こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

家をまもる(第445号)

“houseとhomeってどう違うの?”

お。そういう質問が出てくるようになったのか。

子供は中学生。英語の学習真っ最中*1だ。

この号のタイトルは『家をまもる』。こんな文章から始まる。

 家は、その中で人がくらす入れものです。

 家は、雨や嵐、地震などの自然災害にさらされることがあります。外敵からおそわれることもあります。

 家がこわれたり、なくなったりしたらたいへんです。そこで人々は、家をまもるさまざまな工夫をしてきました。

どちらかというと、物理的な家、つまり"house"の話であるように見える。

ところが英題は、

"INGENUITY TO PROTECT HOMES AROUND THE WORLD"

だ。

そのわけは本号の写真を見ればわかる。

家は家だけで成り立つものではないからだ。家には人が要る。家族がいる。家は人のためにあるものなのだ。だから人なしで紹介される家はひとつもない。必ず人の、家族の生活とともにある。

家だけでなく、たとえば「穀物倉庫」を守る工夫なども紹介されている。穀物倉庫も人の営みなしには存在し得ない建物だ。

面白い視点だと思ったのが「絵でまもる」というところ。

チロル地方レッヒ川沿いには、壁にフレスコ画が描かれた大きな家が数多くあるという。描かれるのはキリスト教の聖人や、イエス・キリスト聖母マリアなどだ。これはかつて流行を繰り返したペストの名残だという。すなわちペストに罹らないようにという祈りを込めて描かれた、“お守り”としての絵なのだ。『家をかざる(第409号)』にも通じるところがある。

 

実はこのエントリーを書くのに、なかなか手をつけられなかった。

先月大きな地震があったからだ。昨年に引き続いて2回目だ。時期もほぼ同じ。

幸い、家族皆にケガはなく、被害といったらまた食器が割れたくらいなもの。電気ガス水道…ライフラインがすべて無事だったのも何よりだ。どれかが止まってもおかしくないくらいの地震だった。市内ではしばらく断水した地域もあった。

ご存知のように東北新幹線が不通になるくらいなので、県内や周辺自治体の被害も大きい。11年前の大震災で家を失い、移った場所で建てた家も昨年の地震で被害に見舞われ、ようやく直した矢先今年も……という話をニュースで見て、思わず言葉を失ってしまった。

家というのは単なる入れものだけど、失われたり壊れたりすれば、人に与えるダメージも大きい。人あっての家、ではあるけれど、家あっての人、でもあるのだ。だからこそ「家をまもる」のだ。

 

そして私たちは今、家を破壊され故郷を追われる人々を目の当たりにしている。

2022年ロシアのウクライナ侵攻 - Wikipedia

破壊されるのは単なる家だけでなく、人々の生命、家族、生活そのものだ。

『家をまもる』でも「外敵から守る」「報復相手から身を守る」という例が紹介されていたが、今は役目を終えたものばかりだ。人や家を破壊する武器が先鋭化した現代で、私たちがその身を、その家を守るすべはない。それをただ、絶望とともに見せつけられている。

*1:私は基本的に学校教育を信頼している。しかし今の学校英語には大変な危機感を覚えている。子供は英語の塾などに通ったことはなく、小学校の授業のみで中学に上がった。小学校でやる授業やテストはごくごく簡単なもの。当然中学ではこの辺の復習も含めてやり直してくれるものだと思い込んでいた。ところが蓋(教科書)を開けてみると、小学校でやった部分は既習という前提でがんがん難しい英文を繰り出してくる。これは不味い……。テストの出来の悪さに慄いて子に確かめてみると文法事項があやふや、かなりの混乱が見られる。

たぶんこれはうちだけでなく、多くの小中学生が直面している問題だと思っている。

「英語嫌いな子」が急増中!小学生の親が知るべき深刻な現状 | CHANTO WEB

対象のお子さんがいない方は「中1 英語 やばい」などでググると、その実態が垣間見えるかもしれない。塾(学習産業)の煽りだろ、冷静になれよって思われるだろうが、今回ばかりは塾の方も煽るばかりでなく、頭を抱えている様子が見える。公立校の授業時間は一つも増えてないのに、教えるべきこと覚えるべきことが激増しているヤバさは、当事者でないとなかなか実感しづらいかもしれない。国が考える英語教育は、この教科書についていけない子を率先して置き去りにしていくスタイルなのだろうか。ともあれうちは子供の希望もあり、塾に通うことになった。