントロールくらいなものだ。最近では「屋外で過ごす時間の長さが近視に影響する」という研究報告*1もあるが、ステイホーム!オンライン授業!の影響で、外で自由に活動することもままならなくなってしまった。

外遊びが近視の進行を抑えるかもというのは、我が子を見る限りは実感できることだ。野鳥を見るには外へ出るしかないし、視力を維持しようという動機づけもはたらくことになる。パソコンやスマホを使う時間が長くなれば、鳥を探せなくなるよと脅せば済む話だ。黒板をseeできるのも、野鳥をwatchしているおかげといえよう。

子供の学校は普通の公立小で、休校中も紙の課題が与えられるだけ、オンライン授業なんて洒落たものは実施されなかったが、まあ我が子の「目」に取っては良かったのかなあとも思う。オンライン教材で勉強を進めることも考えたが、外で鳥を見てた方が(当たり前だけど)よほど生き生きしているので早々にあきらめた。親としては、学習の遅れみたいなものを意識しないではいられないし、それならばもう少しあきらめずに関わればいいのかもしれないが…。結局「野鳥に夢中な息子」の方を見たいのは私自身なのだろう。

『じっけん きみの探知器』は、家のなかで子供と気軽にできる実験が満載だ。「じっけん 手のひらにあながあく?」とか「じっけん ききジュース大会」とか「手さぐりゲーム」なんかも、わいわい遊びながらやれば盛り上がると思う。ステイホーム中にぴったりな実験の数々なので、万一これから学校閉鎖や学級閉鎖があった時など、やってみると面白いかもしれない。

子供は学校で、フルに“探知器”をはたらかせていることだろう。給食(今の学校は自校調理)の匂いを探知したり、カッコウのさえずりに聴き入ったり、マスクのゴムが顔に当たるのを感知していじってみたり。先生の授業に耳を傾けたり、今教わっている箇所に注目したりで(参観中、ぜんぜん関係ないページを見ているのを目撃したことがある)探知器を使ってほしいものだけれど。子供の探知器が自分に都合の良いところを優先してサーチするなら、親は「子供のできていないところ」に焦点を当て探知するようにできている。親は、もう少し「子供の良いところ」を感知する精度を上げるべきなのかもしれない。

じっけん きみの探知器 (たくさんのふしぎ傑作集)

じっけん きみの探知器 (たくさんのふしぎ傑作集)

  • 作者:山下 恵子
  • 発売日: 2010/02/10
  • メディア: 単行本