こどもと読むたくさんのふしぎ

福音館書店の月刊誌「たくさんのふしぎ」を読んだ記録です。

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

シュヴァル 夢の宮殿をたてた郵便配達夫 (たくさんのふしぎ傑作集) (第215号)

子供に戦国時代ブームが来ていた頃、戦国ごっこを繰り広げていたことがあった。 実物を真似して自分の考える布陣図を書き付けたり、厚紙と棒で軍旗を作ったり、プラレールの橋脚を使って城郭っぽいものを建てたり。 思い返せば自分も、理想の家を考えてはお…

アオムシの歩く道(第336号)

授業参観に行ったら、理科でモンシロチョウを学習していた。最近はめったに読み聞かせしてないが、夜、珍しく子供が何か読んでほしいという。モンシロチョウに関わる、この『アオムシの歩く道』を使って、久しぶりに読み聞かせをすることになった。 著者は、…

かんたんレストラン 世界のおやつ(第122号)

今号は「作者のことば」から引くと、 『かんたんレストラン・世界のおやつ』を作るのに、私は10か国の方々にお会いして、おやつのレシピを教わりました。お隣の韓国や中国、ハワイやアフリカ、南アメリカやヨーロッパから来た人たちです。 「あなたの国の…

アジアの台所たんけん(第213号)

3ヶ月分のパンを、皆で一斉に手作りするトルコの村*1。食事の順番こそ男性優先だが、二人で協力して夕食作りをするスリランカの夫婦。親類や近所の女の子たちに囲まれ、料理を教えながらごはん作りをするインドのおばあちゃん。家族総出で、市場に出すソム…

河童よ、出てこい (たくさんのふしぎ傑作集) (第87号)

カッパといえば思い出すのが、西炯子の『Stayネクスト夏休みカッパと』。 幼なじみ3人(男2&女1)が、カッパ探しに遠野まで出かけるが……というお話。3人が住むのは、おそらく作者の故郷である鹿児島県。鹿児島から岩手ってかなりの距離だ。かつて東京か…

虹をみつけに(第248号)

これは「虹の科学」ではなく、いわば「虹の芸術」の本だ。 昔の西洋や中国などでも、虹は神話や伝説、絵画や彫刻の題材として取り上げられてきたが、なぜか日本では、虹の絵さえ、中世になるまでほとんど描かれなかったという。 確かに、西洋画では何度も見…

街は生きている(第340号)

この本について的確に説明するのは、なかなか難儀なので福音館の内容紹介から引用してみる。 街は、毎分、毎秒、変わり続けている。いつもわたる横断歩道の信号機の黄色いスイッチのケースも。駐車場にある真っ赤な自動販売機も。川沿いの階段横の壁も。僕ら…

マーシャルの子どもたち-水爆の島(第139号)

本号の最後は、こう結ばれている。 太平洋のまん中の小さな島でおこっていることは、けっしてマーシャルの人びとだけの問題ではありません。核実験や原子力発電所の事故による放射能でくるしんでいる人びとが世界の各地にいます。もしも核戦争や原子力発電所…

小麦・ふくらんでパン (たくさんのふしぎ傑作集)(第92号)

初めてイタリアを旅した時、感動したのがパンのおいしさだった。 日本のベーカリーだってもちろん、焼き立ては格別だ。気がつくとバゲットをまるまる1本平らげていたこともある。しかしとにかくローマに来て初めて食べた朝食のパンは、味も食感もそして香り…

さかさまさかさ (たくさんのふしぎ傑作集) (第17号)

昔、高校の書道で篆刻をやったことがある。 篆書体という特殊な書体は単なる図形とも見えなくて、反対向きの文字を彫るのに不思議な感じを覚えたものだ。その学期の成績はまあまあ良かったので、不器用な私にしてはうまく仕上がったのだと思う。名字は画数が…

夢ってなんだろう (たくさんのふしぎ傑作集) (第11号)

最後のページには「おかあさんへのお願い」と題し、次のような文章が載せられている。 子どもたちが見る夢を大切にしてください。たのしい夢にしても、こわい夢にしても、その中で子どもたちはいっしょうけんめいに生きたのですから。 それから、朝起こすと…

いのちのひろがり (たくさんのふしぎ傑作集) (第361号)

バス待ちをしている時、突然、子供が手近にいるアリを手に乗せて、 「このアリもぼくの祖先なんだよ」 とか言い出した。 何のこっちゃという感じだが、ああ、借りてきている『いのちのひろがり』を読んだんだなと思い当たった。 この本は雑誌発行時に読んで…

ハクチョウの冬ごし(第309号)

本号は「作者のことば」によると、 私の住む山形県鶴岡市大山には、今でも貴重なブナ林のある高舘山と八森山があります。 八森山のふもとに上池があり、高舘山のふもとに下池があります、このふたつの山も池も、私の幼いころからの動植物の観察の場であり、…

ぼくは少年鉄道員 (たくさんのふしぎ傑作集) (第242号)

この号は珍しく、雑誌と傑作集の表紙が異なっている。 雑誌は、地味目の背景に正面からやってくる列車の色が映えて、かわいらしい感じだ。傑作集は傑作集で、空の色と列車のカラーと地面の緑が調和してとても美しい。どちらも捨てがたい。 本の舞台は、ドイ…